”辻元佳史の世界”からあなたは帰れなくなるかもしれません。


日常の中から生まれた過激

『世界を滅ぼして「自分」だけがいればよい』
朝日新聞書評(2002年1月27日)

 ドキリとさせられるタイトルだ。帯でも<自分一人vs.全人類60億の戦い>をサバイバルするための<劇薬>とぶつ。このところH氏賞の候補に続けて名が挙がる「スーパーロック詩人」の「詩的朗読ライブ実況版エッセイ集」だ。
 自由をもてあまして「檻を求め」、あてのない自分探しに駆り立てられ、「自己肥大気味」のくせに他人の目ばかり気にする、<退屈>で<窮屈>なニッポン社会。安易に答えを求めるのをやめて自分を見つめ、信じる価値観で「飛べ!」───。めずらしい言説でないのに新鮮に響くのは、ツンツンとがってイキがいい言葉の力、なのだろう。
 朔太郎や中也、エリュアールを読みふけった。卒論は漱石、サークルは国文学研究会。現代作家で親しんだのは大江健三郎までと聞くと、ポップな作風が意外に思えてしまう。
 「文学をやることって、気恥ずかしいし、うさんくさい」。そう実感する若い世代の一人と自覚する。でもだからこそ、探ってみたい気持ちもある。いま・ここの自分と世界のありかを、現代詩という「つつましい趣味」でいかに実現できるか。
 大手マスコミで働く。最近まで社長室直属の宣伝部に7年半いた。端っこにいる人間と思っていたのが中枢に放り込まれ、「鍛えられました」。詩を書き始めたのはそのころから。過激だけど妙にまっとうな独特の世界は、サラリーマンの日常から生まれたのだ。
 新入社員の時代から貫禄十分で課長と間違われたが、まだ34歳。詩人としての今後は?「長生きすればノーベル賞をとるかもしれないし、独裁者になるかもしれない。人生先のことはわからない」

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