”辻元よしふみの世界”からあなたは帰れなくなるかもしれません。

雲とドジョウとオレと

自分をもてあますうちに 言葉をもてあますうちに
時間が切れちまう 切れちまう 切れちまう
なんだって
こんなことを書いてだれに読ませているんか
オレは

さあて だれに読ませているんか

なにせい
みんなに読んでもらいたいようなことなど
オレにはない

本当にさ 波が寄せては返して
さんぶさんぶと
なんの感慨もありゃしない

頑張ってくれい 頑張れる人らはそれなりに
さわさわ時間は流れやがて老いゆき
みんながオレを忘れ果てるころ
しまいの列車も錆びて止まるころ
地球の自転が倦んで止まるころ
あ はあは
想像すると
とても気分がいい
のだけどさいきん

そんなものがいた ということだった
そして こんなことを書いたり言ったり
していたということだった
きゃはきゃは笑っている人たちがいたということだった
狭い天穴から
雲をつかもうと
またドジョウが一匹
跳躍する 自由を得る
そして
床に落ち ひからびて
死ぬ

なんだって
こんなことを書いてだれに読ませているんか
オレは

ドジョウのねばねばが泥を吸って硬化する
遠い あの雲
そしてオレの この退屈。


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