”辻元よしふみの世界”からあなたは帰れなくなるかもしれません。
敵に囲まれてしまって
敵に囲まれて 敵に囲まれてしまって
一人壕にたてこもって 世界は敵だ と叫び
救援を待ってみて 救援をいつまでも
いつまで
待っているのかしら
とにかく
待ってみて
待ってみて
いつの日のことだろうか
砲煙がうすれて
銃声が響いていないということに
そういう空気に 光に なにもあないという平穏の
尊さに
そんなあれこれに あこがれに
扉を開けてみる
べきなのに
そう そんな べきなのに なお
外に出て行くことができずに
いつまでも壕にたてこもって
いつまで
待っているつもりなのかしら
自分でもわかりません
外に出ていけなくて
外 なんてあるのかしら
外 に砲声はもうないのだとしても
出ていけなくて 出て行くのが
なんか 違っていて
がん 扉を叩いてみる
がん がん がんと
叩いてみて
返事がなくて
あああ いつまでも 返事がなくて
いつまで こうしているのだろう
自分でも
わからない 自分が
わかりません。
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