”辻元よしふみの世界”からあなたは帰れなくなるかもしれません。


不定期日記 2015年

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2015年12月31日(木)
 さて、2015年も大晦日となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 私たちは昨日、珍しくコミックマーケットに行ってきました。といっても、お世話になっている知人に会いに行くのが目的で、何も買いはしなかったのですが、ほとんど10年ぶりに東京ビッグサイトに足を運びましたので、施設内におしゃれなイタリアン・レストランや中華のお店、コンビニなどがたくさん開業しているのを見て驚きました。一昔前はとにかくなんにもなくて、出展する人は苦労したものですが・・・。
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 今年は最後に、先日手に入れたリーガルのクマさんをご紹介します。リーガルRegalといえば有名な日本を代表する靴ブランドですが、こちらは毎年、12月10日から25日のクリスマス期間に一定額以上の靴を買うと、こういうクマのぬいぐるみか、特別会員ポイントをプレゼントしてくれます。
 2015年のリーガル・クマさんは「バリスタ・スタイル」なのだそうです。つまりコーヒーを淹れてくれる人。どうもバリスタというと、法廷弁護士とか、中世まで使われた弩(いしゆみ)とかを思い出しますが(思い出しませんか。私の語彙が変なのでしょうか)いずれもスペルが違います。
 リーガル社の前身は明治時代に創業した超老舗の紳士靴メーカーで、特に陸軍向けの軍靴製造で大きくなりましたが、戦後は連合国軍に当然ながら睨まれ、苦労したそうです。今ではアメリカから正式に取得したリーガルの社名で、日本を代表する靴ブランドとなっています。実はこの会社、現在は本社が千葉県浦安市にありまして、私はご近所なので、先日、本社を見学させていただきました。最高級のオーダーメイドの靴は、こちらで一足ずつ手縫いしています。
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 ということで、今年は私どもとしましては、なかなか厳しい1年だったように思いますが、しかしなんとか前向きに乗り切って来れたかな、と思っています。ひとつひとつを取り上げると、かなり難しい案件が多い1年でした・・・まあ、詳細はここで語りませんが、しかし、いろいろな方のお力添えもありまして、どうにかやってまいりました。
 来年こそは、もう4年越しになっております出版企画を形にしたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。
 この年末になりまして、私どもの旧作「図説 軍服の歴史5000年」がアマゾンで品切れになっております。今でもたくさんの方に読んでいただいていることを幸せに思っております。
 準備中の次作では、全ページの図解をフルカラーで、ということにする予定です。そのために膨大な時間がかかっておりますが、もうしばらくお待ちくださいませ。
 では皆様、良いお年をお迎えください。
 

2015年12月30日(水)
 「スター・ウォーズ フォースの覚醒 STAR WARS THE FORCE AWAKENS」を遅ればせですが見てきました。もはや瞬く間に封切から1週間ほどで興行収入10億ドル(1200億円)超え、ということで、今さら何をかいわんや、でございます。
 私は1977年の第1作「スター・ウォーズ」を小学5年生で体験した世代です。映画の常識を変えてしまったこの作品に圧倒された一人だったのは言うまでもありません。それで、この作品はもちろん、初めからジョージ・ルーカス監督の中では3部作、いや前史も含めた6部作や、後の時代を含めた9部作といった構想は、ある程度あったと思いますが、少なくとも第1作を見る限りでは、これだけで一応の完結、でもすむ感じになっておりました。デス・スターの破壊で強大な帝国を共和勢力が打倒して、主人公のルークとレイア姫が仲良くなっておしまい、という雰囲気でした。ダース・ベイダーとルークやレイアの関係も、後に明らかになる血縁の因縁など感じさせる要素はほとんどなかったように思います。
よって、私の中では、その後に製作されたこの3人の「スカイウォーカー家」の物語であるエピソード5やエピソード6は蛇足なものに感じられ、ましてアナキン・スカイウォーカーの堕落を描くエピソード1〜3は無用なものとすら思えた時期がありました。要するに、すべてが第1作から派生した豪華な外伝のように思えたのであります。無論、このシリーズの原点にはSF大河小説「レンズマン」シリーズの映画化を当初は目指していた、ということからも分かるように、ある一族の進化と大きな歴史を描く構想はそもそもあったのだとは思います。というのも、原型となったレンズマン・シリーズも、宇宙の善悪の二大勢力が争う中で、善なる能力を発揮して世界の未来を担うことになる主人公の親子、一族の物語であるからです。
 そういうわけで、個人的には、今日「エピソード4 新たなる希望」と呼ばれている第1作への思い入れが強く、それ以外のシリーズは、もちろん観賞はしましたが、ある頃までは違和感を持っていた、という事情があります。いえ、もう慣れましたので、今ではダース・ベイダーがルークとレイアの父親、というのも当たり前と感じるようになりましたが。
 そういう目で見ますと、今作は、まさに正統な「スター・ウォーズ」の続編、という感じがしますね。砂漠の惑星からの逃走劇、そして潜在的なフォースの持ち主が覚醒していくさまを描くこの作品は、間違いなく第1作「エピソード4」の後継作品、と言いますか、本歌取りのような作品と思えた次第です。
 こういうレジェンド級の作品になると、何をどうしても毀誉褒貶が激しく、そのストレスでジョージ・ルーカス本人が降りてしまったほどの強烈なプレッシャーにさらされることになります。そんな中で、本作の監督を引き受けたJ・J・エイブラムス監督の手腕と勇気はやはり、素直に褒め称えられてしかるべきなのではないでしょうか。
 どこがどう、というのは詳しい方がいろいろと調べていると思いますので、私ごときが何か申す必要もありませんが、随所にエピソード4を思い出させるシーンがあり、エイブラムス監督本人がシリーズの、特にエピソード4のファンであることがよく分かる作品ですので、私のような世代で、エピソード4になじみの深いオールド・ファンは特に納得できる作品となったのではないでしょうか。


2015年12月25日(金)
 タキシードが似合う季節です。都内某所にて。
Black tie,Black shirt,without pocket handkerchief.

2015年12月23日(水)
 いよいよクリスマスですね。これは先日、浦安市の舞浜イクスピアリ地下にあるパン屋さん「ピアリア」で見つけたサンタさんのお菓子です。

2015年12月18日(金)
 日本・トルコ合作映画「海難1890」を見ました。いいですよ、これは! まあ本日はスター・ウォーズの新作公開でもちきりでしょうが、この映画は見ておくべき一作ですね。
 これは史実に基づいた作品なので、どんな話か、といえば「エルトゥールル号遭難事件」を調べていただければ、その通りの展開なわけです。明治時代も前期のこと、オスマン帝国の威信をかけて明治天皇への謁見をすべく、11か月を費やして日本にやって来たオスマン海軍のフリゲート艦「エルトゥールル」。無事に使節としての任務を果たし、帰途に就いたのが9月。折しも日本は台風シーズンで、危険があることは分かっていたのだけれど、予定から大幅に遅れていた旅程を詰めようとあえての強行。そのために艦は座礁・沈没し、600人を超える乗組員のうち、助かったのはわずか69人。しかし、和歌山県・紀伊大島の樫野の村人たちは、自分らの危険も顧みずに救助に当たり、乏しい蓄えから食料を惜しげもなく供出し、医師たちも無償で治療にあたったといいます。
 エルトゥールルというのは、初代オスマン皇帝であるオスマン1世の父、とされる人物名ですが、実際の治績のたぐいはほとんど分かっていない、まあ伝説上の人物に近い人。そしてエルトゥールル号というのは、1850年代に建造された木造帆走のフリゲートで、まあ、日本にやって来たペリー艦隊の黒船ぐらいの時代の軍艦。当然、1890年には非常に古い艦だったわけで、ただし60年代に蒸気機関を設置して、なんとか持ちこたえていたようなもの。どうしてそんな古い艦をはるばる日本まで、というのは当時のトルコ海軍の事情はよく分かりませんが、ロシアとの度重なる戦争で弱体化する中、同海軍のまともな艦はこれしかなかったのかもしれません。排水量は2200トンほどで、大きさとしては十分な外洋船といえますが、何しろ古すぎたようです。
 この映画のみどころの一つは、やはりこの19世紀のトルコ海軍を描写しているシーン。ことに軍装は必見ですね。頭にはトルコ伝統のフェズ帽、そして士官は当時の海軍軍人としてスタンダードと言えるフロックコートですが、灰色の生地なのがとても珍しい。階級は袖口のラインで表す国際標準式なのですが、肩にもエポレットの名残らしき盾形の肩章があり、これは単純に錨のマークだけが刺繍されています。そして折り襟のレギュラーカラーのワイシャツに、紺色の普通の結び下げ型ネクタイ、といういでたちはかなり現代的に見えます。白いパンツに黒い膝まであるロングブーツ、というのは海軍では珍しいです。そして、士官はサーベルを下げ、刀帯を締めています。一方、下士官兵はセーラー服ですが、明るい青色と、えんじ色のライン、というのが非常に特徴的。頭にはやはりフェズ帽です。このように、将兵の服装ひとつとっても、かなり当時のイスラム圏の中で近代海軍を持っている、遠洋航海もできる、というところを見せ付けることは、オスマン皇帝にとってかなり意味があることだったのだろう、それゆえの派遣だったのだろう、と思わせるものがあります。
 日本海軍の士官や下士官、水兵もちょっと出て来るのですが(ちなみに海軍将校役は小澤征悦さん)このへんもしっかり時代考証されていて、帽子に金ラインの入った明治初期の海軍の服装です。さらに、トルコ軍人たちはドイツ海軍の砲艦に乗って和歌山から神戸に移送されるのですが、そのシーンではちゃんとドイツ海軍の短艇に、ドイツ海軍のセーラー服を着た水兵が乗っていて(制帽にはっきりドイツ帝国の円形章=コケード=が写っています)こだわっているな、と考証の面で感心致しました。なお、神戸からトルコへは、日本海軍の「金剛」と「比叡」(後の大正時代から昭和期の有名な巡洋戦艦ではなくて、先代)が送り届けています。
 さてそれで、海難事件から90年以上を経たイラン・イラク戦争時の1985年、テヘランに取り残された日本人を日本政府は救出する手段はなく、自衛隊を派遣しようにも(例によって)国会の承認がないと動けず、とやっているうちに身動きできなくなってしまいました。そこで、トルコ政府のオザル首相は自国民だけでなく日本人も救出することを決定。このシーンも、ホメイニ師の肖像とか、サダム・フセインの映像とかうまく使って、戦時下のテヘランの風景をうまく描いていました。ひとつひとつ、非常に丁寧にシーンを作っていて、いいです。
 ということで、1890年の海難事件と、1985年のテヘラン救出事件の二つの史実を扱っていますが、もちろん、史実そのままということではなく、映画的な脚色はかなり、されているわけですが、それでも本質をよくとらえて、うまい描き方の映画だと思いました。
 基本的に、史実であり、いい話なので、安心して感動できる作品と言えます。変に批判的な、ひねくれた見方をする必要がないのですよね。実際、私は大感動しました。どういう話か分かっているのだけど、実話の力は強いですね。
 ◆  ◆  ◆
 1889年、イスタンブールを出港したオスマン海軍の軍艦エルトゥールル号。退役した提督の息子である機関大尉のムスタファ(ケナン・エジュ)は、部下の機関科兵曹ベキール(アリジャン・ユジェソイ)と反目しながら、いつしか階級を越えた友情を育んでいきます。しかし艦を率いるオスマン・パシャ提督(ウール・ポラット)が無事に明治天皇への謁見を済ませた後、1890年9月、和歌山県沖で艦は座礁。提督は艦と運命を共にし、ベキールたちも殉職。樫野の町医者・田村(内野聖陽)や助手のハル(勿那汐里)たちは献身的に救助に当たり、佐藤村長(笹野高史)の指導の下、日頃は田村と反目しているライバルの開業医・工藤(竹中直人)や、遊女のお雪(夏川結衣)も手を貸します。村人たちの献身ぶりにトルコ水兵たちも心を打たれ、ドイツ艦に移乗して別れるときは、涙ながらに村人たちと別れを惜しむのでした・・・。
 時は流れ、1985年。イラクの独裁者サダム・フセインが突然、停戦を破ってイランに攻撃を開始。日本政府は邦人の救出が出来ず、日航機も自衛隊機も出せない不始末となります。日本人学校教師の春海(勿那の2役)は、街で出会ったトルコ大使館職員のムラト(エジュの2役)に運命的な出会いを感じます。野村大使(永島敏行)は最後の救出機を準備しているトルコ政府に日本人も救出してくれるように要請。トルコのオザル首相(デニズ・オラル)は、自国民だけでなく日本人も助けるように英断を下し、トルコのパイロットたちも危険な任務にこぞって志願してくれます。そして、空港にやってきた春海たちですが、予想を超えるたくさんのトルコ人たちがいるのを見て愕然とします。当然、トルコ人が優先で、日本人など乗れるわけがないはず。そこでムラトは人々に呼びかけます。「あの日本人たちを救えるのは、あなた方だけなのです。日本人はかつて、我々の祖先を助けてくれました。決めるのはあなた方です」・・・そして、静かな奇跡が起こるのでした。
 ◆  ◆  ◆
 というようなわけで、機会があったらぜひ、ご覧になってほしい作品です。しかし最後に思いますが、この時に英断を下したオザル首相は、国民からも高く評価されて、後に大統領になります。一方の日本は・・・今だって、同じような事態で、日本政府には何らの手もないのはあまり変わっていないのでは? 自衛隊もこういう時に役に立たないのは毎度のことです。私は政治的なことは書かない主義ですが、自分の国民も守れない国家、というのは国際的に恥ずかしい、とは言えると思いますね。実際、この逸話もいい話なんだけど、日本として見ると恥ずかしい話でもあるわけです。
 なお、作品の冒頭にエルドアン大統領のメッセージが流れます。
 

2015年12月10日(木)
 007シリーズの最新作「007スペクター 007SPECTRE」を見ました。今回は一言で申せば、「あの007が帰ってきた!」という感じです。第6代ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが主演する作品も4作目。21世紀版の007として、一種のリブート作品としてボンドの最初の任務「カジノ・ロワイヤル」が映画化されて以来、シリーズはシリアスでソリッドな、良くも悪くもリアリズム寄りのアクション映画という色が強くなりました。かつての設定がいったん、リセットされて、国際テロ組織と死闘を繰り広げるボンドの姿は、もちろん時代にあったものだったのですが、正直申して「しかしこれは、普通のアクション映画じゃないの」という不満が出てきていたのも事実。何か暗くてまじめなクレイグ版ボンドには、往年の007にあったふてぶてしさ、人を食ったせりふ回し、危機に対しても軽口をたたく余裕、英国的なユーモア、そういうものが欠けていたのは間違いありません。このところ「キングスマン」や「コードネームUNCLE」といった、クラシックで娯楽性の高いスパイ映画が次々に登場しているのも、トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」が娯楽度を強めているのも、本家本元の007シリーズへの不満の受け皿を狙う意識があったことは間違いないと思われます。
 何よりもボンドは、女たらしで、大酒のみで、健康面にかなり不安があり、決して真面目な人物ではありません。むしろ上司の命令も無視して独断専行する、困った人です。しかしどうもダニエル・クレイグのボンドは、とても生真面目な公務員に見えてしまう。共産圏のスパイというか。どうもMI6のスパイに見えない。
 というような不満に対し、原点回帰への舵を切る予兆を見せたのが、前作「スカイフォール」でした。Mの秘書ミス・マネーペニーや、装備係Qの復活、愛車アストン・マーチンの登場など伏線が張られている感じでしたね。
 そして今作です。今回は、間違いなくショーン・コネリーからロジャー・ムーアの初期ごろの007映画のムードを盛り込んでいます。
 何しろ、銃口の中からボンドがこちらを向いて撃つ「ガンバレル・シークエンス」が復活しています! 世界各地のご当地名所が次々に出て来る華やかさ、冒頭の007のテーマから作品のテーマ曲をバックにしたタイトル・ロールの妖しい感じの演出・・・このへんも初期の007の再現を感じます。音楽そのものも、あの有名な007のテーマなど、このところちょっと現代的なアレンジをされていましたが、今作では、高温を強調したトランペットと、リヴァーブをかけまくった「ベンベケ」したエレキ・ギターのサウンドが初期のシリーズのものを想起させるものになっています。
 余裕のある、ユーモアあふれるやりとりや、シーンも大幅に増えました。たとえば。

 特殊機能満載の新型アストン・マーチンを007に披露した後、Qが澄ました顔で言います。
「残念でした、この車は009に引き渡されます」
「俺には何かないのか」
「あなたにはこれです」(オメガの腕時計を手渡す)
「これには何か機能が?」
「正確な時間が分かります」
「!」
「遅刻を防ぐことが出来ます」

 その他、どこか初期のコネリーやムーアのボンドが口にしそうなセリフが連発します。ヒロインを口説きながら、瞬く間にドレスの背中のファスナーに手をかけて裸にしている速効の誘惑なども、あのころのボンドのようです。
 そしてどこかで見たようなシーンやセリフの数々。中南米のカーニバルのシーンから始まるケレンミたっぷりのオープニング、豪華列車の中での格闘、そして敵に火を付けたり、アイスピックで敵に立ち向かうボンド、アルプスの山頂にある診療所から雪山の中で展開する追跡戦、白いタキシード姿のボンド、お遊び要素も満載のボンドカー、最後はヒロインを同乗させて高速ボートで水上を走るボンド・・・本当にどこかで見たな、「これは女王陛下の007かな」「ここらは死ぬのは奴らだ、な感じだな」「これはロシアより愛をこめてか」「このへんはダイヤモンドは永遠に、かな」といったシーンやセリフがこれでもか、と出てきます。
 極めつけは、タイトルともなっている007の永遠の宿敵、スペクターと、その首領アンスタ・スタブロ・ブロフェルドの復活! 2代目ジョージ・レイゼンビーの時代までずっとボンドの敵として登場した仇敵ですが、ロジャー・ムーア時代になって姿を消し、「ユア・アイズ・オンリー」では冒頭であっさりとブロフェルドらしき敵が葬られて、それ以後、ボンドの敵はどこかの狂信的な軍人とか、共産圏のスパイとか、一般的な国際テロリストとなっていきました。
 ブロフェルドが最初にスクリーンに登場したのは「ロシアより愛をこめて」で、ペルシャ猫を抱いた謎の首領ナンバー1として姿を現しました。日本を舞台にした「007は二度死ぬ」で、ついに顔を出しますが、ドナルド・プレザンスが怪演していました。「女王陛下の・・・」では「刑事コジャック」で有名なテリー・サバラスが、「ダイヤモンドは・・・」ではチャールズ・グレイがとても楽しそうに、この映画史に残る悪役を演じています。
 しかし、この人物の背景はこれまで全く、描かれておりませんでした。また、プレザンスが演じたブロフェルドは、顔に深い傷がある姿でしたが、その理由も特に示されていませんでした。
 ところが、今回の作品では、007ジェームズ・ボンドと、ブロフェルドとの関係がただならないものであることが描かれるのですね。そして、顔の傷の理由も・・・。今作でも、ペルシャ猫を抱いて、詰襟の上着を着て、あのブロフェルドを復活させているのは、クエンティン・タランチーノ作品で二度のオスカーを受賞している現代の名優クリストフ・ヴァルツ。
 ボンド・ガールにフランスの躍進著しいレア・セドゥ、そしてガールというには大御所過ぎるボンド・ウーマンとしてイタリアの名花モニカ・ベルッチ。Mにレイフ・ファインズ、マネーペニーにナオミ・ハリス、Qにベン・ウィショーと前作からのメンバーも固定。
 さらに、前任のMことジュディ・デンチも特別出演しています。
 お話の方は・・・。

 メキシコシティのカーニバルの最中、ボンドはスキアラというテロリストを追跡し、街を大混乱に陥れながら倒します。スキアラが指にはめていたのは、黒いタコのマークが刻まれた指輪でした。ボンドの行動は任務外だったため、Mに叱責され、ボンドは停職となります。折しもMI6は廃止され、MI5に統合、00組織も閉鎖、という動きが政府内にあり、MI5の新任の長官マックス(アンドリュー・スコット)はMに圧力をかけているところでした。
 マネーペニーは、前作でボンドが育ったスカイフォール邸が焼け落ち、その焼け跡から見つかった写真をボンドに届けます。ボンドはマネーペニーに対し、なぜボンドが独断で秘密の行動をとっているかの理由を打ち明けます。亡くなった前長官M(デンチ)の遺言で、スキアラという男を追跡し、倒すように、そしてその葬儀にも出て探るように、という命令が残されていたのでした。
 ボンドは、マネーペニーとQに協力を取り付けると、一人ローマに赴き、スキアラの未亡人ルチア(ベルッチ)に接近、スキアラが属していた国際犯罪組織の総会が開催されることを突き止めます。そのままその組織の会議に潜入したボンドは、その首領が、かつてスカイフォール邸で共に育った義兄弟ともいえるフランツ・オーベルハウザー(ヴァルツ)であることに気付きます。殺し屋ヒンクス(デイヴ・バウティスタ)に追われたボンドは辛くも逃れると、この組織の謎のカギを握るかつての仇敵ホワイトの潜む隠れ家を訪ねます。
 ホワイトはすでに、組織の手によって毒を盛られ、瀕死の状態でした。彼は娘マドレーヌ(セドゥ)を守ってくれるなら、秘密を明かす、として取引に応じます。
 ボンドはオーストリアに飛び、アルプスの山頂にあるホフラー診療所の医師となっているマドレーヌに近付きますが、すでにそこにはヒンクスの手が伸びていました。
 なんとか脱出した2人は、ホワイトがマドレーヌに託していた秘密を探り出し、アフリカにあるオーベルハウザーの拠点に乗り込むことにします。彼女は、この恐るべき敵の犯罪組織の名前が「スペクター」であることをボンドに告げるのでした・・・。

 ということで、現代的な要素と、かつての007シリーズの持ち味を見事に融合させた本作。私のような初期シリーズのファンも納得できる、久々に「007を見た」という感じの一作でした。こういう感じなら、ダニエル・クレイグもボンドに見えるな、と感じました。要するに、脚本の問題が大きかったのかな、と思った次第です。ここ何作か、ちょっと肩に力が入り過ぎていたような気がするのです。007の本領発揮で、シリーズの今後の展開が楽しみです。

2015年12月03日(木)
 このまん丸い、草餅のような、ヨモギ団子みたいな物はなんでしょう? これは我が家のアイドル、アマガエルの「シャルル君」です。我が家に来て6年ほど、推定年齢は8歳以上。命名の由来は、カエルを名古屋風になまらせて「キャール」に。ここからドイツ語風に「カール」に。さらにそれのフランス語化で「シャルル」になりました。つまり、フランク人のローマ帝国の開祖カール大帝→シャルルマーニュにあやかっております。

2015年12月01日(火)
 いよいよ2015年も師走を迎えました。今年は確かにちょっと暖冬ぎみでしょうか? とはいえ北海道や東北方面は寒気が来ているそうで、まもなく関東以南も冷え込んでくるでしょうね。
 我が家の洋ランが咲いてくれました。毎年、この時期になるときれいに咲いてくれます。
 なにやら年末になってきて、訃報が続く感じがします。ここしばらくだけでも阿藤快さん、白川澄子さん、原節子さん、水木しげるさん、という感じです。
 私が学生時代によく読んだ近代文学者の佐藤泰正さんも亡くなった、という記事を見ました。1986年に出された『夏目漱石論』は同氏の畢生の名作で、当時、近代文学を学ぶ人たちに衝撃を与えた一冊でした。

2015年11月27日(金)
 ここはどこの雪原かしら、と思うところですが、これは日本橋三越本店で開催されているドイツのぬいぐるみブランド「ケーゼン」のディスプレイです。ちょっと用があって立ち寄った三越で見かけました。
 その足で、junko koshinoのイベントがありましたので、見て参りました。コシノジュンコ先生ご自身も挨拶されて、テレビ局のクルーも来ていた模様。外は肌寒いのですが、中は大変な熱気でございました。

2015年11月20日(金)
 映画を2本立てで見ました。「コードネームU.N.C.L.E.アンクル」THE MAN FROM U.N.C.L.E.と、「ラストナイツ」LAST KNIGHTSです。
 コードネームU.N.C.L.E.は、1960年代に人気を博した「0011ナポレオン・ソロ」のリメイクでして、アメリカのCIAに属するナポレオン・ソロと、ソ連KGBのイリヤ・クリヤキンの「あり得ない」コンビが、国家の枠を超えた組織U.N.C.L.E.アンクルの下で世界の危機に対処する、という筋立て。
 東西冷戦時代の東ベルリンに姿を現したナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)は、元ナチスの科学者テラー博士の一人娘ギャビー(アリシア・ヴィキャンデル)の自動車整備工場にやってきます。ナチス・ドイツの敗北後、アメリカに渡ったテラー博士は2年前から姿を消し、核兵器の量産法を研究している可能性があると思われ、その行方を追うソロはギャビーに協力を求めに来たのです。しかしそこには、KGBのスパイ・イリヤ(アーミー・ハマー)もやってきて、激しい争いの末にソロがギャビーを連れて西側に連れ出すことに成功します。
 ところが、これで任務成功、と思いきや、上司から突然、米ソが手を組んだ共同作戦でテラー博士の行方を追うことになった、と告げられ、姿を現したのはイリヤでした。
 イタリアに本拠を置き、野心家の美女ヴィクトリア(エリザベス・デビッキ)が率いる海運会社ヴィンチグエラ社に、ギャビーの叔父ルディ(シルベスター・グロート)がいることが分かり、ソロ、イリヤ、ギャビーの3人はイタリアに乗り込みますが、その足並みはそろわず失敗続き。謎の男ウェーバリー(ヒュー・スラント)の影もちらつく中、テラー博士の研究がすでに核弾頭の製造にまで進んでいることを彼らは察知します・・・。
 というようなことで、いかにも60年代の風俗に雰囲気、服装やゴージャスな「気分」が再現されています。初期の007シリーズにもあった華やかさとか色気があります。スパイ映画ってこういう感じだったよね、というのを久々に新作で堪能できる一本。前の「キングスマン」もそうでしたが、何かこういうクラシックなものを観客は求めているのじゃないでしょうか。
 もともとは、トム・クルーズがソロ役のはずだったといいます。それはそれで当たったと思いますが、現役のスーパーマン役者、ヘンリー・カビルは女たらしの諜報員を見事にやっていますし、堅物のソ連スパイには、ソ連研究者の祖父を持つアーミー・ハマーは打ってつけでしょう。それから、謎の美女役のデビッキは、「華麗なるギャツビー」でデビューした女優さんですが、存在感ありますね。こういうゴージャス系の役にはまります。
 ◆  ◆  ◆
 「ラストナイツ」は、「CASSHERN」「GOEMON」で驚愕の映像を作り出した紀里谷和明監督が海外進出して製作した第1弾。あの日本の武士道の世界を最もよく表している「忠臣蔵」の物語を中世のヨーロッパのような世界(といっても実在の欧州でもない感じで、人種もさまざまな異世界)を舞台に翻案した作品です。日本人にはあらすじは必要ないわけですが、浅野内匠頭にあたるバルトーク卿にモーガン・フリーマン、大石内蔵助にあたる騎士隊長ライデンにクライヴ・オーウェン、吉良上野介に当たる宰相ギザ・モットにアクセル・ヘニー、徳川将軍に当たる皇帝にペイマン・モアディ、そして千坂兵部と清水一角を足したようなギザ・モットの親衛隊長イトーに井原剛志、という配役で話が進みます。
 長い戦乱の世が終わり、一人の皇帝が諸侯を束ねる世の中で、大臣のギザ・モットは諸侯に賄賂を要求し、奢侈に走った生活を送り、権力をほしいままにしていました。これに反感を持つバルトーク卿はついにギザ・モットを怒らせてしまい、モットから辱めを受けます。つい手が出てモットを傷つけてしまい、反逆罪で罪に問われることに。モットは皇帝に入れ知恵し、バルトークに忠誠を誓う騎士隊長ライデンに強要して、その手で、主君を斬首させてしまいます。さらにバルトーク家はお家取り潰しとなり、騎士たちも離散して零落していきます。ライデンも盛り場や遊郭に入りびたり、すっかり無軌道な生活に。もはや、かたき討ちをする気力もなくなっただろう、とギザ・モットやイトーたちは安心しますが、それはライデンが世を欺くための芝居でした。雪の降りしきるある夜、バルトーク騎士団はモットの首を討つべく、その居城を目指して進みます・・・。
 ということで、武士の世界に特有の切腹とか、また浅野が勅使下向の饗応役を仰せつかって、吉良はその指南役で、高家筆頭の家柄で、殿中での刃傷は即日、切腹で・・・みたいな、なかなか外国人には理解しにくい部分をうまく、普遍性のある違う形で換骨奪胎しており、かなり異なっているにもかかわらず、まぎれもなく「あの忠臣蔵」に見えるのがすごいところです。ひたひたと黒ずくめの集団がモットの城に迫るシーンは、「いよいよ吉良邸に討ち入りだ」と素直に見えました。
 本懐を遂げて、バルトーク家の姫君に義士たちが報告するシーンは、涙なくしては見られません。このウエットな間隔は紛れもなく日本的なものです。
 紀里谷監督はこれまで、国内で興行的には立派な成績を上げているのに、あまり正当な評価は受けてこなかったような気がします。有名になったのが、当時の奥さんの宇多田ヒカルさんの名声にあやかって、というイメージになりがちだったのも、損した部分と得した部分、相半ばだったのかもしれません。しかし、これでいよいよ海外で本領発揮して、一層すごい作品を見せてほしいと思いますね。 

2015年11月13日(金)
 本日は、武道館で「平成27年度自衛隊音楽まつり」を見ました。陸海空の3自衛隊の音楽隊、儀仗隊と、ゲストとして米軍の陸海空、海兵隊の軍楽隊、さらに韓国海軍の軍楽隊も参加しての密度の濃い2時間ほどのステージ。
 冒頭で、聞き慣れた曲だなと思うと、なんとファイナルファンタジーXの「ザナルカンド」のテーマ曲。こんな曲もレパートリーなんですね。
 東北方面音楽隊の「サウンド・オブ・ミュージック」、中部方面音楽隊の「進撃の巨人」や中央音楽隊「花燃ゆ」など異色の曲もあり、中央音楽隊長・武田1佐指揮の合同演奏なども見もの。ゲスト音楽隊もいずれも趣向を凝らし、力が入っていましたが、韓国海軍軍楽隊のダンサーの動きはまことに圧巻でした。防衛大学の儀仗隊も格好良かったですね。そして、なんといってもど迫力なのが名物「自衛隊太鼓」。これを聴くだけで価値があるかも。これほどの人数が一糸乱れぬ和太鼓を打ち鳴らす、というのは自衛隊でないとできないのではないでしょうか。
 自衛隊の「歌姫」たちも大活躍ですが、やはり今や大スターの三宅3等海曹の澄んだ歌声は圧倒的ですね。
 これから日曜日まで3日間、全部で7回も公演があるようです。自衛隊の皆さんの熱演ぶりは本当に見応えがありました。

2015年11月09日(月)
 このほど「おはなしと音楽でくり広げる童話の世界 イソップものがたり」(松井久美子著)という電子書籍が出版されました。これは、イソップ物語のお話に英訳を付け、音楽伴奏も加えた楽譜でして、幼稚園や小学校で英語教育+音楽教育の教材などに好適、というものです。
 さてそれで、この本のイラストをうちの辻元玲子が描いております。もう20年以上も前、音大生時代に描いたものです。というのも、この書籍は1993年にドレミ楽譜出版から刊行された「ピアノで語るイソップ物語(ぬりえつき)表現力を育てる たのしいエチュード」という本の再販にあたるものです(当時は旧姓でイラスト・田村玲子という名義)。当時は表紙以外は色を付けず、塗り絵つきの楽譜として出していましたが、今回は初めからデザイナーさんによる彩色がされています。
 ということで、今回の電子書籍版はDLマーケットhttp://www.dlmarket.jp/からダウンロードできます。演奏と朗読の音源もダウンロードまたはCDとして購入できます。
 20年以上の歳月を経て、玲子さんの学生時代の仕事が世に再び出るのは嬉しいですが、本人は古い絵で恥ずかしいと恐縮もしております。


2015年11月06日(金)
 「PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜」という映画を見ました。これまで「プライドと偏見」「つぐない」や「アンナ・カレーニナ」など、主にキーラ・ナイトレイ主演の映画で有名になったジョー・ライト監督が、今回は男の子を描く・・・それはピーター・パンの物語の前日譚ですので、必然的にそうなるわけですが、独特の映像美で知られる同監督、今回もきわめて魅力的な世界観です。可能な限りCG処理ではなくセットを組んでの豪華な撮影で、製作費も150億円に上ったとか。ちょっと予算をかけすぎて、興行収支的には厳しくなるのでは、という話もあるほど豪華です。おそらくこれまで映像化されたどのネバーランドよりも豪華なのではないでしょうか。
 ピーター・パンの話も有名なディズニーのアニメをはじめ、何度も映画化されてきました。前日譚にあたる話は今までもあったし、スティーヴン・スピルバーグ監督により、ロビン・ウィリアムズとダスティン・ホフマン共演で大人になって自分が空を飛べることを忘れてしまったピーターが登場する後日譚「フック」という異色作もありました。さらにJ・M・バリーが原作小説を描くまでの姿を扱ったジョニー・デップ主演の「ネバーランド」という作品までありました。
 しかし、結局ピーター・パンという少年がどういう生い立ちで、どのようにネバーランドに渡ったのか、そして彼の宿敵ジェームズ・フックとはいったい何者なのか。このへんを描いた作品は珍しいと思われます。
 バリーの原作は、物語が描かれた1900〜1910年ごろの英国を基本としていましたが、本作はもう少し後、1940年代の第二次大戦下を舞台にしているのも異色と言えるでしょう。これは「ナルニア国物語」の映画化時にも、同じく英独航空決戦のころを時代背景に選んでいましたが、空襲下の緊迫感ある環境が説得力を増すのと、古すぎず最近過ぎない設定として、第二次大戦あたりが今では適当、ということなのかなと思います。この設定のために、ファンタジー的な世界観と現実世界との往還がスムーズになる、というのは確かに感じます。
 ◆  ◆  ◆
 1930年ごろのロンドン。深夜のケンジントンの孤児院の前に、一人の赤ん坊を置いていく若い母親メアリー(アマンダ・サイフリッド)の姿がありました。軽々と高い鉄柵を乗り越える身のこなしは尋常ではなく、何か思いつめた様子にはただならぬ事情がありそうです・・・。
 そして12年後。孤児院で育ったピーター(リーヴァイ・ミラー)と、仲間のニブス(ルイス・マクドゥーガル)は、ドイツ空軍の爆撃で混乱するどさくさに紛れ、悪徳院長バーナバス(キャシー・パーク)の秘密の隠し部屋を地下で発見します。そこで母親の手紙を見つけたピーターは、母親が特殊な事情があって自分を孤児院に預けたこと、そして自分には何か特別な運命があることを悟ります。院長の蓄財があまりにも莫大なものであることに不審を抱いた2人は、孤児を売り払って院長が金を得ているのではないかと推測。その推理は当たっており、ある夜、空中から次々に海賊たちが降りてきて、孤児をさらっていくのを目の当たりにします。
 結局ピーターはそのままビショップ(ノンソー・アノジー)が指揮する空飛ぶ海賊船にとらわれ、ニブスは辛うじて地上に飛び降りて逃げおおせます。海賊船は追撃してくる英国空軍のスピットファイア戦闘機と空中戦を演じながら急上昇し、ネバーランドに到着します。
 その地は恐ろしい海賊・黒ひげ(ヒュー・ジャックマン)が支配しており、拉致された孤児たちは鉱山で妖精の石「ピクサム」を採掘する重労働に酷使されることに。ここでのある一件でピーターが「空を飛ぶ能力」を持っていることを知ると、黒ひげは恐ろしい疑念にとらわれることになります。というのも、妖精国の王子と人間の娘メアリーとの間に生まれた子供が、やがてネバーランドに現れて、黒ひげを打倒する、という予言がこの国にはあるのです。一方、ピーターが知り合った炭鉱労働者フック(ギャレット・ヘトランド)は、ピーターを誘って炭鉱を脱走する計画を立てます。現場監督のスミー(アディール・アクタル)の協力も得て、3人で空飛ぶ海賊船を奪ったものの、あえなく墜落。
 3人は黒ひげと敵対する原住民の村の王女タイガー・リリー(ルーニー・マーラ)に捕えられ、ピーターは3日の間に。本当に空を飛ぶ能力があること、妖精国の王子であり、黒ひげを倒す救世主であることを立証するように族長から要求されます。しかし、意識するとどうしても空を飛ぶことが出来ず、ピーターは自信を喪失してしまいます。
 しかし黒ひげの打つ手は早く、原住民の村を襲撃。スミーは黒ひげに寝返り、ピーター、フック、リリーは辛くも脱出に成功します。巨大ワニのすむ入り江を美しい人魚(カーラ・デルヴィーニュ)たちの助力で通過したピーターたち。フックはこのままネバーランドを見捨てて英国に帰る、と主張しますが、ピーターとリリーは妖精国に向かうことを決意します。その頃、黒ひげも妖精国の場所を示す地図を発見して、追いすがってきます・・・。
 ◆  ◆  ◆
 という展開でお分かりのように、ピーターは原作で語られるような、何となく乳母車から落ちて「大人になることをやめた」ような子供ではなく、そもそも妖精国の救世主として生まれた運命の王子であって、だから空を飛べるし、この地にある限り年も取らなくなる、というような話になっております。そして若き日のフックは、まだピーターと敵対していないどころか、むしろ仲間であった、という描写になっているのが非常に興味深いです。後にフック船長の副官となるミスター・スミーも、黒ひげの下で炭鉱の現場監督だった、という登場の仕方。また、後の日にピーターパンの片腕となるニブスは、すでにロンドンの孤児院時代からの旧友だった、というわけです。タイガー・リリーとフックがけっこう、いい中だったり、ティンカー・ベルが大事な場面で登場したり、といろいろと後日への伏線を張っております。
 主演のリーヴァイ・ミラーは撮影時に実際に11〜12歳の子役ですが、立派な演技です。当然ながら大きな作品に出るのは初めてですが、いい役者さんになってもらいたいですね。ヒュー・ジャックマンは頭を剃りあげて、珍しい悪役に挑んでいます。ウルヴァリンともジャン・バルジャンとも全く異質の役柄ですが、嬉々としてやっている感じ。得意の歌声を披露するシーンもあり存在感たっぷりで魅力的でした。
 それで思い出すのが「レ・ミゼラブル」でジャックマンと共演していたアマンダ・サイフリッドの存在。登場シーンは多くないのですが、本当に重要なシーンで出てきます。ここは感動的です。生き別れた息子との悲しい再会・・・実にいいです。全編でいちばん、感動的なシーンはこの人が持って行った感じがいたします。
 タイガー・リリーを演じているルーニー・マーラは「ソーシャル・ネットワーク」や「ドラゴン・タトゥーの女」でよく知られている人気女優さんですが、実はこの人のお姉さんが「ファンタスティック・フォー」や「トランセンデンス」、それにリドリー・スコット監督の待機作「オデッセイ」にも出ているケイト・マーラ。整った顔立ちや清楚な雰囲気はよく似ていますね。ところでタイガー・リリーは従来のアニメなどではアメリカ先住民、つまりいわゆる「アメリカ・インディアン」として描かれていたわけですが、原作では明確にどういう人種だとは書かれていないそうです。それで本作ではあくまでも無国籍な「ネバーランドの原住民」ということで、村の人々も白人あり、アジア系あり、オーストラリアの先住民系あり・・・といった描き方にしていて、あえてこの役柄もこれまでのイメージを覆す白人女優を起用したようです。
 若きフック役のヘドランドは、今までいろいろと大作には出ており、ブラッド・ピット主演の「トロイ」とか、「エラゴン〜遺志を継ぐ者」などで、頼れる戦士、だけど脇を固める渋い役どころ、という感じが多かったのですが、今回は大いに存在感を示したのではないでしょうか。
 注目だったのが、先ごろのヒット作「シンデレラ」で王子の警護隊長の大尉役でかなり話題となったノンソー・アンジー。ライト監督とは「つぐない」以来ですが、本作でも独特の演技で、作品の隠し味となっていました。こういう役者さんは監督からすると得難いでしょうね。
 バーナバス院長役のキャシー・バークは、史劇映画「エリザベス」で、エリザベス1世の姉のメアリー1世を演じていた人のようです。いわゆる名脇役ですね。
 「アンナ・カレーニナ」でソロキナ公女役だったスーパー・モデルのカーラ・デルヴィーニュが出演しているのも注目。全体にライト監督は、やはり女優さんを綺麗に撮るのがうまい監督だと私は感じますね。
 全体的にいろいろな伏線から、成程と思わされる反面、前日譚としてみる場合、しかしこれで「あのピーターパンとちゃんとつながるのか」が今一つはっきりしない部分もあったりして、原作や従来のピーターパンになじみのある人には、幾分、不満が残るかもしれません。事実、欧米での公開後の評価にはそういうものもあるようです。
 ひょっとして、続編を作って、ピーターとフックがどうして反目するようになったのかとか、フックが片腕を失った顛末などを語る計画があったのでしょうか。ただ、現状ではこれが2部作とか3部作であるというアナウンスは聞こえてこないようです。しかし、私としてはこのキャストでもう少し後の時代、ウェンディーがネバーランドに来るまでの時期のお話を描いた作品を見てみたい気がいたしました。

 
 
 

2015年10月30日(金)
 本日、銀座で滝沢滋さんの新店舗Takizawa Shigeru Ginza(11月3日開店)のお披露目パーティーがありました。ブラックタイ指定で、皆さんボータイにタキシード姿の男性がそろうのは壮観です。
 オーダーサロンは今まで通り、三越の裏側にある「サローネオンダータ」が中核店舗となりますが、既製服や小物などを中心に、こちらの新店舗で展開されるようです。
 ここで注目されたのが、イタリアの手作り靴職人パオロ・マリアーニPaolo Mariani氏のオーダー靴。完全手縫いで、たった一人で年間300足の靴を作っているとか!  つまり1日1足のペース! すごいです。靴職人一家の3代目で、ご本人も11歳から靴作りを始めたそうですが、まだ36歳の若さで実力はすごいもの。本当に美しい、40年代とか50年代の靴を思わせる靴です。
 オーダー靴なので、実際には国内の注文でいっぱいいっぱい、にもかかわらず日本で展開するのは、イタリアの職人技を日本人にも知ってほしいという一念だそうで、熱い志を感じますね。
 このマリアーニさんの靴も、こちらのタキザワシゲル・ギンザで展開します。靴好きの方はぜひ一見されてください。
 タキザワシゲル・ギンザは銀座風月堂ビルの向かい側、近くにサンモトヤマやETRO、ドルチェ&ガッバーナ、また下の階には時計ブランドのウブロが入っていて、まさに高級ブランド街のど真ん中です。

2015年10月30日(金)
 昨日の29日、このブログでも時々、話題にしていた「ダイエー浦安駅前店」がリニューアル・オープンしました。私もたまたま行ってみたのですが、良くなりましたね! とても買いやすくなりました。入ってすぐのところに生鮮食品を移動し、無駄に陳列されていた総菜や弁当は奥の方に集約。肉や鮮魚も、たとえば意味不明だった「オマールエビ丸ごと」みたいな、誰がそんなものを日常的に食べるの?という感じのイベント的なものは姿を消して、十分な品ぞろえになった感じがします。食品コーナーで、皮をむいた下ごしらえ済みの野菜などが大幅に増強されていましたが、働く主婦の手間を省く、というコンセプトが当店にははじめからあったようなので、これは大正解じゃないかと思います。
 どうも開店時はコンセプトが絞れず、地域性もいまひとつ掴めず、イメージとしては六本木あたりにある富裕層向けのスーパーのような雰囲気がありましたが、地元では、要するに使い勝手がいい、小回りが利く感じのお店を求めていたので、そのへんが合致してきたように思います。
 たとえば、開店当時に驚いた、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが常設されていない、ということも解消され、大量に置いてあるようでしたね。
 なにしろ、午前1時までやってくれているのは非常にありがたいので、近所の者としては喜ばしいリニューアルだったと思いました。

2015年10月29日(木)
 「メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮」MAZE RUNNER THE SCORCH TRIALSを見てきました。めまぐるしい急展開に激しいアクション、そして意想外なことが次々に起こるよく練られた脚本。これは快作だと思いました。1作目が閉鎖的な、箱庭のような世界で起こる小さな物語だったのに対し、今作では一転、全世界に及ぶ大きなスケールの話が広がり、ランナーたちは命がけで広大な砂漠を越えて、彼方の山岳地帯を目指します・・・。
日本では1作目の「メイズ・ランナー」が今年5月に公開されたばかり。だから「え、もう続編なの?」と驚かされますが、実はアメリカでの1作目の公開は昨年9月。そして本作の公開が先月のことでした。つまり、1作目は日本で当たるかどうか不安があったので9か月も遅れたけれど、この2作目は1か月遅れでほぼ同時に上映、ということになったわけで、このシリーズが好調であることがうかがえます。
 実際、1作目はかなりのヒット作となり、世界興収は日本円にして400億円超え。日本でも期待以上に受けが良かったようで、アメリカのライトノベルである「ヤングアダルト」ものの中では成功作となったようです。
 閉鎖環境の中に閉じ込められた少年たち。そこから逃げ出すために悪戦苦闘する中で成長していく・・・このパターンが、たとえば昔からある「十五少年漂流記」とか、「蠅の王」といった名作文学の流れを汲んでいるのが、共感を呼びやすかった感じがしますね。
 その閉鎖環境というのが、たまたま漂着した無人島ではなく、誰かに人為的に造られた巨大迷路である、という点がSF的なわけですが、そのへんの謎解きは一応、1作目の終幕で匂わせつつも、本格的な話は後回しにして、見る人の興味を先につないだあたりも巧妙だった気がします。

 1作目では、巨大な迷路に囲まれた場所「グレード」に放り込まれたトーマス(ディラン・オブライエン)が、テレサ(カヤ・スコデラリオ)、ニュート(トーマス・ブロディ=サングスター)、ミンホ(キー・ホン・リー)らと共についに迷路を脱出したところ、この迷路に少年たちを隔離するというのが、一種の実験であり、WCKDなる謎の組織によって仕組まれた計画だったことが判明しました。人類社会を崩壊させた細菌に対し免疫のある子供たちから記憶を消して迷路に放ち、そこから脱出できる優秀な者を選抜する、というテストだったというのです。
 WCKDの責任者だったペイジ博士(パトリシア・クラークソン)を倒したレジスタンス組織のリーダーと名乗る男ジャンソン(エイダン・ギレン)は、トーマスたちを優しく迎えます。そこには意外なことに、自分たち以外にも各地にあったという巨大迷路からの脱出者たちが多数、救出されていました。少年少女はいずれも、外の世界を壊滅させたフレア・ウイルスに対する抗体を持つ者で、迷路から助けられた後、徐々にどこかの安全な場所に移送されていく、ということでした。
 しかし、トーマスたちより前からその施設に滞在しているエリス(ジェイコブ・ロフランド)は、トーマスを見込んである秘密を打ち明けます。というのも、施設から移送されたはずの少年少女はいずれも、施設内の別の建物に移されるだけで、誰ひとり、この施設から出て行っていない、というのです。エリスの手引きで換気ダクトから建物の最深部まで行き、自らも一部始終を目撃したトーマスは、さらに秘密の部屋の内部に侵入し、おそるべきものを見てしまいます。連れ去られた少年少女は意識を失い、天井からつるされたような姿で、生きたまま血液を抜き取られる人体実験の対象になっていたのです。さらに、気味の悪い生態兵器のような化け物の培養器のようなものも多数、目撃。おまけに、ジャンソンは実はWCKDを打倒したのではなく、まさにWCKDの現場責任者であり、ペイジ博士も当然、健在であることを知ります。そしてジャンソンは、ペイジの指令を受けて、トーマスたちをすぐに実験に使うことを決めます。驚愕したトーマスは、仲間たちとエリスを引き連れ、ジャンソンの追撃を振り切り、施設を飛び出します。
 しかしそこは、過酷な環境の砂漠地帯でした。砂に埋もれたショッピングモールの廃墟では、フレア・ウイルスに感染したゾンビたち「クランク」に襲撃されます。クランクに噛まれてウイルスに感染した仲間の一人ウィンストン(アレクサンダー・フローレス)は悲しく自決の道を選びます。トーマスたちは、自分たちには全員、ウイルスに対する免疫がある、と思い込んでいたので、ウィンストンが発症したことに驚き、恐怖します。
 広大な砂漠を抜けて、一行はジャンソンが口走ったWCKDに対抗する組織RA(ライト・アーム)に合流しようと考えます。そしてようやく砂漠が終わり、人が住む施設にたどりついたのですが、そこはRAの基地ではなく、山賊のような集団の小さなグループが住んでいるだけでした。男勝りの少女ブレンダ(ローサ・サラザール)に助けられたトーマスたちは、そこの集団の頭領ホルヘ(ジャンカルロ・エスポジート)に引き合わされます。ホルヘはトーマスたちをWCKDに引き渡すか、それとも一緒にRAに合流するか迷いますが、その折も折、ホルヘの部下の裏切りで、ジャンソンたちの部隊がホルヘの施設を急襲します。
 ホルヘは建物を爆破して少年たちを引き連れ逃げ出しますが、逃げ遅れたブレンダとトーマスはクランクの群れに襲われ、ブレンダは脚を噛まれてしまいます。その後、なんとか仲間たちと合流したトーマスは、ついに念願のRAの宿営地にたどり着きます。そこで病気が発症したブレンダを助けてくれたのは、かつてWCKDで働いていた科学者で、トーマスとの面識もあるメアリー(リリ・テイラー)でした。
 こうして、RAがトーマスたちの安住の地になったかと思われたのですが、この後、驚きの展開が待ち受けているのでした・・・。

 というようなことで、砂漠を越え、都市の廃墟を抜けて、うごめくゾンビの群れと、WCKDの追手から逃れながらの決死の逃避行が、これでもか、という過激さで延々と続く2時間12分は、今時のこういう作品としては長めなのですが、全く飽きさせません。全編にわたって続く緊張感と、的確にちりばめられた人間ドラマと生死をかけたやり取りは見応え十分で、ヤング向け小説、という枠を超えた重厚さがあります。ほとんど戦争もののアクション映画のような印象の作品になったと感じます。
 前作から引き続いての出演陣は息もぴったりで、トーマス役のディラン・オブライエンも大きく成長したリーダーとしての資質を表現して、本人も俳優として急成長しているのではないでしょうか。テレサ役のカヤ・スコデラリオはエキゾチックな美貌が全開ですが、さらに今作ではいろいろな意味で予想を覆す活躍を見せてくれます。今回から新登場のブレンダ役ローサ・サラザールは、公開中の「ダイバージェントNEO」にも出演しており、今後の活躍が注目される女優さんです。
 このシリーズは、次の3作目ですべての謎が明かされていくのだと思われますが、この勢いでどこまで話が広がっていくのか、大いに期待できそうです。


2015年10月29日(木)
 「ダイバージェントNEO」THE DIVERGENT SERIES:INSURGENTを見ました。原題のインサージェントというのは叛乱者、暴徒といったところです。本作は「ダイバージェント」の続編として製作され、3月に全米公開されて世界で3億ドル近い興行収入を得たそうで、十分にヒットした方だと言えるでしょうが、ちょっとこのシリーズ自体が、影が薄い感じがします。いわゆるアメリカのライトノベル(ラノベ)といえる「ヤングアダルト」小説の実写化作品としては、「ハンガー・ゲームス」「トワイライト」「メイズ・ランナー」といったシリーズがあるのですが、その中で「ダイバージェント」はちょっと出遅れた感じがあります。独特の設定が分かりづらいというのが一つの難点のような気がします。
 今から200年の未来、戦争で荒廃した世界の中で、シカゴに生き残った人々は分厚い防壁で外界から遮断され、「勇敢」「無欲」「高潔」「平和」「博学」の五つの派閥に分かれて暮らす社会を形成している、そして人は16歳になると自分の適性検査を受けて、多くは生まれ育った派閥の社会で、しかしごく少数は親とは異なる派閥を自ら選んで生きる「転向者」となり、またごく一部の人は派閥の生活から落ちこぼれて「無派閥」と呼ばれる社会の落伍者扱いになる──そして、ごくまれにどの適性とも分類できない人間が生まれる。これが異端者(ダイバージェント)で、危険分子とみなされ、政府からは抹殺の対象とされているため、異端の烙印を押された者は通常、その事実を隠して生きる・・・、という前提が、とっつきづらい感じは正直、あります。1作目は、この設定を説明するのに相当に時間を取られていた感じがあって、もどかしいという印象は確かにありました。
 しかし2作目である本作になりますと、今のような話は省いていけるので、映画としては非常にテンポがよくなった印象がありました。
 ◆  ◆  ◆
 1作目で、「博学」の指導者ジェニーン(ケイト・ウィンスレット)は「勇敢」のエリック(ジェイ・コートニー)たちを利用して、政治を司っている「無欲」の社会を襲撃。「博学」グループによる社会の制圧を目論みました。「無欲」出身で「勇敢」に転向した「異端者」トリス(シャイリーン・ウッドリー)は、かつて「無欲」から転向し、「勇敢」社会での戦闘訓練の教官で、今では恋人であるフォー(テオ・ジェームズ)、「高潔」出身で「勇敢」に転じたピーター(マイルズ・テラー)、そしてトリスの兄で「無欲」から「博学」に転じたケイレブ(アンセル・エルゴート)と共にジェニーンの陰謀を阻止しようとしましたが果たせず、トリスとケイレブの両親をはじめ多くの犠牲を出してしまいます。彼らは混乱から脱出し、ジョアンナ(オクタビア・スペンサー)が指導する「平和」グループの農場に身を潜めています。
 しかしここにも、ジェニーンに操られたエリックの軍隊が攻めてきます。ピーターが裏切ったことで危機に陥りますが、トリス、フォー、ケイレブは辛くも脱出し、「無派閥」グループの元に身を寄せることに。しかし、かつては無害な落伍者の群れのようだった「無派閥」は、今では堅固な要塞を築き、組織化されて急激に武装集団となりつつあることに、トリスは驚きを隠せません。その理由は、フォーの死んだはずの母親イヴリン(ナオミ・ワッツ)の存在にありました。イヴリンはジェニーンに深い恨みを抱き、「無派閥」による強力な叛乱軍を率いて打倒することを画策していたのです。
 ですが、母親に心を許せないフォーは「無派閥」の元を離れることを決意。トリスもこれに従いますが、ケイレブはジェニーンを打倒するという考えに同調できず、2人と袂を分かちます。2人は「高潔」の保護下にあって、ジェニーンやエリックたちの陰謀に加担しなかった「勇敢」の生き残りたちと合流します。しかしここにもエリックの軍勢が奇襲をかけて来ます。というのも、ジェニーンはトリスの両親が密かに所持していた「200年前の先祖からのメッセージ」の入った箱を手に入れており、その謎を解くには、非常に高い素質を持つ「異端者」が必要だったからで、徹底的な「異端者」狩りを進めていたのです。
 なんとかエリックを倒したトリスとフォーは、「無派閥」の元に戻り、イヴリンの叛乱軍と組んでジェニーンを打倒することにします。一方、最も優秀な「異端者」がトリスであると気付いたジェニーンは、なんとしてもトリスを生きたまま捕えようと画策。そこで、裏切者のピーターがジェニーンにある卑劣な策略を献策。この結果、トリスは自ら危険を承知でジェニーンの元に出向き、あえて命の保証もない、箱を開錠する実験に参加することになりますが、ジェニーンの傍らには、ピーターだけでなく、意外にも兄ケイレブの姿もありました・・・。
 ◆  ◆  ◆
 ということで、物語の中盤から、ヒロインのトリスが恐ろしいテストに挑むわけですが、このあたりからのスケールの大きい映像は誠に見事です。一昔前なら考えられなかったようなスペクタクルになっております。見渡す限りの都市も建物も、夢幻のように粉々に砕け散っていく描写はすさまじい限りです。
 また今作は、人間ドラマとしてもかなり手ごたえがあって、概略を見ただけでもお分かりのように、裏切り、背信行為の連続。まさに誰のことも信用できない、といった展開が続きます。そういう中で成長していくトリスとフォーの絆の描き方は美しいです。
 なんといってもヒット作「きっと、星のせいじゃない」で難病に侵された恋人同士という役で共演したウッドリーとエルゴートが、1作目に続いて兄妹という役柄で出ているのが興味深いところ。また「アンダーワールド」シリーズでも続投が決まっているテオ・ジェームズが、本作でも頼れる男を好演していますね。それに、1作目の時点では無名だった若手の共演者たちがその後、次々に活躍しています。ピーター役のマイルズ・テラーは「セッション」や「ファンタスティック・フォー」で主役、準主役をこなして今や若手俳優の出世頭に。エリック役のジェイ・コートニーも「ターミネーター」新シリーズで準主役のカイル役に抜擢されました。そんなわけで、今になってみると、テラーやコートニーが悪役で脇役、という扱いで出演しているのが、1作目からの続きだから当然なのですが、不思議な感じがしてきます。それだけ急速に、彼らは抜擢されていったのですね。その他、「マッドマックス」新作でも活躍していたゾーイ・クラヴィッツなど注目株の若手が多数、顔を出しています。今後も「あの役の人がこんなに有名になるとは」という、これから出てきそうな人が出現しそうです。
 物語もようやく、2作目まで来て少し謎が解けてきた、というところまで、です。謎めいた性格診断テストによる奇妙な社会も、その背後に大掛かりな企みがありそう、というところで以下は3作目をご覧あれ、という感じです。どうも本作は結局、4作目で完結することになりそうです。正直のところ、2作目の公開状況を見るに日本国内ではあまり盛り上がっていない本シリーズのようですが、ぜひ最後までこの世界の秘密を見届けたいと思いますね。

2015年10月24日(土)
「ジョン・ウィック」JOHN WICKなる映画を見ました。これ、久々にアクション映画に復帰したキアヌ・リーブスの新作です。しかし、本作のアメリカでの公開は昨年の10月。もう丸一年遅れでの日本上陸となりました。それは恐らく、日本での公開がためらわれた、のでしょう。1990年代に入って「リトル・ブッダ」「ドラキュラ」あたりから俄然、注目され、1994年の「スピード」から「マトリックス」三部作(99年〜2003年)、「コンスタンティン」(05年)「イルマーレ」(06年)と大活躍したキアヌは正に飛ぶ鳥落とす勢いのトップスターでした。何か失速し始めたのは「地球が制止する日」(08年)の思わぬ不評あたりから。年齢も40代後半から50代に差し掛かり、彼自身、監督業や製作への関心も高まって出演数が減り、忠臣蔵をテーマにした「47 RONIN」(13年)も成功したとは言えず、ちょっとここ数年は、話題と言えば日本にお忍びでやって来てラーメン店巡りをし、激太りした、というようなものばかり。
 しかし、ここに来てアクション・スターとして完全復帰を果たした、といわれるのが本作です。好評を得て続編の製作も決まったようで、その高成績を受けて日本の劇場もようやく公開する気になったのでしょう。
 お話としては、非常に分かりやすい「孤独な殺し屋による復習もの」です。昔から無数にある類型の一パターンですが、しかし脚本に無駄がなく、細かいところの描写、アイデアが秀逸で不思議なスタイリッシュさに満ちた斬新な一本になりました。
 
 ニューヨーク近郊の豪邸に住む謎めいた男ジョン・ウィック(リーブス)。彼は最愛の妻ヘレン(ブリジット・モイナハン)を病気で失い、失意のどん底に落ち込んでいました。葬儀の終わった後、思いがけない荷物がジョンの元に届きます。中身はデイジーという名前の一匹の子犬で、亡きヘレンからの「あなたには私に代わって愛するものが必要。自動車ばかりに夢中ではいけないわ。この子を愛してあげて」というメッセージが添えられていました。涙にくれるジョンですが、デイジーが彼の心を癒してくれそうでした。
 そんなある日、ジョンはガソリンスタンドで自慢の愛車69年型フォード・マスタングに給油をしていました。それに目を付けた街のチンピラ、ヨセフ・タラソフ(アルフィー・アレン)は「この車はいくらだ」と聞きます。ジョンはその申し出を断りましたが、その夜、ヨセフは手下を引き連れてジョンの家に押し入り、デイジーを殺し、ジョンに暴行を働いてマスタングを盗んでいきます。
 怒りを爆発させたジョンは、密かに封印していた過去の自分を取り戻すことにします。彼はもともと、最強の殺し屋として名をはせた人物だったのですが、5年前、ヘレンとの生活を選んで引退していたのでした。
 ヨセフの父親でマフィアのボス、ヴィゴ・タラソフ(ミカエル・ニクヴィスト)は、愚かな息子がしでかした過ちに狼狽します。ジョン・ウィックを敵に回せば、全員皆殺しにされるかもしれない・・・。案の定、差し向けた手下は全員、ジョンに返り討ちにされます。ヴィゴは腕利きのベテラン狙撃手で、かつてジョンの相棒だったマーカス(ウィレム・デフォー)に200万ドルでジョンの命を奪うことを依頼します。
 ジョンは殺し屋や裏稼業の連中が宿泊するホテル「コンチネンタル」に久しぶりに赴きます。闇の世界に隠然たる力を持つホテルのオーナー、ウィンストン(イアン・マクシェーン)は、ホテル内で仕事(殺し)をすることを禁じており、ホテルの中だけは安全な中立地帯となっていて、このルールを破った者には厳罰が科せられることになっています。ホテルには世界中の危険な商売に手を染める者が出入りしており、ジョンと旧知の女殺し屋パーキンズ(エイドリアンヌ・パリッキ)の顔も見られました。
 ウィンストンから、ヨセフがナイトクラブ「レッド・クラブ」にいる、との情報を得たジョンは単身、その場に向かいます。それはヴィゴがヨセフを囮として張り巡らせた罠でしたが、ジョンは危険を承知で乗り込んでいきます・・・。

 というような展開で、特に「殺し屋専門の高級ホテル」といった描写がとても面白いです。また死体処理専門の回収業者もあり、「ディナーを頼む」と電話すると来てくれるとか、裏稼業専門の口の堅い医者がいるとか・・・ディテールが非常に凝っています。
 徹底的に鍛えぬいたキアヌのアクションは、まさに完全復活の名にふさわしいもので、格闘、射撃、また格闘・・・と息つく暇もない戦闘マシーンのような彼のアクションは見事の一言です。しかし、シュワちゃんのターミネーターのような無敵な感じではなく、傷を負い、血を流しながら不屈の闘志で戦い抜くファイターです。また、ジョン・ウィックは機械のように冷静非情、ということもなく、狂信的な殺人鬼でもありません。妻や子犬に向けた優しいまなざしは今も孤独な仮面の下にあり、時に感情を爆発させ、微笑み、涙し、冗談を口にする・・・そのような人間味もあるジョン・ウィックの人間像は、一般的な観客から見ても共感を覚えるものでしょう。
 マフィアのボス、ヴィゴを演じているのはスウェーデン出身のミカエル・ニクヴィスト。「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」以下シリーズ三部作や「ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル」の悪役で有名な人です。「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新シリーズで海賊黒ひげを演じて有名になったイアン・マクシェーンが、謎めいたホテルのオーナー役で素晴らしい存在感です。この役柄はカッコいいですね。ちなみにこのマクシェーン、60年代の戦争映画「空軍大戦略」のころから出演歴がある大ベテランです。
 それから、いい味を出していたのが哀愁漂うジョンの理解者、マーカス役のウィレム・デフォー。実年齢はまだ60歳だそうですが、もっと年季の入った人に見えます。この人はアクションから戦争映画、ファンタジー、ヒーローものまで幅広く活躍していますが、一般には「スピード2」や「スパイダーマン」「レジェンド・オブ・メキシコ」などでの悪役俳優のイメージが強いかも。しかしなんといっても出世作は1986年の「プラトーン」で扮したエリアス・グロージョン軍曹役。ところが、そういえばその前の84年に、ダイアン・レイン主演でヒットした青春ロック映画「ストリート・オブ・ファイヤー」で、暴走族のリーダー(だからやっぱり悪役)を演じて最初の注目を集めた人でもあります。
 もう一人、元プロレスラーで、今、同時上映中の「マジック・マイクXXL」では男性ストリッパーを演じているケヴィン・ナッシュが、ナイトクラブの警備責任者フランシスの役で登場しています。短いシーンですが、ジョンとの昔からの付き合いが垣間見え、ジョンが単なる殺し屋ではなく人情の人であることをさりげなく語る印象深いやりとりがあります。
 ということで、ジョン・ウィック・シリーズが新たなキアヌ・リーブスの代表作となっていくのでしょうか。今後の展開が楽しみです。


2015年10月23日(金)
 3年前、異例の大ヒットとなった男性ストリップ・ダンサーの世界を描く映画「マジック・マイク」。チャニング・テイタムの新たな代表作となったうえに、マシュー・マコノヒーが演技派として注目される契機となり、彼がアカデミー賞を獲得する流れを引き寄せた作品にもなりました。
 そして今回は、その続編「マジック・マイクXXL」が日本に上陸しました。そこで私も劇場で見て参りました・・・。
 前作は、ダラス(マコノヒー)が経営するフロリダ州タンパのストリップ劇場「エクスクイジット」が舞台。看板スターのマジック・マイク(テイタム)が、自らが育てた若手ストリッパーのアダム(アレックス・ペティファー)に追い上げられ、一方でアダムの姉のブルック(コディ・ホーン)と出会ったことで人生を見つめ直していく、というストーリーでした。結局、タンパを捨ててマイアミ進出を企てたダラスとマイクの意見が衝突し、マイクは一人、引退しブルックとの生活を選択。ダラスは派手なタンパでの最後の興行を打った後、新たな看板となったアダムほか一座を引き連れてマイアミに去っていく・・・そんな幕切れでした。
 ◆  ◆  ◆
 あれから3年。念願の家具製造会社を起業し、夢をかなえたマイクですが、実際のところ経営は苦しく、従業員を一人、抱えましたがその雇用保険も払うことができない始末で、実のところは火の車でした。さらに、3年間、同棲したブルックにプロポーズしたところ、なぜかフラれてしまい、失意のどん底に。
 そんなマイクのスマホに懐かしい声のメッセージが入ります。「エクスクイジット」で同僚だったターザン(ケビン・ナッシュ)からのもので、「ダラスが亡くなった」というのです。
 慌ててマイクが駆けつけると、ターザンのほかにも元の仲間のケン(マット・ボマー)、リッチー(ジョー・マンガニエロ)、ティト(アダム・ロドリゲス)がそろっており、ダラスが死んだというのは嘘で、ダラスはお気に入りのアダムだけを連れて、マカオに旅立った、という話だと分かります。その結果、マイアミでの興行は自然消滅し、アダム以外は全員解雇。それで4人はタンパに舞い戻ってきたといいます。
 ダラスがいなければこれ以上、興行はできないと考えた4人は引退を決意。しかし、最後の記念として、マートル・ビーチで行われる「全米ストリップ・コンクール」に出場し、華々しい最後を飾ろうとしている、といいます。マイクもこの最後のショーに参加しないか、と誘われますが、自分には仕事があるから、といったんは断ります。しかし、体に染みついているショーの興奮を思い出したマイクは、もう一度あの経験をしてみたいと一行に合流。こうしてマイクも加わった5人は、ダラスの下でDJをしていたトバイアス(ガブリエル・イグレシアス)をMC(司会者)に昇格させて、6人でマートル・ビーチを目指します。
 道すがら、ダラスの決めた演出や衣装をやめて、新しいものを作り出そうとするマイクと、今までのやり方にこだわるリッチーが対立したり、突然、仲間を見捨てて出て行ったかつてのマイクへのわだかまりをケンがぶつけてきたり、とあれこれある中、珍道中が繰り広げられます。マイクたちは、ジャクソンビルのクラブで「ドラァグ・クイーン・ナイト(オカマの夜)」に出演した後、ビーチ・パーティーに参加。マイクはそこで出会った写真家のゾーイ(アンバー・ハード)に興味を抱きます。
 その後、車を運転していたトバイアスが事故を起こしてしまい、入院することに。MCがいなければコンテストに参加できません。そこで、マイクはサバンナにある会員制クラブ「ドミナ」を訪れ、女性オーナーであり、有名なMCでもあるローマ(ジェイダ・ピンケット・スミス)と会います。マイクとローマとの間には過去にいろいろあったようで・・・。
 さらに5人は、チャールストンに向かい、ビーチ・パーティーで知り合った女の子メーガンの家を訪れ、一夜の宿を借りようとします。ところがメーガンの母親で離婚したばかりのナンシー(アンディ・マクダウェル)はセクシーな男たち、特にリッチーに心奪われてしまい大騒動に。さらに、その家には偶然、ゾーイも居合わせており、マイクと再会します。
 ドタバタの珍道中を経て、5人と関係者一同はマートル・ビーチに到着。いよいよコンテストに出場、と意気込みますが、主催者のパリス(エリザベス・バンクス)は、事前申し込みを受けていないので出場できない、と言い渡します。ここまで絶体絶命のマイクたちですが・・・。
 ◆  ◆  ◆
 というように、ストーリーを追えばなんだかいろいろ複雑そうに見えますが、要するに5人のストリッパーが一台の車に乗って目的地を目指す珍道中を描くロード・ムービーなのが本作の特徴。行く先々で起こる騒動とエロいショーの描写、そしてドキュメンタリーであるかのような、とりとめない会話のやり取りが続いていきます。だから、流れ的にはあってないようなもの。
 そもそも、前作でもこのようなロード・ムービー的展開をやりたかったそうですが、まずはストリップの世界をちゃんと描く社会派ドラマとして1作目は作り、続編がもし出来ることがあれば、珍道中ものをやろう、という話が前からあったようです。1作目がヒットしたことで、その企画が実現したわけですね。
 よって、1作目はかなり脚本がかっちりと出来ていましたが、今回はお気楽と言ってよい行き当たりばったり感が魅力です。前作で世界観はできているので、説明的な話は極力、省いていけるのが2作目のいいところ。1作目で中心的な人物だったダラスとアダムを思い切って、冒頭からマカオに追放してしまい(笑)、ヒロインだったブルックもあっさりと退場させて、都合の悪い人物はさっさと消してしまうドライさが、また笑える展開でもあります。そのために、1作目では今一つ、何人も登場しているわりに、どういうキャラクター設定なのかはっきりしなかったケンやリッチー、ターザンたちの性格や背景がしっかりと描かれて、さらに新たに魅力的なキャラも加わり、とにかく今作は、案外にシリアスでダークな部分があった1作目と異なり、ネアカなコミカルさ、能天気さが増大しています。
 何も難しく考えるような映画ではないのですが、ショーとしての華やかさ、ダンスの完成度や見せ場、エロさ、おバカさ・・・は前作よりずっと増量しています。もっとも、ロード・ムービーとして描いているので、ショーのシーンそのものは、ちょっと少ないかもしれません。
 このあっけらかんとした世界観は、とにかく魅力的に見えます。せせこましく余裕のない日本人一般の生活から見て、何か羨ましいもののようにも見える一本でございました。

2015年10月16日(金)
 「ファンタスティック・フォー」Fantastick Fourを見てきました。マーベル・コミックの人気作品の映画化ですが、同名タイトルは2005年と2007年に映画化されて一定の成功を収めたのは周知の通り。宇宙船の事故で放射線を浴びたリード、ジョニー、スーザン、ベンの4人が超能力を身に付けてしまい、超能力ユニットファンタスティック・フォーとして活躍する、という筋立てで、マーベルの作品の中では初めて、ヒーローがグループで行動する、という要素が盛り込まれた作品でした。旧シリーズでは特にスーザン役のジェシカ・アルバとジョニー役のクリス・エヴァンスが有名になり、エヴァンスがその後、「キャプテン・アメリカ」に配役される契機になった作品でした。それが10年もたたないうちにリブート?という感じはあるのですが、監督はジョシュ・トランクで、長編映画は「クロニクル」(2012年)に次ぐ2作目という新鋭が担当。そのトランク監督の前作は、やはり超能力を手に入れた少年たちが、その力のゆえに振り回されていくような話だったそうで、今作「ファンタスティック・フォー」に出ているマイケル・B・ジョーダンも出演していました。
 そういう新しい感覚で、若いキャストを起用した再発進をして、ほかのマーベルのシリーズとのコラボ等を考慮したい、というような意図なのでしょう。今作は、「X-Men」シリーズと世界観を共有するようになる、という話もありますので、今後、同シリーズの展開と、かかわりが出て来るのかもしれません。
 今作では、宇宙船の事故、ではなくて、異次元世界へのテレポーテーション実験の失敗による事故が、話の発端になっています。
 ◆  ◆  ◆
 子供のころからテレポーテーションの実用化について夢想し、危険な実験を繰り返していたリード(マイルズ・テラー)は、変わり者と思われ誰にも理解されませんでしたが、ただ一人級友のベン(ジェイミー・ベル)だけは家業の廃品回収業を通じてリードを手助けし、2人は小さなサイズの物体を実際に瞬間移動させる実験に成功するようになっていました。
 その実験を見たストーム博士(レグ・E・キャシー)と養女のスーザン(ケイト・マーラ)は感心し、リードをバクスター財団の研究所に招きました。ストームたちはすでに大型のテレポーテーション装置を作り出していましたが、あと一歩、何かが足りず成功していませんでした。リードが実験に加われば実用化できる、と考えたストームは、日ごろから折り合いの悪い実の息子ジョニー(ジョーダン)と、元々この実験を始めた天才的な頭脳の持ち主だが協調性のないビクター・フォン・ドゥーム(トビー・ケベル)を招集し、プロジェクトを再始動しました。
 そしてついに動物実験は成功。しかしバクスター財団の責任者ハーヴェイ(ティム・ブレイク・ネルソン)は、以後の実験をNASAと提携して進めることとし、リードたちから取り上げる趣旨の発言をします。これに憤ったリード、ジョニー、ビクターは酒に酔った勢いで、ストームに無断で装置を動かし、異次元世界への一番乗りを自分たちだけで断行しようと決意。リードは急きょ、ベンを呼び出し、この4人で異次元へのトリップを敢行してしまいます。
 4人が足を踏み入れたのは、異次元にある未知の惑星でした。しかし思いがけない事故が発生し、ビクターは置き去りとなり、なんとか戻ってきた他の3人も身体に異常が・・・。さらにエネルギー波を浴びたスーザンも特異な体質になってしまいます。責任を感じたリードは施設を逃げ出してしまい、残った3人は政府と軍の管理の元、利用されることになってしまいます。ストームは、彼らの身体を元に戻すには再び、あの世界に行くことが必要と考え、リードを呼び戻すことにしますが・・・。
 ◆  ◆  ◆
 というようなことで、今までのファンタスティック・フォーだと、まあ話の発端として描かれる感じの冒頭の事故ですが、今作はほとんどが、この実験と事故の顛末、そしてその後の始末の付け方で話が終始します。よって、どちらかというとヒーローものというよりも、硬派のSF作品というテイストに近く、監督自身、そういうものとして作ったようです。超能力の描写というのも、前の作品などでは見られたコミカルな感じではなくて、もっと悲劇的な病気とか、障害のような描き方で、総じてシリアスな作品です。確かに従来のファンタスティック・フォーとはかなり作風が異なる感じがします。
 最近のヒーローものは大体、シリアスで科学的描写も多く、真面目なSF寄りになる傾向にありますが、本作はその中でも最たるもの、という印象です。そこをどう捉えるかで評価も変わってきそうです。
 リード役のマイルズ・テラーはどこかで見た顔だと思えば、「セッション」で鬼教授にしごかれていた学生役で有名になった彼です。そのほか「ダイバージェント」シリーズにも出ていますね。この人はまだまだ大物になって行きそう。ビクター役のトビー・ケベルは「魔法使いの弟子」「プリンス・オブ・ペルシャ」「タイタンの逆襲」「猿の惑星:新世紀」などと大作でよく見る人ですが、ちょっとひねくれた役、裏切者といった役どころが多い人。今回も、最後にドクター・ドゥームになって主人公たちを逆恨みするひねくれ者の役なので、まさにはまり役ではあります。
 なんといっても目立つのが紅一点のスーザン役ケイト・マーラ。「ブロークバック・マウンテン」で故ヒース・レジャーの娘アルマ役を演じて注目され、「アイアンマン2」でも端役で出演。そして、ジョニー・デップ主演の「トランセンデンス」で過激派のリーダー、ブリー役で存在感を発揮し「あの女優、誰?」とかなり話題になった人。いまどきなかなかいない正統派の美人女優といっていいかも。前のシリーズはジェシカ・アルバの出世作になったわけですが、今回もこのケイト・マーラがステップ・アップを果たしそうな予感があります。
 今回の作品は、あくまでも発端編という感じで、「続く」という感じ。次回作の製作はすでに決まっているそうです。ヒーローものとしての展開はむしろ今後に期待、というところですのでこのキャストで続きがどうなっていくのか、見てみたいですね。 

2015年10月15日(木)
 前の記事で取り上げた「ゼニスインターナショナル」の動物パンの続き。「牛さん」と「お化け」です。ディテールまでしっかりデザインされています。中に入っているカスタードクリームがおいしいです。

2015年10月15日(木)
 昨日、南砂町の「スナモ」で発見したのが、この埼玉県さいたま市に本拠を置く「ゼニスインターナショナル」という会社が製造する「動物パン」。ほかにも牛さんとか、お化けとか、うさぎとかのかわいいパンがありました。ゼニスさんは元々、お菓子の原料となる卵の製造メーカーだそうで、パンも見た目がかわいいだけでなく、非常においしいです。動物パンは大人気だそうでして、ほかにもチーズケーキやスフレなどの卵を生かした洋菓子を製造しているようです。
 ゼニス社のHPによると、ここしばらくの出張販売の予定としては、
10/14〜10/18南砂町ショッピングセンターSUNAMO  10/16〜10/24シャポー本八幡 10/19〜10/25メトロ新橋 10/19〜10/31エキュート立川 10/19〜10/25京王新宿駅 10/27〜11/15セレオ相模原 10/29〜11/4東武大宮
 ということになっているそうです。

2015年10月12日(月)
 今年も洋ランが咲く頃になってきました。我が家ではオンシジウムが少し前から黄色い花を咲かせています。

2015年10月05日(月)
 女性の皆さんなら、よくご存じの小学館のファッション誌「プレシャスPrecious」。実はこれの男性版である「メンズ・プレシャスMen's Precious」という季刊誌があります。私もこの本の創刊準備号から愛読しておりますが、このたび定期購読をお願いしました。
 すると、定期購読者の中から厳正なる抽選の結果、英国の名門紳士服ブランドであるターンブル・アンド・アッサーTurnbull&Asserのハンカチーフが贈られてきました。これは非常に嬉しいですね。ターンブル・アンド・アッサーはチャーチル英国首相が愛用していたことで有名です。それに007ジェームズ・ボンドのシャツといえばここの製品。箱に描かれている金色の羽飾りの紋様はチャールズ皇太子のもので、英国王室御用達を示すロイヤル・ワラントというものでございます。
 こんな素敵なものをプレゼントしてくれた「メンズ・プレシャス」さんに感謝します。ありがとうございました。

2015年9月27日(日)
 今日は仲秋の名月ということですが、お月様は出てくれるでしょうか。
 ところで、今年はがんで亡くなる方の話題が目立つ気がします。愛川欽也さん、今いくよさん、黒木奈々さんに川島なお美さん、とぱっと思いつくだけでもたくさんのお名前が浮かびますね。さらに、つんく♂さんが声帯を失った話題や、北斗晶さんの手術の件もあります。
 科学が進歩した、進歩したという割には、要するにスマホだのアプリだのという、本当のところどうでもいいような技術ばかり進んでいて、今の人類はがんも治せなければ、実は普通の風邪ですら治せません(風邪のウイルスを退治する方法は、実はありません。だから自然治癒しか方法がない)。それに歯も根本的には治せない、目も治せない、なんにもできないに等しい。
 そして、少なくとも公式的には、お月様にやっとたどり着くぐらいの能力しかなく、それだってもう半世紀も前のことで、結局、21世紀も序盤が終わりつつあるのに(何しろ、100年前にはもう第一次大戦をやっていた時期ですから)地球から一歩も出られないでいる。
 そのくせ、コンピューターだけはどんどん進化していて、あと20年もすれば、今の人間がやっているような職業は、ほとんどみんな人工知能に奪われるのではないか、という話があります。日本では少子化だ高齢化だと言っておりますが、全人類的にみれば世界人口100億人に達するのはいつなのか、で脅えているわけであります。
 お月様が「まあ、お前らなんてそんなもんじゃないの」と笑っている気がいたします。

2015年9月17日(木)
「あなたはスパイ映画は好きですか」
「最近のシリアスなスパイ映画は苦手ですな。でも、子供のころは好きでした。昔のああいうスパイ映画では、とにかく悪役が魅力的でしたね」
 こんなセリフににじみ出る、最近のやたらとシリアス路線に走った、国際テロ組織と闘うバイオレンス・アクション満載の国際スパイ映画の数々への苦言・・・。まあはっきり言って、近年の007シリーズなんかへの不満、と受け止めて間違いないですよね。同シリーズがシリアス路線に舵を切ったときには好評だったものの、そのうち「普通のアクション映画とどう違うの?」という声が強くなったのも事実。もっとお色気あり、おふざけあり、きついジョークあり、おバカなコミカル・シーンあり、そんな不謹慎と言っていいような初期の007シリーズみたいなスパイ映画が見たい! そんな声に対する回答の一つと言っていいのが、今回、私が見てきた映画「キングスマン」』Kingsman: The Secret Serviceじゃないでしょうか。実際、当の007シリーズも原点回帰して、年末に封切の新作では、ついにあのスペクターが敵として復活するそうです。シリアスな国際テロリスト集団との戦い、はもう現実世界のニュースで見過ぎておなかいっぱい、という昨今を象徴しているのかもしれません。
 メガホンをとるのは「キック・アス」で世界中を驚かせた、「不謹慎なアクション映画」を撮らせたら党第一と言っていいマシュー・ヴォーン監督。主演は「英国王のスピーチ」でアカデミー賞受賞のコリン・ファース、脇を固めるのがサミュエル・L・ジャクソン、80歳代になっても大活躍のマイケル・ケイン、キック・アス以来の監督のお気に入りマーク・ストロング・・・と実力派の名優で固めてはおりますが、ほかの出演者はほとんど無名の新人クラスで、決して話題性で人が入る映画ではありません。しかし、蓋を開けてみると、1月末に英国で公開以来、すでに4億ドル以上の世界的メガヒットを飛ばす快作となりました。
 私が行った浦安市内の映画館も、国内封切から1週間もたっていないのにパンフレットは売切れとなっていました。場内では「今年見た映画の中で文句なしのナンバー1だ!」といたく感動している方もいました。
 はっきりいって、ケレンミの塊みたいな映画です。サヴィル・ロー仕立ての高級な英国スーツにこうもり傘、オックスフォード・シューズに指輪、万年筆・・・そのどれもが実際はいろいろな仕掛け満載の「秘密兵器」という、いかにも昔のジェームズ・ボンドを思わせる設定。ことに後半になると、初期の007映画どころか、人々が体内に埋め込んだ小型爆弾が爆発して小さなキノコ雲が立ち上る、という完全に漫画的な、とぼけた演出などもあり、このへんは明らかに007シリーズの中の番外編、異端作として有名な「007カジノロワイヤル」(ダニエル・クレイグのシリアスな「カジノ・ロワイヤル」ではなくて、60年代に作られた伝説的おふざけ映画)へのオマージュと思われます。ここまでやるか、とにんまりさせられる作品です。
 ◆  ◆  ◆
 「キングスマン」はどこの国にも所属しない秘密諜報組織で、表向きはロンドンのサヴィル・ローの高級紳士服店として正体を隠しながら活動しています。今から15年前、中東で作戦中のキングスマン・メンバーは、ハリー(ファース)、ランスロット(ジャック・ダベンポート)と正式メンバー候補生を加えたチームで敵の基地を奇襲しますが、ハリーのミスで、優秀な候補生が戦死してしまいます。責任を感じたハリーは未亡人ミッシェル(サマンサ・ウーマック)と遺児の元を訪れ、困ったときには連絡するように、と言い置きます。
 そして現在。世界中で要人が何者かに誘拐される事件が続発する中、拉致された地球気候学者アーノルド教授(マーク・ハミル)を救出に向かったランスロットは、両脚の義足に刃を仕込んだ謎の女ガゼル(ソフィア・ブティラ)にあえなく惨殺されてしまいます。そこに現れたのはガゼルの雇い主であり、億万長者にして熱心な環境活動家のヴァレンタイン(ジャクソン)でした。ヴァレンタインはアーノルドに、自分に協力するように求めます・・・。
 ランスロットの突然の殉職に慌てたキングスマンのリーダー、アーサー(ケイン)は、ハリーたち「円卓の騎士」にランスロットの後任となる新人候補を推薦するように求めます。
 その頃、ミッシェルは町のごろつきの親分ディーン(ジョフ・ベル)の愛人という立場に零落しており、成長した遺児エグジー(タロン・エドガートン)も札付きの不良どもにからまれて警察のお世話になるような失意の日々を送っています。その急場を助けたハリーは、エグジーの目の前でディーンの手下たちを鮮やかに倒してのけると、父親の跡を継いでキングスマンの候補生試験を受けないか、とエグジーを勧誘します。
 キングスマン候補生となったエグジーですが、その訓練は命の保証もないほど厳しく、教官のマーリン(ストロング)は血も涙もない命令を次々に強要します。そんな中、心優しい女性候補生ロキシー(ソフィー・クックソン)とは友情を育んでいきますが、名門出身のチャーリー(エドワード・ホルクロフト)とはことごとに対立します。
 一方、ヴァレンタインは世界中の人々にスマートホンやパソコンに搭載するSIMカードを配布し、通話もインターネットも一切、無料でできる、ということで世界に衝撃を与えます。瞬く間に全地球のネット環境を支配した彼には、おそるべき狂気の計画がありました。そして、アメリカ合衆国の大統領や、スウェーデンの首相(ビヨルン・フロベルグ)、王女(ハンナ・アルストロム)と次々に自分に協力してくれそうなVIPに接触、仲間になった者には首筋にチップを埋め込んでもらい、仲間になることを肯定しない者はそのまま監禁していました。
 ハリーは、一度は誘拐されながら、ランスロットの死後、無事に解放されたアーノルド教授に不審を抱き、直接、接触しますが、ハリーの目の前でアーノルドは首筋に埋めたチップが爆発して即死してしまいます。
 ハリーは事件の背後にヴァレンタインがいることを確信して直に接触しますが、かえってヴァレンタインにキングスマンの正体を握られてしまいます。
 同じころ、キングスマンの最終選考まで残ったエグジーは、最後の最後で落ちてしまい、ランスロットの後任にはロキシーが選ばれます。失意のうちに帰宅したエグジーでしたが、ハリーはそんなエグジーを見離しません。ヴァレンタインがアメリカ南部のある狂信的な教会で、何かのテストを試みていると知ったハリーは単身、その教会に乗り込みます。エグジーもハリーが送ってくる映像を見守りましたが、そこでは想像を絶するような惨劇が待ち受けていました・・・。
 ◆ ◆ ◆
 ということで、新感覚とかスタイリッシュとか、超過激といった形容はすでに鬼才ヴォーン監督にとっていつものことなのかもしれませんが、それにしても本作はまことに斬新です。こういうスパイ映画が見たかったんだ、というオールド・ファンを満足させながら、単なる懐古趣味ではなく、今までの常識を吹き飛ばすようなアイデアと仰天のアクション、そして残酷極まりないヴァイオレンスの合体・・・おそらく最初に007映画が登場したときに、当時の観客が感じただろう驚きをほうふつさせる何かが、この映画にはありますね。
 本当にほとんど新人に近いタロン・エドガートンが、だんだん成長して見事な英国製諜報員、鼻につくようなブリティッシュ・スパイに成長していくのが本当に面白いです。序盤で死んでしまう可哀そうなランスロット役のダベンポートは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでノリントン代将を演じていた人です。そして、アーノルド教授役が、あの「スター・ウォーズ」シリーズのエピソード4〜6でルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミル。ひょっとして「スター・ウォーズ」新作のための肩慣らしとしてこの映画にも出たのでしょうか?
 スウェーデンの首相役と王女役は、実際にスウェーデンの俳優さんたちで、国際作品ではあまり見かけませんが、母国では有名な人たちのようです。
 とにかく人はいっぱい死にますし、非常に不謹慎と言えば不謹慎な映画です。しかし高度に知的で、独特の世界観にはまる人続出なのはうなずけます。英国ファッションが好きな方必見なのは言うまでもありません。コリン・ファースもマイケル・ケインも、最初の方だけのダベンポート、終盤のエドガートンも見事なスーツを着こなしてくれています。確かに大スクリーンで見ておきたい一作です。
 

2015年9月14日(月)
 先日、東京・東銀座のムーショップhttp://www.mushop.info/に伺いました。
 こちらは、学研の月刊誌「ムー」の関連グッズを中心に販売する店舗で、特に取材先で入手したものや誌面企画で製作したもの、誌面に登場するその世界の研究家、いわゆる超能力者・・・のグッズなどが大量に並んでいます。誌上のプレゼントや通販企画で扱うには難しい一点ものとか、価格が安すぎるもの、説明が難しいもの、なども多くあるようです。
 そもそもこういう不思議系のもの、たとえばパワーストーンとか、メダイとか、ピラミッドとかがお好きな方にはたまらない空間かと思います。
 私どもも、ムーのロゴ入り缶バッジ、非常に美しいチベット・ビーズのブレスレット、それに現地で仕入れてきたというナスカ石(シャーマン=呪術師が現地の石に、有名な地上絵の模様を描き込んだもの)を買ってきました。このナスカ石の図柄は、「手」と呼ばれていますが、本当のところは何を示しているのか分からないようです。
 その後、少し新橋寄りに進んで、「三井ガーデンホテル銀座プレミア」に行ってみました。ここは銀座地区では珍しい、フロントが16階にある高層のホテルで、夜景が素晴らしいです。東京タワーがライトアップしていて綺麗でした。

2015年9月11日(金)
 今回の台風17号、18号による猛威で、東海、近畿地方から首都圏、茨城、栃木、さらに宮城県など東北まで大きな被害になりました。
 私にとって、被害のあった愛知県は父親の出身地、茨城県は高校時代を過ごした土地です。特に被害の大きかった常総市は、かつて水海道市(みつかいどう・し)及び石毛町(いしげ・まち)と称していたところで、私もよく知っているところです。
 何と言ってよいのか・・・心が痛みます。

 命がけで水害現場に出動した陸上自衛隊のヘリコプター団の皆さんには頭が下がります。非常に危険な任務です。

2015年9月06日(日)
 今日は東京・錦糸町の「すみだトリフォニーホール」で、陸上自衛隊中央音楽隊の第146回定期演奏会を聴いてきました。
 いつも素晴らしい演奏を披露してくれる同音楽隊ですが、今回は噂の陸上自衛隊のヴォーカリスト、松永美智子・陸士長の歌声を聞くことが出来ました。昨年、入隊した松永陸士長、海自の先輩である三宅由佳莉・3等海曹が大ブレイクして、今やNHKの歌番組に出るほどの人気者になりましたが、これに続けと「陸自の歌姫」として「売り出し中」です。これから場数を踏んでどんどん活躍しそうですね。

2015年9月02日(水)
 今日は当ブログでは珍しく自分以外の書籍の紹介をば。『アラサーちゃん4 無修正』(峰なゆか著、扶桑社 900円税別)と、『やせる石鹸』(歌川たいじ著、角川書店 1500円)です。
 この著者のお二人は、全く無関係な方々ですが、共通点もあるように思います。峰なゆかさんは元AV女優で漫画家、エッセイストに転身した方。歌川たいじさんはゲイで、普通のサラリーマンだったのですが漫画家に転身された方。つまり、お二人ともその世界では異端児、といっていい経歴から、いろいろなものをはねのけて、ここまで来た方です。
 稚拙な私の紹介文など意味がありませんので、ちょっと内容から引用を・・・。
 
 まずアラサーちゃんから。アラサーちゃんに「絵うまいんだね! 絵の才能ある人ってうらやましいなー」と声をかけられたある友人がこう答えます。
「絵心ない人ほどそういうこと言うけどさ。私が努力して得た技術を、生まれつき持ってたものみたいに言うのやめてくれない? 私が描けるのは才能があるからじゃなくて、努力したから。アラサーちゃんが描けないのは才能がないからじゃなくて、努力してないから。ていうか本気でやる気もないのに、描けるようになる方法とか聞かないでくれる?」

 次に「やせる石鹸」から。主人公があるダンスの先生に教えを乞いに行ったところ、その先生がこう言うのです。
「あんたのやろうとしていることはね、いまだかつて誰もやったことのない、誰も見たこともないものでしょ。誰も理解しちゃくれないよ、それをわからせていくんだよ。それがどんなにつらいことか、あんたにわかる? わかってないよね、たぶん」

 どちらの作品も、こうしたセリフの端々に、おそらく著者のお二人がこれまで闘ってきた想いを反映しているのではないか、というものが垣間見えるのが興味深いです。そもそも、うちの妻がこのお二人のファンなのですが、私もこの新刊2作を読んでみて、ご紹介したくなりました。

 このところ、順風満帆で、いい家に生まれ、偉い人にかわいがられて、挫折知らずに来たけれど、人生をかけた大舞台で、ノーベル賞級の発表とか、五輪のロゴとか、そういうレベルまで来て急速に失速する、という人たちを何人か見ましたが、こう、闘って這い上がってきた人たちと、そういう人たちとはまた、住んでいる世界が違うんだろうな、とも感じないではありません。

2015年8月27日(木)
 東日本では急速に北風が吹いて、秋の気配が強まりました。8月の上旬、連日のように35度超えして、今年はどうなることかと思っていましたが、意外にも今季の夏そのものは短いのかもしれません。
 ということで、アパレル業界はとっくに秋冬商戦に移行しておりますが・・・ここに掲げますのは主婦と生活社の「LEON」10月号と、集英社の「UOMO]10月号のページなのですが、ご覧のように・・・パンツが太い! ここ10年ほどにわたって、ほとんど中世の人のタイツみたいなピタピタのスキニー・パンツ一辺倒でしたが、ここにきて各ブランドとも本気でワイド・パンツを流行らせたいということのようです。が、そんなに急に変わるでしょうか。なにしろほとんど、ふた昔ぐらい前の不良学生のドカン・ズボンそのものですけれど。
 まあ、これがファスト・ファッションに受け入れられ、さらに普通の量販店でも主流になるには5年も6年も、場合によっては10年もかかるわけでしょうが、しかし私は、世界のトップ・デザイナーたちが「ミニマル」ファッションだの「ノーム・コア」だの、ピタピタのスキニー・ファッションだのに飽き飽きしており、もっと腕を振るえるゴージャスでグラマラスな服装に戻したい、と一致して考え始めているのではないか、と想像します。
 私自身、なんというかここ10年ほどのカジュアル化の行き過ぎ、ピタピタ化のやりすぎが実は大嫌いでしたので、個人的には歓迎しておりますが、さて世間の反応は?
 とまあ、珍しく、ガラにもないファッション・ブログ的なことを書いてしまいました。私自身は、もう19世紀ぐらいまでの服しか本当は興味がない人間ですので、あまり世間一般のご参考にはならないでしょうが・・・。

2015年8月21日(金)
 松屋銀座デパートの8階催事場で「リサとガスパール」展というのをやっております。最終日は24日ですので、ラストスパートですね。
 これは1999年に刊行以来、フランスで大人気の絵本で、「フランス・パリに住んでいる、ウサギでもイヌでもない未知の生物の「2人」 リサとガスパール、およびその家族を中心とした日常が描かれている」ほのぼの系のお話です。
 このキャラ、なぜか2Dよりぬいぐるみにした方がかわいい気がします。展示会と併設で「リサとガスパール・カフェ」というのをやっておりまして、日頃はイタリアン・レストランであるイプリミ・ギンザがこの会期中だけ、展示にちなんだ料理を出しています。
 これがなかなか、かわいい。カレー、シチュー、ハンバーグがメイン・メニューですがいずれもキャラの顔を再現しております。これはなかなかいいですね。
 あと3日ですので、興味のある方はぜひ。

2015年8月20日(木)
 なんでもまもなく、「みと肛門クリニック」なる病院が、茨城県水戸市にできる、という話を聞きました。http://www.mitokomon.net/
 いやあ、本当に「みと・こうもん」なんですね! しかも茨城県庁のすぐそば、という好立地になるとのことです。思い切ったセンスに脱帽です。なにか一度、わざわざこれを見るためだけに水戸市まで行ってみたい気すらします。

2015年8月13日(木)
 トム・クルーズの新作「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」Mission:Impossible-Rogue Nationを見ました。「例によって君もしくは君のメンバーに何が起ころうと当局は一切、関知しないからそのつもりで。成功を祈る! なお5秒後にこのデータは消滅する」という指令で、世間には知られていない秘密の情報機関IMFのミッションが始まる「スパイ大作戦」の映画化も、これで5作目となります。
 ローグ・ネイションというのは、いわゆる「ならず者国家」の意味ですが、ここでは、本来の組織から抹消されて身分を隠した元諜報員を集めた非公然組織が、非合法なテロ行為に走るシンジケートとなって暗躍している様を表しています。
 前作の「ゴースト・プロトコル」では、すでにIMFは正体不明の敵の攻撃を受けており、組織としての危機に見舞われ、IMF長官も暗殺されています。IMFエージェントのイーサン・ハント(クルーズ)は、その敵を追い求めている、というところから話は始まります。

 離陸する輸送機に飛び乗って、テロリストたちの手に神経ガスが渡るのを未然に防いだIMFエージェントのイーサン・ハントは、この犯行の背景に、かねてから彼が疑っていた国際的な犯罪組織「シンジケート」が実在していることを確信します。
 ロンドンのレコード店で次のIMFからの指令を受けようとしたハントですが、すでにここにはシンジケートの手が回っており、眼鏡をかけた金髪の男によってハントは捕らわれてしまいます。シンジケートのメンバーで、すでに数年前に行方が分からなくなっていた元諜報員ヤニック(イェンス・フルテン)の手で拷問が行われようとする直前、シンジケートに潜入している英国情報部MI6のスパイ、イルサ(レベッカ・ファーガソン)の助けを得て、ハントは辛くもその場を逃れます。
 一方、米国情報部CIAの長官ハンリー(アレック・ボールドウィン)と、IMFの長官が空席のため、その代理を務めているブラント(ジェレミー・レナー)は、合衆国上院の委員会に呼び出されています。ハンリーはこの場で、IMFを時代遅れの組織だと主張して認められます。かくて、IMFは解体され、CIAの傘下に入れられてしまいます。近年の国際的なテロリスト組織の犯行は、実はすべてハントが手引きしていると考えるハンリーは、ハントが唱えているようなシンジケートなど実在しない、として、ハントを逮捕するようにブラントに指示します。組織を追われたハントはそれから半年にわたって各地に潜伏しつつ、自分を罠にはめた金髪で眼鏡の男、シンジケートの首領である元英国情報部員ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)と、イルサの正体を突き止めようとします。
 元IMFメンバーで、CIAに転属させられて閑職に追いやられているベンジー(サイモン・ペッグ)の元に、ウィーンのオペラ座での「トゥーランドット」公演の観劇チケットが送り付けられてきます。オーストリアにとんだベンジーは、チケットを送りつけてきたのがハントであることを知り、レーンがその夜、劇場に現れることをハントから告げられます。しかし、劇場にはこの日、オーストリア首相夫妻が訪れており、その暗殺が企てられていることは明らかでした。ハントとベンジーは、警備員に化けて首相を銃撃しようとしている男、別の位置からオーケストラのフルート奏者を装って首相を撃とうとしている男、さらに、別の角度から首相に照準を合わせているイルサの3人の暗殺犯を目撃します。
 なんとかして劇場では首相を守り切ったハントたちですが、その直後、首相夫妻を乗せた車が爆破されてしまい、暗殺を防ぐことはできませんでした。またも、まんまとシンジケートの仕掛けた罠にはめられて、暗殺現場にいたハントとベンジーの立場は悪くなり、ハンリーは彼らが首相暗殺に関与したと思い込みます。
 ハンリーはCIAの総力を挙げて、元IMFメンバー2人を逮捕、場合によっては殺害してもよい、と命令を下します。危機感を抱いたブラントは、元IMFメンバーのスティッケル(ヴィング・レイムス)を探し出し、ハントとベンジーをCIAの手から守ろうとします。
その頃、ハントはイルサが残した手がかりから、彼女がモロッコにいることを突き止めます。シンジケートの機密情報がモロッコの水力発電所の奥深くに隠されたコンピューター・サーバーにあることを知ったハントとベンジーは、イルサと協力して水中にあるサーバーからデータを盗み出すことに成功します。しかし、ここで2人を裏切ったイルサは、データを持ってバイクで逃走します。
 イルサは、彼女の本来の上司であるMI6のアトリー長官(サイモン・マクバーニー)に接触します。シンジケートのデータを渡して、これで彼女の潜入捜査は終わり、のはずでしたが、意外な命令が待ち受けていました。同じころ、ブラント、スティッケルとも合流したハントは、次の手を画策します。ベンジーの手元には、データのコピーが残されていましたが、意外なことに、そのデータにはなぜか英国首相(トム・ホランダー)しか見ることができないロックが掛けられていました…。

 というわけで、冒頭で、離陸する飛行機のドアにしがみついて飛ぶという危険極まりないシーンは、例によってトム・クルーズ本人が体当たりのアクションに挑んでいます。もう命がけの撮影だったようです。もちろん今の技術ではCGでこのぐらい撮れるのですが、間違いなく本人がしがみついたまま、飛行機が飛んでいるのが分かるのは衝撃的です。
 ほかにも、水中に6分間も素潜りしたり、猛スピードでモロッコの町中を車やバイクでカーチェイスしたり…そのほとんどのシーンを、トム・クルーズ自身がこなしているそうで、それはやはりスタントマンがやっているのとは緊迫感、迫力が違います。これに負けじと、派手なジャンプや水中スタントなど、こちらもほとんど自分自身でアクションをこなしているスウェーデン出身のレベッカ・ファーガソンもすごいですね。国際的にはまだ無名に近い彼女ですが、今回の大抜擢で一躍、活躍の幅を広げそうな女優さんです。今作は、一体、本当のところ敵なのか味方なのか、誰の指示で何をしたいのかさっぱり分からないイルサがなんといっても中心人物。イーサン・ハントは彼女に振り回されながら、徐々に魅了されていってしまう…そんなお話ですから、彼女が魅力的でないと話が持ちません。その重責を見事に果たしていると感じました。ぜひ次回作以後、この人もレギュラーで出てほしいものですが、どうでしょうか。
 次から次へと目まぐるしく展開する激しいアクション、裏切りに次ぐ裏切りで、先が読めない展開、それに適度に織り交ぜられたユーモアとコミカルな要素、と極上のスパイ映画になっています。特に、最近のちょっとシリアス路線に行き過ぎている007映画から失われているユーモアとか余裕、というものがここにはあって、私は大いに満足しました。


2015年8月07日(金)
 人気シリーズの第4作「ジュラシック・ワールド」を見ました。あの衝撃的な映像革命を植え付けられた「ジュラシック・パーク」の公開が1993年。もう22年もたっているんですね。あの映画から、CGでどんな映像でも作れるんだ、ということが意識されるようになり、じゃあ今まで映像化不能とされていたものもやってみよう、ということで「ロード・オブ・ザ・リング」につながり、21世紀に入ってからは、もはやいかなる映像でも(予算さえあれば)やってやれないことはない、というのが常識になりました。
 それはやはり、滅んでしまった恐竜の視覚化、というのが非常にインパクトがあったからですね。本作は「4作目がある」と言われ始めてからでも10年以上がたっており、いろいろな経緯があって今、復活したわけですが、映像テクノロジーや古生物学上、恐竜研究の進展もあって、無駄なインターバルではなかったと感じさせる続編となりました。
 マイケル・クライトン原作のシリーズは、結局、恐竜たちの暴走が止められず、ジュラシック・パークの創業者であるインジェン社のジョン・ハモンド(今は亡きジョン・アッテンボロー)が夢見たジュラシック・パークは実現できないままでした。そして、あの悲劇的な事件から22年後の現在が舞台。インジェン社の経営権はハモンドの知己でもあるインドの富豪サイモン・マスラニ(イルファン・カーン)に移っています。かつてのジュラシック・パーク計画地であるコスタリカ沖のイスラ・ヌブラル島に、新たに「ジュラシック・ワールド」が建設され、毎日2万人以上の来客があるテーマパークとして成功している、というお話になっております。
 しかし、恐竜が復活した、というだけで話題になった頃とは異なり、今では恐竜の実在は当たり前に。だから観客はいつでも新しい話題を求めます。そこで、1作目から登場している遺伝子学者のウー博士(B・D・ウォン)は、遺伝子組み換えをして作り出した新種の恐竜を開発するようになっています。さてそれで、どんなお話しかと言えば・・・。
 
 離婚を考えているスコット(アンディ・バックリー)とカレン(ジュディ・グリア)のミッチェル夫妻は、その事実を知らせないまま、息子のザック(ニック・ロビンソン)とグレイ(タイ・シンプキンス)の2人を話題のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」に行かせます。ジュラシック・ワールドを切り盛りしている運営責任者はカレンの姉、クレア(ブライス・ダラス=ハワード)で、その手に委ねておけば安心だろう、というわけでした。
 しかし、パークの経営に頭がいっぱいのクレアは、2人の甥の面倒を見る余裕がなく、助手に任せてしまいます。2人の少年は助手の目を盗んで勝手に広大な施設のあちこちをめぐり、当初は乗り気でなかった兄のザックも、巨大なモササウルスの姿を見て興奮します。
 その頃、クレアの元を、好奇心いっぱいで目立ちたがり屋のマスラニ社長が訪れます。クレアとウー博士は、マスラニに開発したばかりの新種で、ティラノサウルスをベースに作りだした最強最大の肉食恐竜「インドミナス・レックス」を披露しますが、マスラニはあまりにも強力過ぎる新種に危惧を覚え、海軍からスカウトした危機管理の専門家オーウェン(クリス・プラット)の意見を聞くように命じます。しかし、クレアはそれを聞いて表情を曇らせます、というのも、クレアとオーウェンはかつて恋愛関係にあって、うまくいかなかった元カップルだったのです。
 オーウェンは、子供のころから手なずけてきた4匹のヴェロキラプトルを、チームとして統制できるまでに成功していました。それを見たインジェン社の警備責任者で元軍人のホスキンス(ヴンセント・ドノフリオ)は、恐竜を兵器として軍に売り込もうと画策し始めます。
 そんなオーウェンの元を訪れたクレアは、インドミナス・レックスの管理について協力するようにオーウェンに求め、2人の元恋人はぎくしゃくしながら、レックスの施設にやってきます。しかしここで、手違いからインドミナス・レックスは暴走を始め、結局、檻を破って逃げ出してしまいます。2万人の観客を守ることができるのか、騒然とする中、クレアは2人の甥のことが気になり、助手に連絡しますが、少年たちはすでに行方不明になっていました。
 動揺したクレアはオーウェンの助けを得て、2人の甥を救出するべく森の中に踏み込んでいきます。このどさくさに紛れて、ホスキンスは怪しい動きを見せ始め、恐竜の軍事利用のために必要なデータを取るべく勝手な行動をとり始めます。マスラニは自らヘリコプターを操縦し、レックスを射殺しようとしますが・・・。

 ということで、もちろん純然たるエンターテイメントですから、何か難しく考える必要はないわけですが、これは恐竜というものを扱った一種のパニック映画であり、パニック映画では、人間模様がある程度、的確に描かれていないと盛り上がりません。本作では、ざっと見ただけでも壊れかかっている夫婦と親子、仲の悪い兄弟、疎遠な姉と妹、ダメになってしまった元恋人、経営感覚に走る新しいスタッフと、ジュラシック・パーク時代からのスタッフの確執、怪しい軍産複合体の暗躍・・・などと、巧妙に描き込まれていて、十分に感動を呼びます。そして、一連の騒動を経て、家族や恋人たちが絆を取り戻していく、というのはこういう作品の王道パターンであるわけですが、本作は非常に明快かつ上手に描いていて、よくよく考え抜かれた脚本だと思います。ドラマ的にもなかなか感動を呼ぶシーンが多いんですよ。そして、1作目へのリスペクトを大いに感じさせるシーンが随所にあり、その意味でもよく出来た作品です。
 ということなので、安心して見ていられるファミリー映画・・・なのかというとそうも言いきれない部分もあって、何しろかなりたくさんの人命が失われるのです。戦争映画並みに人が死にます。恐竜もたくさん、命を落とします。本シリーズ恒例の、恐竜に襲撃されるスリル満点の恐怖シーンもしっかりあります。要するに、かなり残酷な描写も多い映画です。
 恐竜や翼竜、そして今作の目玉の一つであるモササウルスの描写は見事の一言。それは20年以上の歳月を感じさせるもので、本当にこのような生物がいるとしか思えない映像です。今では当たり前、といってしまえばそれまでながら、本当にすごいですね。
 そして、このシリーズの真のスターであるティラノサウルス・レックスは終盤になって満を持して登場します! その雄姿をぜひ大画面でご覧いただきたい作品ですね。

 
 

2015年7月25日(土)
 ミヤケイッセイの2015秋冬、テーマはずばりパープル、紫だそうです。先日、店頭で見かけて一目ぼれしまして、即日買いしました…で、出来てきました! どうでしょう、素晴らしい色ですね。どうしてサングラス? それは気分というものです。

2015年7月23日(木)
 千葉市の幕張メッセ(JR京葉線・海浜幕張駅)で「メガ恐竜展2015 巨大化の謎にせまる」が始まりました。今回は、巨大生物の象徴である竜脚類の恐竜だけでなく、哺乳類や海生動物、古生代の昆虫や魚類なども含め、「生物の巨大化」をテーマにしておりまして、いろいろな種類の動物の化石や復元模型が展示されております。巨大化の逆に、島嶼縮小化といって、離れ小島の生態系でものすごく小さくなってしまう進化の例なども示され、大人なのに子馬ぐらいのゾウとか、犬ぐらいのシカの骨格標本を見て「かわいい! これなら家で飼いたいね」などと仰るお客さんもいました。酸素濃度の変化や、哺乳類独特の身体構造の問題などで、「なぜ哺乳類は恐竜ほど巨大化できないのか」といった謎にも迫る意欲的な展覧会でした。
 本展は、8月30日まで会期中無休、午前9時半〜午後5時(入場は午後4時半まで)の時程で開催されています。
 

2015年7月19日(日)
 今年も7月18、19日に東京国際フォーラムにて、「第23回日本テディベアwith Friendsコンベンション」が開催されまして、それはもう大変な賑わいでした。ベア作家の岡部紀代美様のご招待をいただきまして、夫婦2人で伺いました。ここに出展することそのものが大変なこのコンベンション、すごい熱気でしたね。

2015年7月17日(金)
1984年のロサンゼルス。突然、深夜の公園に全裸で出現したターミネーターT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、望遠鏡をのぞいていた街のチンピラ3人組に「服をよこせ」と要求します。1作目の「ターミネーター」でおなじみのシーンです。しかしそこに待ち受けていたのは、なんと年老いたもう一体のT-800(シュワルツェネッガーの2役)でした。こうして新旧のT-800が激しく戦う光景に、見る者はあっけにとられることになります…。

というわけで、まもなく68歳になろうというシュワちゃんが12年ぶりに殺人アンドロイド、ターミネーターとして帰ってきた「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」Terminator Genisysを見ました。ここで注意したいのが、タイトルは「ジェニシスGenisys」であって、「ジェネシスGenesis」ではない点ですね。ジェネシスはフィル・コリンズやピーター・ガブリエルが結成していたバンド名が思い浮かびますが、旧約聖書の「創世記」を意味します。
が、本作の「ジェニシス」というのは、そのジェネシスという言葉と、システムsystemのシスを組み合わせた造語で、新時代の創世記を語るに足る革命的なコンピューター・システムの名称として登場します。今やクラウド・コンピューティングが常識となって、コンピューター・システムもネットの中でどこが中心というのでもなく働くイメージが常識化しています。よって、最近のSF作品でもそういう描き方が多く、ターミネーター・シリーズでも「ターミネーター3」で、人類の敵の中枢である軍事人工知能「スカイネット」というものが、特定の拠点に存在するメイン・コンピューターではなく、ネット上に偏在する破壊不能なシステムであるように描かれておりました。やはり、インターネットどころかパソコンも普及していなかった(日本でいえば、ようやく初歩的なワープロが出回り始めた)1984年の第1作当時の設定のままでは、いろいろ不都合が出てきている模様。そういう部分も含め、基本的にその1作目「ターミネーター」と、2作目「ターミネーター2」を下敷きにしてリブート(再起動)するための作品、というのが今回の位置づけであるようです。
監督はテレビ・シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で有名になり、「マイティー・ソー/ダーク・ワールド」でメガホンをとったアラン・テイラー。ターミネーター1と2の監督ジェームズ・キャメロンは、これこそ自分にとって納得のいく「3作目」だといって本作を激賞したそうです。
本作は、1作目で描かれた歴史改変、つまりスカイネットにより、タイムマシンでターミネーターが1984年に送り込まれるところは全く同じです。しかし、すでにタイムマシンを使った大きな歴史の変更がそれ以前から行われ、随分と変わってしまった別の時間軸の歴史が描かれます。この、「変わってしまった歴史」を描く手法は、J・J・エイブラムズ監督が「スター・トレック」シリーズのリブートで使うなど、SFものではよく見られるものですが、古くからのファンには受け入れられない、という要素は避けがたい部分もあります。本作でも、今までのシリーズは踏まえつつも、要するに「2」から後はなかったことになってしまっている。そのへんで従来のファンからは結構、否定的な見方も多い「問題作」となったようで、今までのシリーズに愛着のある人ほど、厳しい批評も多いようですが、まあそのへんは致し方ない気もします。さてでは、どんなお話かというと…。

1997年にサイバーダイン社が開発した人工知能スカイネットが引き起こした核戦争「審判の日」から30年余りたった2029年、ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)率いる人類とスカイネットの戦いは、人類側の勝利に終わろうとしていました。スカイネットはジョンを産む前の母親サラ・コナー(エミリア・クラーク)を殺害することで、ジョンの存在自体を抹消すべく、タイムマシンでターミネーター101モデル T-800を1984年に送り込みます。ジョンもそれを阻止すべく、任務に志願したカイル・リース軍曹(ジェイ・コートニー)を過去に送ります。ここまではおなじみの展開なわけですが、しかしこのタイムトラベルの直前、カイルはジョンが背後から何者かに襲われるのを目撃。さらに時間旅行中には「スカイネットはジェニシス」「審判の日は2017年」といった意味不明のメッセージがある光景を見ることになります。
さて、1984年に到達したカイルを待っていたのは、なんとも意想外なことに流体金属型のターミネーターT-1000(イ・ビョンホン)による襲撃でした。ここでカイルを助けたのは、これまた想像もつかないことに、本来はウェートレスのアルバイトをしている無力な女子大生のはずなのに、なぜか屈強な女戦士となっており、事態のすべてを初めから把握しているサラ・コナーと、彼女を守護する「おじさん」こと中年のT-800型ターミネーターでした。
サラは幼少時にT-1000の襲撃を受けて両親を失った後、「おじさん」から教育を受けて育ったというのです。スカイネットが送った「あのT-800」も、サラと「おじさん」が倒していました。カイルは、歴史が大きく変わってしまったことに気付き、とまどいます。
なんとかT-1000を倒したサラとカイルたちは、この時代に準備していたタイムマシンにT-800の人工頭脳から取り出したチップをつなぎ、「審判の日」の核戦争が起こるとされている1997年にタイムトラベルして、スカイネットを破壊しようとします。しかしカイルは、転送中に見た謎の光景を思い出します。歴史が変わったことで、審判の日も本来の予定から2017年にずれたのではないか、というのです。「おじさん」は「別の時間軸の記憶」であることを示唆します。かくて、T-1000との戦闘で右腕の生体組織を損傷してタイムマシンによる転送ができなくなった「おじさん」を1984年に残し、サラとカイルは2017年に向かいました。「おじさん」は今の時間軸に30年以上とどまって、2人に合流することを約束します。
2017年に出現したサラとカイルは、「ジェニシス」がサイバーダイン社のダイソン父子が開発している新しいコンピューター・システムで、かつてのスカイネットに当たり、しかもより高性能な敵であること、そして、その起動が引き起こす「審判の日」が間近に迫っていることを知ります。
そんな中、逮捕され拘束されたサラとカイルの前に突如、現れたのは、なんと2人の息子であり、2029年から2人を助けに来たというジョン・コナーその人でした…。

というようなことで、とにかく本作を見る前には、少なくともシリーズ第1作「ターミネーター」の冒頭部分を復習として見ておくといいですよ。というのも、本当によく再現しているのです、1984年の映像を。
T-800が登場するシーンは、まず黄色い重機に乗っている黒人のおじさんが機械の不調に気付き、「あれ、おかしいな」と言っていると、青い光球が出現し、裸のシュワちゃんが片膝をついている。そのままシュワは夜のロスが一望できる公園の高みに行く。そして、望遠鏡で遊んでいたチンピラ3人組に声をかけて「服をよこせ」と言うと、相手はナイフをちらつかせる。ここで、旧作では2人を惨殺し、もう一人から黒い革ジャンをはぎとるわけですが、本作では突然、「おじさん」ターミネーターに攻撃されるわけです。
カイルが1984年に来るシーンも、野良犬と浮浪者が横たわっている路地に、横ざまになって全裸のカイルが降ってくるように現れ、周囲の紙屑が吹き飛ぶ。そして浮浪者のおじさんが「えらく光っていたなあ」と声をかける。そこに制服警官がやって来て、浮浪者のおじさんが「ズボンを盗まれた」と叫ぶ。カイルが奪った拳銃を向けて「今日は何日だ?」と叫ぶ。ここまで、本当に全く再現映像のように同じシーンです。ところが、その警官というのは1作目とは異なってアジア系の風貌で、腕が刃物のように伸び、T-1000型ターミネーターである正体を現すのです。以後、ショッピングモールに逃げ込んだカイルはコートやスニーカー(この映画では、1984年当時、生産されていたこのスニーカーをわざわざナイキ社に作ってもらったそうです)を手に入れ、更衣室で服を着る、というあたりまで徹底的に1作目に似せています。だからこそ、その後のサラ・コナーの出現の意外性が際立つわけです。
私は旧作シリーズも大好きですが、これはもはや時間軸が異なるパラレルワールドを描くことが主眼の作品ですので、旧作を徹底再現している点を見ても、キャメロン版への深いリスペクトを感じられ、とても面白く見られました。そして、親子の物語としてよく描けている作品だとも思いました。かつてターミネーター2がそのような評価を受けましたが、今作はサラの父親代わりとなっている「おじさん」が、出現したカイルに対して、それは歴史としてはサラと愛し合ってジョンの父親になる、というのが規定の話なのですが、どうしても頼りなく見え、「うちの娘はお前にはやれん」的な態度を見せてしまう、カイルも「おじさん」に嫉妬しているような描写が面白い。また、サラとカイルの前に現れるジョンの親子3人の物語でもあります。理由あってここは悲劇的な結論になっていくのですが、3人の心情を慮ると、ファミリーの物語として心を打つシーンがあります。
ジョン・コナーに扮するジェイソン・クラークは「華麗なるギャツビー」では妻を寝取られる職工の役、「猿の惑星:新世紀」では、ただ一人、サルたちに対して理解ある人物の役をやっていました。毎回、全く異なる役柄をこなす芸達者ぶりは見物です。カイル役のジェイ・コートニーは「ダイバージェント」では、主人公たちをいじめる悪役だったと思いますが、今回は本当に1作目のサラのように右往左往する姿がどこかペーソスすら漂っており、好演していますよ。エミリア・クラークは、ターミネーター2のときの、戦士となったリンダ・ハミルトンの演技をむしろ意識した役作りをしたそうですが、まあ顔立ちとして似ているわけではないのですが、表情なんかはリンダを思わせる部分もあり、サラ・コナーという映画史上の有名人を引き継ぐ重みは大変だったと思うのですが、頑張っています。
1984年にサラと「おじさん」に救われた警察官で、2017年にオブライエン刑事として登場するのがJ・K・シモンズ。「セッション」で狂信的なジャズ教師役でアカデミー助演男優賞を獲得したばかりの人ですが、ここでは84年の強烈な体験のために、出世路線から落ちこぼれた刑事、という役どころです。これも従来のイメージと異なる演技が注目です。
本作で描かれる2017年(つまり2年後)の人々は、年がら年中、スマホやタブレットを手にしており、すでにコンピューターに支配されている状態。警備員が手元の端末から目を離さないまま応対したため、シュワちゃんが背後からぶちのめす、というシーンがありますが、別にジェニシスが起動しなくとも、すでに15年現在の我々の生活はそうなっておりますね。もし、実際にこのような、SNSとか検索エンジンとかウィキとか、あらゆるシステムを統合したアプリを作れば、そしてそこに何か悪意が入り込めば、本当にいともたやすくジェニシスのような世界を支配するシステムを作れる条件はすでにあると思います。本作では、今から見ると牧歌的だった1984年(私は当時、高校3年生でした)を振り返る要素もあって、あれから30年、われわれはそんなSFのような時代に生きているんだな、とも改めて感じました。


2015年7月10日(金)
 「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」AVENGERS AGE OF ULTRONを見ました。2012年に大ヒットを飛ばした「アベンジャーズ」の続編、ということですが、本当にアベンジャーズと本作しか見ていない人には、途中がよく分からなくなっております。この間に何作か、マーベル関連シリーズ作品が出ているのですが、特に昨年の「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」という映画を見ていないと、つながらない感じですので、もしこの映画を見ていなくてアベンジャーズの新作を見る、という方は、事前にこちらも見ておかれるか、少なくともあらすじは知っておかれるといいかもしれません。
 
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 「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のストーリー展開で、国際平和維持組織SHIELDはあえなく解体してしまいました。アベンジャーズ・チームの生みの親であるニック・フューリー長官(サミュエル・L・ジャクソン)は身を隠し、副官だったマリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)は、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)の会社に雇われています。
 他のヒーローたちも、身を寄せる場がなくなって、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャーズ(クリス・エヴァンス)やハルクことブルース・バナー(マーク・ラファロ)、ブラックウィドウことナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)たちもスタークの会社を拠点にし、今では国際組織や国家といった公的な後ろ盾のない民間ボランティアとしてアベンジャーズ・チームが活動を続けているという状態です。 
 さて、1作目「アベンジャーズ」で、ソー(クリス・ヘムズワース)の弟、ロキ(トム・ヒドルストン)が使っていた「ロキの槍」ことセプター。これは強大な力を持つもので、SHIELDの解体のどさくさに紛れ、ヒドラ党の首領ストラッカー男爵(トーマス・クレッチマン)が手に入れ、欧州の山奥の小国ソコヴィアの秘密基地で研究開発していました。その結果、他人の心を操る能力を獲得したスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)と、異常な敏捷性と運動能力を手に入れたクイックシルバー(アーロン・テイラー=ジョンソン)のマキシモフ姉弟が登場することになります。この秘密基地を奇襲したアベンジャーズ・チームはセプターを奪い返しました。しかし、この場から逃げ去るためにスカーレット・ウィッチが発揮した特殊能力で、ヒーローたちは自分の中にある疑念や不安と向き合い、心の闇を抱えることになります。特にスタークが抱いた悪夢は深刻で、今のままアベンジャーズが活動を継続しても世界を守ることはできず必ず限界が来る、そのためには新たな手段を考えないと…と思い詰めるようになります。
 セプターを奪取したことを記念する祝賀会が開かれることになり、その後、ソーはロキの槍セプターを持ってアスガルドに帰還することになりました。それまでの数日の間、セプターを預かることを許可されたスタークは、ブルースを誘ってセプターの秘密を解析し尽くし、超越的な人工知能ウルトロンの基礎技術を手に入れました。このウルトロンを起動し、スタークがすでに開発していたロボット軍団を指揮させて、鉄壁の体制を築く…それがスタークの夢想でしたが、ことはそううまくいきません。意識を持ったウルトロン(ジェームズ・スペイダー)は、平和維持のために邪魔なのは人類であり、とりわけアベンジャーズであると結論すると、スタークの片腕であるマスター・コンピューターのジャービス(ポール・ベタニー)を襲って自由を得、暴走を始めます。スタークが独断で始めた試みが最悪の結果をもたらしたことで、ヒーローたちは疑心暗鬼におそわれ、皆の団結に亀裂が入ります。
 心がまとまらなくなった一同をなんとかしようと、戦いで負傷したホークアイ(ジェレミー・レナー)は皆を自分の隠れ家に誘います。そこには、密かに彼が持っていた妻や子供がおり、そして思いがけないことに、ニック・フューリーが待ち構えていました。
 さて、アベンジャーズは再び団結を取り戻し、ウルトロンが企む人類滅亡を阻止することができるのでしょうか。

 ということで、あれやこれやの盛りだくさんで、登場人物も多数、訳が分からなくなりそうでならないラインでうまくさばいているな、というギリギリの線の選択が巧みな作品と感じます。今回、なんといっても見どころは、意外なことにナターシャとブルースの恋愛模様。え、実はそういう関係だったの、という密かな職場恋愛的な描き方なのがいいです。それからホークアイの家族が登場する、というのも意外性があって面白いですね。「弓を射つだけが能の自分が、ほかの神のようなヒーローたちと一緒にいるなんて、信じられない」と妻と話し合うシーンがあるのですが、なにかその自虐的なところが話題を呼んでいるようです。実際、アベンジャーズと言っても、真の超人というのは、正真正銘の神族であり宇宙人でもあるソーと、変身した状態のハルクだけで、ほかは単に優秀な普通の人、だったりします。そのへんが微妙に心の擦れ違いを呼ぶ要素でもあり、作品の隠し味になっていますね。
 そこへ今回は、後半になりますと、本当の超人とか、超能力者の姉弟とかが出てきて、話を盛り上げるというか、ややこしくするというか…この中から、今後、さらにアベンジャーズの新メンバーが増えていきそうな感じです。今回、姉妹を演じているオルセンとテイラー=ジョンソンは、昨年の「ゴジラ」では夫婦役で共演していました。今回、また同じ顔ぶれになったのは全くの偶然だとか。こういうことってあるんですね。
 シリーズはまだまだ続くわけですが、よく上手に話をつなげていくものだと感心してしまいます。興味を切らせない、先を知りたくさせる、というのが実にうまいです。
 映像的には、もはやどんなすごい特撮を見ても誰も驚かなくなりましたが、本作ぐらいになると、もう特撮だか何だか分からないレベルになっており、もうなんでも絵にできるんだな、すごい時代になったものだな、と素直にこちらも感心してしまいました。ほんの数年前の1作目と比べても、特にハルクの描き方が見事に自然で、マーク・ラファロの演技がしっかりハルクの表情や動きに反映しているのが分かります。このへんはすごいなー、と思いましたね。

2015年6月26日(金)
 世界的イラストレーターの長岡秀星先生が23日に、78歳で亡くなった、との報に接し、驚き悲しんでおります。妻の玲子も私も、長岡先生には親しく接していただき、御本やイラストポスターまで頂戴しました。これからもやりたい夢、お仕事を熱く語っておられたお姿を忘れられません。謹んでご冥福をお祈りいたします。

2015年6月26日(金)
 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」MAD MAX FURY ROADを見ました。ジョージ・ミラー監督と主演のメル・ギブソンの出世作となった第一作マッドマックスの公開が1979年で、当時、私は中学1年生でした。そして2作目「マッドマックス2」が1981年、さらに伝説のロック・シンガー、ティナ・ターナーをゲストに迎えた3作目「マッドマックス サンダードーム」が1985年。この時点で私は大学1年生でした。ティナが歌ったテーマ曲「ウィ・ドント・ニード・アナザー・ヒーロー」は彼女の代表曲となりましたね。ということで、実にあれから30年を経て登場した4作目が、本作なわけです。
 マッドマックスには4作目の構想がある、あると言われ続けてきてすでに数十年、という気がします。今世紀に入って、ジョージ・ミラーが本気でやろうとしている、と聞いた時は驚いたものでした。その時点では、メル・ギブソンが続投するという話でしたが、その後もさまざまな世界情勢や経済環境なども作用して計画は浮かんでは消え、動いては頓挫し、を繰り返したようです。その後、メル自身も個人的トラブルが続いて降板、ミラー監督は3Dアニメ化して4作目を製作、という噂も流れました。そんな曲折を経て、不屈の精神でついに2012年にはマックス役をトム・ハーディとし、中心人物にシャーリーズ・セロンを据えて撮影に入った、と聞いた時、今度こそ本当なのだろうな、と思ったものです。ところが、さらにそこからの編集で長時間を費やして早3年。本当に出た、という奇跡のシリーズ復活劇になった次第です。
 一時、実写化を危ぶんで3Dアニメ化を狙った、というのは本当だったようで、数日前の読売新聞によれば、「風の谷のナウシカ」や「未来少年コナン」など初期の宮崎アニメにかかわり、その後の宮崎作品のほかにもエヴァンゲリオン、ヤマト新シリーズなどありとあらゆる日本の映像作品で活躍している前田真宏さんが、この新生マッドマックスのキャラクターや舞台の設定に関与したそうです。そういわれれば、今作は何かキャラの雰囲気や世界観、テーマ的な部分で初期の宮崎アニメを思わせるものがあります。実際に、今回のプロモートで来日したミラー監督は「宮崎監督は私にとって神」と発言したそうで、また今回の作品の極端にセリフが少ない作風も、ミラー監督の崇拝する巨匠アルフレッド・ヒチコック監督の名言「映画作りは、日本人が字幕なしの画像だけで理解できるものが理想だ」に則ったのだといいます。実際、宮崎アニメに出てきそうな、ゴーグルをかけたおばあちゃん軍団の活躍とか、旧日本軍を思わせる狂信的な特攻部隊の存在とか、日本人にとってなかなか見どころのある作品になっているのが興味深いです。

 文明の崩壊から45年。核戦争後の荒廃した世界で、かつて警察官として暴走族と戦い、妻子を殺されて以来、いまだに生きる意味を見失って屍のようになって荒野をさまよう一匹オオカミの男マックス・ロカタンスキー(ハーディ)。しかし謎の武装集団に襲撃されて車を奪われたマックスは、イモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)が水や食料を独り占めする独裁帝国に連れて行かれ、ジョーの配下の狂信的な戦闘集団ウォーボーイズの兵士たちのために、輸血用の血液を採取するための奴隷となってしまいます。
 さて、ジョーの砦からは新たに、女性指揮官フュリオサ大隊長(セロン)が搭乗するモンスターマシン「ウォータンク」を中心にした一隊が、石油の掠奪に出発するところでした。しかしフュリオサは途中で予定の進路をそれて異民族が支配する土地に侵入。彼女は、密かにジョーの大事な5人の妾であるスプレンディド(ロージー・ハンティントン=ホワイトリー)、トースト(ゾーイ・クラヴィッツ)、ケイパブル(ライリー・キーオ)らを連れ出し、伝説の楽園である東方の「緑の谷」に逃走するつもりでした。
 ウォーボーイズの戦士であるニュークス(ニコラス・ホルト)は、先天性の血液の病気で余命いくばくもない体調ながら、フュリオサを追撃する戦いで名誉の戦死を遂げることこそ本懐と信じて強引に出撃。マックスはニュークスに輸血するための「輸血袋」として同行を強いられます。
 激しい戦いを経て、フュリオサと5人の「子産み女」は砂嵐の中で追撃を振り切り、ニュークスと鎖でつながれたままのマックスも生き延びます。得体のしれない流れ者マックスと、本来は敵であるニュークスを加えて、フュリオサの一行はジョーの追撃を逃れながら緑の谷を目指すことになります。初めは敵対している一同も、生き延びるためには共闘するしかない、と思い定め、徐々に不思議な共生関係を築いていきます。彼らはジョーの追撃をかわし、緑の谷にたどり着くことができるのでしょうか。いや、そもそも緑の谷など実在するのでしょうか・・・。

 というような展開で、セリフは極力少なく、無駄のない緻密な描写でまさに「映像だけ見ていても分かる」作品ですが、シリーズの売り物であるバイオレンス描写は、これでもか、という感じでもなく意外にも正統派な演出と感じます。今作でなんといっても事実上の主人公はシャーリーズ・セロン演じるフュリオサ大隊長で、まさに戦うヒロイン。男前ぶりに「カッコいいなー」と惚れ惚れします。こういう役を軽々とこなせる女優さんはなかなかいませんね。本当にこういう人物に見えるようなカリスマ性がないと、無理に強がっているだけの嫌味なオンナ、という風になりかねませんが、セロンがやると堂々たる説得力が加わります。ミラー監督も今回、彼女以外の配役は考えられなかったそうです。一昔前ならシガニー・ウィーバーあたりがやった役柄でしょうか。
 トム・ハーディのマックスは、「あのマッドマックス」に見えるのか、と言われればメル・ギブソンのようなアクの強さはないのですが、どちらかといえばシリーズの連続性を保証するための狂言回し、のような存在にも見えますので、これでいいのかも。今後、「新3部作」の構想もあるそうですので、流れ者の一匹オオカミであるマックスが、またどこかに行って、新しい展開が続くのでしょう。
 今作で悪の首領ジョーを演じるヒュー・キース=バーンは、実は1作目で暴走族の首領トーカッターを演じていた人。36年ぶりのシリーズ再演ですが、役柄的には全くの別人物ですので「他人の空似」というわけ。ジョーの妾を演じる中の一人、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーは有名なスーパーモデルで、「トランスフォーマー」の3作目でヒロインだった人。やっぱり綺麗な人ですね。ゾーイ・クラヴィッツはウィル・スミスの「アフター・アース」や、「X-MEN」新シリーズ、「ダイバージェント」シリーズなどで活躍する売れっ子の一人で、ロック・スター、レニー・クラヴィッツのお嬢さん。ライリー・キーオは「マジック・マイク」などに出ていた人で、あのエルヴィス・プレスリーのお孫さんです。
 実は見終わって、奇天烈なキャラクターや映像のオンパレードであるにもかかわらず、かなり正統派の印象を受けました。さすがに製作準備に15年以上を掛けただけあり、練りに練った構成が旧3部作にあった粗削りな感じの弱点を払拭しているようです。まあ、旧作の訳のわからない感じがまた、マッドマックスらしくて魅力的だった部分もありますが。とにかく、新生マッドマックスとしてリブートし、さらなる展開を見せてほしいと思いました。


2015年6月25日(木)
 実は私の身内が先月から、千葉県柏市・柏の葉キャンパスの国立がんセンター東病院にお世話になっておりましたが、このほど、めでたく退院となりました。
 この病院の9階には「クロスワン」という食堂がありますが、病院の食堂にしてはかなり豪快なボリュームメニューが出ます。まあ、どちらかといえば、ハードな肉体労働が続く職員さんたちのためのメニューなんでしょう。外科の先生方など、8時間もかかるような大手術を毎日のように、こなしておられますから。しかし、一般の人も、誰でもここに来れば食べられます。
 それで、ここの人気メニュー「チキン南蛮定食」を食べてみました。うまいです! 病院向けといった薄味でもなく、しっかりこってり、です。そして確かに相当なボリュームです。大きなから揚げがゴロゴロと出てきます。女性だと食いあぐねるかもしれません。お値段は、一般のゲストは700円…まあ、都会の定食屋さんよりは安めですが、普通のお値段といえるでしょう。職員さんなど向けの料金体系は不明です。
 面白いのは、販売機で食券を買うと、ただちに厨房にデータが送られるらしく、自動的にオーダーした料理の調理が始まるシステム。券をみせてオーダーする必要はなく、用意が出来たら食券に書いてある番号がコールされる仕組みになっています。これは合理的だな、と思いました。

2015年6月23日(火)
 本日23日深夜(24日早朝)、テレビ朝日さんの「お願い!ランキング」(午前0時50分〜)の「そんなにカリカリしないでよー」というコーナーで、私、辻元よしふみが情報・資料提供したファッション分野の内容が放送される予定です。顔出し出演するわけではありませんが、内容にかかわっております。よろしければご高覧くださいませ。


2015年6月19日(金)
 テレビ朝日さんの深夜番組に「お願い!ランキング」というものがあります。月曜から木曜までの深夜24時(午前0時)50分から25時(午前1時)20分、にオンエアされます。毎週火曜日は「そんなにカリカリしないでよー」というコーナーですが、来週の火曜日、23日のこの枠に、私、辻元よしふみが情報・資料提供しております。顔出し出演するわけではありませんが、内容に一応、かかわっております。
 まだ正式に内容発表しておりませんが、ファッション関係のネタ、というわけです。はっきりしましたら、またご報告します。

2015年6月13日(土)
 映画「トゥモローランド」TOMORROWLANDを見ました。ディズニーランド内のゾーン名と同じこの名前で分かるように、思い切りディズニー作品です…が、同名の有名なセレクトショップもありますけれど、こちらは今回、無関係のようです。
 今作では、現在13歳のラフィー・キャシディという人が大注目されています。準主役という扱いですが、はっきり言いまして、この作品、最初から最後までこの人のためにあるような映画。年齢から言うとまだ子役ですが、実は彼女の役はある事情から年齢不詳という役どころで、だから必要以上に大人びた言動も要求される難しい演技をしています。なんとジョージ・クルーニーと、この13歳の彼女のラブ・ロマンスでもあるのですね、本作は。従って、クルーニーも彼女の引き立て役という感じです。表情がくるくる変わり、激しいアクションシーンもこなす彼女、ちょうどクロエ・グレース・モレッツが「キック・アス」での壮絶な戦闘シーンで一躍、有名になったときのことを想起させます。本作で一気に大出世してきそうな予感がします。
 今までも、ジョニー・デップ主演「ダーク・シャドウ」で、エヴァ・グリーン扮する魔女の幼年時代を演じ、シャーリーズ・セロンをメインに据えた「スノー・ホワイト」では、クリステン・スチュワート扮する白雪姫の子供時代を演じていました。子役としてのキャリアは十分ですが、本作で演技派としての実力を見せつけた感じがします。きっとどこの監督さんも、ほっとかないでしょうね。
 1964年、ニューヨーク万博の発明コンテストに参加したフランク・ウォーカー少年(トーマス・ロビンソン)は、ニックス審査員(ヒュー・ローリー)に未完成のジェットパックを見せますが、評価されず追い返されます。しかし、その場にいた美少女アテナ(キャシディ)は「気に入ったわ」と言って、フランクに「T」の文字が付いたピンバッジを手渡します。アテナの指示に従って、ウォルト・ディズニーが万博に出展していた「イッツ・ア・スモールワールド」のゴンドラに飛び乗ったフランクは、いつの間にか見知らぬ夢の世界「トゥモローランド」に導かれてしまいましたが…。
 それから半世紀を経た現代。17歳の女子高生ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)は宇宙飛行士になるのが夢の前向きな少女です。NASAの技師だった父親(ティム・マッグロウ)はスペースシャトル計画の打ち切りを受けて失職寸前で、シャトル発射台の解体作業が終わると完全に首になってしまいます。そこでケイシーは、毎夜のように発射台解体現場に潜入し、工事の妨害をしています。父にしても、学校の先生たちにしても、世の中全般のことについて何かと悲観的で、何とか打開しようという気概がないことに、ケイシーは納得できない気持ちで不満を抱いています。そこに現れたアテナは、ケイシーにも密かにあの「T」文字のピンバッジを渡します。バッジに仕込まれた特殊な力で、トゥモローランドの素晴らしい世界を垣間見たケイシーは、バッジの秘密を探ろうと、ネットで調べたヒューストンにある古物コレクターズ・ショップに赴きます。
 ところがピンバッジを見た店主夫婦は態度を豹変させ、光線銃でケイシーの命を奪おうとしてきます。この危機を救ったのはアテナでした。アテナは、追手が迫っていると告げ、嫌がるケイシーをなだめすかして、トゥモローランドに行く方法を知っている唯一の男、フランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)に引き合わせますが、フランクはかつての純朴で夢見がちな少年から、すっかり悲観的で嫌味な初老の男になっていました…。
 未来世界からやって来て、超人的な活躍をするアテナと、それを見て脅え、逃げ出そうとするケイシーのやり取りは、往年のターミネーターのパロディーのようで、実に面白いです。それ以後、クルーニーが登場してからのシーンは次から次へとギミック満載で、本当に極上のエンターテイメント作品に仕上がっています。
 あえていえば、ケイシーが事件に巻き込まれるまでの展開がちょっと冗長かも。また、これはちょっと気の毒な感じですが、ヒロインのケイシー役であるブリット・ロバートソン、あまりにアテナ役のキャシディが目立っているので、完全に食われています。熱演しているのですが、名子役には勝てない感じですね。それに、25歳の彼女、17歳の女子高生というにはちょっと落ち着きすぎているかもしれません。
エンディングは、基本的にはハッピーエンドながら、ディズニー作品にしてはかなり物悲しい面があり、孤独な陰のある男、という役柄はジョージ・クルーニーにぴったりのようです。若いころはセクシー俳優視されてきた彼ですが、実は哀愁のある初老の男、が似合う役者になりましたね。そういう役をやると、いつも評価が高い人です。
 映画では、フランクが発明した装置が登場します。それは本来、未来を予知する機械でしたが、逆に、人々の潜在意識を未来に投影させて実現させてしまう機械になってしまう、という展開になります。よって、悲観的な人が多ければ人類の滅亡が早まり、前向きな人が多いほど未来の危機は回避され、明るい世界が開ける…そういうお話がキモになっております。これしかし、実際に物事はそういう面があるような気がいたします。いい話も悪い話も、無意識に自分が引き寄せている感じ、を持つことは誰にもあるのではないでしょうか? 娯楽作品ですが、何か深いところを衝いているテーマに思われて、考えさせられるものがありました。


2015年6月12日(金)
 この6月7日に、名優サー・クリストファー・リーさんが93歳で亡くなったそうですね。私は本当にこの方のファンでしたので悲しいです。「戦艦シュペー号の最期」のチョイ役あたりでデビューし、ドラキュラ伯爵役で一世を風靡。いとこのイアン・フレミング原作である007シリーズでは「黄金銃を持つ男」で鮮烈な印象を残しました。しかしこの方は、キャリアの後期になるほど、さらにどんどん仕事の幅を広げ、「スター・ウォーズ」シリーズでは中盤の盛り上げ役だったドゥークー伯爵を好演、さらに「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビット」6部作で魔法使いサルマン役を演じて、さらに代表作を増やします。まさに生涯現役、すごい方でした。ご冥福をお祈りいたします。
  ◆  ◆  ◆
 さて、それで私、このほど「メイズ・ランナー」THE MAZE RUNNERという作品を見ました。「迷路を走る人」という意味合いですが、これは何なのでしょう? 登場人物は、巨大な迷路に囲まれた監獄のような場所に閉じ込められてスタートします。その間の経緯は一切不明、自分が何者でどうしてここにいて、何をしなければならないのかわからない、という状況から始まる作品ですが、まさに人生とはそうやって、突然、迷路に放り込まれて手さぐりする実験みたいなもの。そういう意味では人生の暗示とか縮図そのものとも読めます。そのテーマそのものが、近年アメリカではやりのジュブナイル小説の一派、ヤングアダルト(YA)の典型例といえそうですね。このところのハリウッド作品には、「トワイライト」「ハンガー・ゲーム」「ダイバージェント」といったYA文学の映画化が多いですが、日本の「ライトノベル(ラノベ)」とテーマ的な部分や作風において似たような位置にあるのだけど、まあ全体にディストピア(ユートピア=理想郷の逆、暗黒世界)色が強いのがYA文学の特徴。このメイズ・ランナーはそういう意味で代表選手的な一作のようです。
  ◆  ◆  ◆
 主人公(ディラン・オブライエン)は突然、自分が猛スピードで上昇するリフトに載せられていることに気付きます。なぜここにいて、どこに行くのか、そもそも自分が何者なのか、名前さえ思い出せません。混乱する中、地上に付くと、見知らぬ少年たちが待ち構えています。少年たちのリーダーであるアルビー(アムル・アミーン)と、副リーダーのニュート(トーマス・ブロディ=サングスター)、それに世話係となった面倒見のいいチャック(ブレイク・クーパー)から、この地は巨大な迷路に囲まれた謎の世界で、月に一度、少年が一人だけ、リフトで送り込まれてくること、この地がどういう意味を持ち、自分たちがここに送り込まれた理由はだれにも分からないこと、迷路は定期的に位置を変える仕組みであるうえ、グリーバーという化け物が潜んでおり、容易に脱出できないこと、よってこの地では@役割を果たすことA仲間を傷つけないことB迷路の壁を決して越えようとしないこと…の3箇条のルールを守るよう求められます。しかし、そういう消極的にこじんまりとコミューンを作って待つような姿勢に、主人公は初めから違和感を覚えます。ミンホ(キー・ホン・リー)率いる俊敏さと決断力のある数名の者だけが、ランナーと名乗り、毎日、迷路に潜入して構造を探っています。
 初めから威圧的で主人公を毛嫌いしていた少年ギャリー(ウィル・ポールター)から勝負を挑まれ、頭を強打した瞬間、主人公は自分の名前が「トーマス」であることを思い出します。
 トーマスはある日、迷路でグリーバーに襲われ、毒針を刺されて錯乱したベン(クリス・シェフィールド)に殺されかけます。一度、錯乱した者は治ることはなく、ベンはやむなく迷路に「追放」され、見殺しにされますが、アルビーはミンホと共に迷路に入り、グリーバーの動きを探りに行きますが、アルビー自身もグリーバーの毒牙にかかってしまいます。ルールを無視して迷路に入ったトーマスは、それまで誰も姿さえまともに見たことがなかったグリーバーと格闘したうえ、ついに倒してしまいます。
 新入りの分際で、グリーバーを倒し、アルビーを救い出したトーマスが英雄視されることを我慢ならないギャリーは、トーマスを異端者として排除しようとし、一方、ミンホやニュートは、トーマスの好奇心と度胸に惚れ込んで、彼を支持します。こうして仲間たちの間に亀裂が走ります。さらにそこに、衝撃的な展開が待っていました。つい3日前にトーマスが来たばかりであるため、来月まで次の新入りは来ないはずなのに、急にリフトが動き出し、そこには少女(カヤ・スコデラリオ)が乗っていたのです。これまで3年間、全員が少年だったのに、です。しかも、彼女は手に「彼女が最後の一人」と書かれたメモを握っていました。少女は自分の名前がテレサであること、そしてなぜか初めからトーマスの名前を知っていました。トーマスも、自分の夢の中にたびたび出てきた謎の少女がテレサであることに気付きます。
 平穏な日々が終わり、変化の時が訪れことをトーマスたちは悟ります。グリーバーと戦い、迷路を抜け出し、自由を得ようとするトーマスたちと、現状維持を望むギャリーたちの対立が深まる中、これまで決して迷路から出て来ることがなかったグリーバーたちが一斉に攻撃してきます。さて、彼らは絶体絶命の状況から、巨大な迷路を抜けて生き延びることができるのでしょうか…。
 ◆  ◆  ◆
 というような展開で、この後、一応、この作品の謎ときというか、迷路を越えた向こうの世界がどういうことになっていて、この場所がなんで、彼らが何者だったのか、ということが明らかになりますが、本作は3部作の第一部ですので、どうもこの「暫定的な謎解き」がすべて真実だとも思われず、何やら大きな陰謀が背後にあるようで、次回作につながっていくようです。
 ギャリー役の(ポールター)は、見覚えがあるなと思えば、「ナルニア国物語」の3作目でひねくれ者の従弟ユースチスを演じていたあの子役です。大人になり、立派な個性派俳優に成長していましたね。こういう人って貴重です。今後もどんどん活躍しそうです。
 紅一点のテレサ役スコデラリオという人が、後半に登場なんですが、とにかく野性的な魅力があり、綺麗な人です。すでに「パイレーツ・オブ・カリビアン」の新作でヒロインに抜擢されているそうで、これはきっと有名な人になりそうです。
 主人公トーマス役のオブライエンは好演していますが、ちょっと役柄から求められているカリスマ性が不足かも。しかしまあ、徐々に成長していく、というのがこういう物語の基本なので、この人自身も3部作をやれば変わっていきそう。ちなみにこの人、いま上映中の「トゥモローランド」のヒロインであるブリット・ロバートソンと交際中、とのことです。
 けっこうこの映画、辛口な批評が日本では多いようですが、虚心に見てみると、十分に面白い作品だし、今後の展開も大いに楽しみな作りになっています。YAものが好きな人は見ておいて損はない一作だと思いますし、またこういう若手が多数出ている群像ものは、後で「ああ、やっぱりこの人は大物になったな」という見方の楽しみがあります。本作もきっと、10年ぐらいたつと「あの○○が駆け出し時代にあんな役で出ていたのか」というのがありそうです。

2015年6月04日(木)
 遅ればせですが、昨日の3日で、「理科美術協会展(理科美展)2015」は無事に終了いたしました。お忙しい中、たくさんのご来場を賜りまして、まことにありがとうございました。本日4日には出展した絵画もすべて撤収が終了いたしました。
 気が早いですが、次回は2年後、2017年になります・・・。その折はまた宜しくお願い申し上げます。
  辻元玲子 辻元よしふみ

2015年6月04日(木)
 ちょっと旧聞ですが、6月1日付の日刊ゲンダイに「雨の日の主役はコート」と題して、私のコメントが掲載されました。そろそろ本州も梅雨入りですね。

2015年6月01日(月)
 ただいま東京・市ヶ谷で「理科美術展2015」開催中です。本日はたくさんの方にご来場頂きました。厚く御礼申し上げます。
 辻元玲子の絵の前で撮影しました。玲子はコシノジュンコの上下、私・辻元よしふみはタキザワシゲルのリネン・スーツです。
 玲子は「昭5式軍衣の少尉」「陸上自衛隊儀仗隊」「17世紀、三銃士時代の貴族」「17世紀、ポーランド有翼騎兵」「ガーター勲章」「金鵄勲章」それに「オカヤドカリ」など15作品を展示しております。 
 6月3日(水)まで。午前11時〜午後6時に開催。ただし最終日は午後1時まで。
 場所はJR、地下鉄各線の市ヶ谷駅より徒歩1分、山脇美術専門学院の「山脇ギャラリー」〒102−0074 千代田区九段南4−8−21 03−3264−4027、でございます。

2015年5月31日(日)
 本日は市が谷・山脇ギャラリーで開催中の「理科美術展」は会場が休館日ですので、ご注意ください。
 さてそれで、私は今日、あるイベントで麻布台のロシア大使館裏にある「TOKYOアメリカンクラブ」に伺いました。こちらはアメリカ国籍の方を中心に、会員制の社交クラブですので、普段はなかなか、中に入ることが出来ません。何かこう、普通は入れません、といわれるとそれだけで入ってみたくなるものです。
 今日はこのような、ETROのチェックのスーツを着ておりましたが、ここでお会いしたモデルのコイさん(男性情報誌レオンLEONでおなじみの方で、日本語堪能)から「素敵ですね、とてもいい着こなしです。それは、日本向けの服でイタリアのエトロではあまり見かけませんが、とても似合っています」と褒められてしまいました。モデルさんに褒められるなんていうと、本気で勘違いしてしまいますね。
 それにしても、おそらく本国ではあまり見かけないレアモデルで、コイさんの目をひいたのは本当なのでしょうね。
 こういう、非日常的な空間も気晴らしにいいですね。

2015年5月28日(木)
いよいよ28日木曜日から、東京・市ヶ谷で「理科美術展2015」始まりました。辻元玲子は「昭5式軍衣の少尉」「陸上自衛隊儀仗隊」「17世紀、三銃士時代の貴族」「17世紀、ポーランド有翼騎兵」「ガーター勲章」「金鵄勲章」それに「オカヤドカリ」など15作品を展示しております。ご覧のように壁面いっぱい、なかなか壮観でしょう? 
 教科書や図鑑に載せる博物画や、博物館の標本画クラスのスーパーリアルな精密画を、原則として手描きで描ける画家の団体、というのが日本理科美術協会のメンバー資格。よって、一目見て、ぎょっとするような絵が並びますので、ぜひご高覧ください。
 出展者は、浅井粂男、関口猪一郎、水野行雄、安西恵、四本充、大西將美、津田翔一、狼林、大見千代子、戸川郁夫、渡辺靖夫、佐々木愛、七宮賢司、渡部ゆか、佐藤忠雄、松本晶の諸先生、そして辻元玲子です。
 会期は5月28日(木)から6月3日(水)まで。午前11時〜午後6時に開催。ただし初日は午後2時〜、最終日は午後1時までで、5月31日(日)はお休みです。
 場所はJR、地下鉄各線の市ヶ谷駅より徒歩1分、山脇美術専門学院の「山脇ギャラリー」〒102−0074 千代田区九段南4−8−21 03−3264−4027、でございます。

2015年5月27日(水)
 いよいよ明日28日から東京・市ヶ谷で「理科美術展2015」開催です。辻元玲子もただいま、出展人部に追われております。たくさんの絵を額装し、その重い絵を搬入して飾り付け、というのはかなりの重労働なのです。今回、玲子は15作品を展示するつもりです。これから刊行予定の本のための歴史図解イラストや、この展覧会用に描きおろしの動物画もあります。
 教科書や図鑑に載せる博物画や、博物館の標本画クラスのスーパーリアルな精密画を、原則として手描きで描ける画家の団体、というのがこの協会のメンバー資格。よって、一目見て、ぎょっとするような絵が並びますので、ぜひご高覧ください。
 出展者は、浅井粂男、関口猪一郎、水野行雄、安西恵、四本充、大西將美、津田翔一、狼林、大見千代子、戸川郁夫、渡辺靖夫、佐々木愛、七宮賢司、渡部ゆか、佐藤忠雄、松本晶の諸先生、そして辻元玲子です。
 会期は5月28日(木)から6月3日(水)まで。午前11時〜午後6時に開催。ただし初日は午後2時〜、最終日は午後1時までで、5月31日(日)はお休みです。
 場所はJR、地下鉄各線の市ヶ谷駅より徒歩1分、山脇美術専門学院の「山脇ギャラリー」〒102−0074 千代田区九段南4−8−21 03−3264−4027、でございます。


2015年5月25日(月)
 今日も理科美術展2015のご案内です。
出展者は関口猪一郎、水野行雄、四本充、大西將美、狼林、七宮賢司、佐藤忠雄、辻元玲子ら。5月28日(木)〜6月3日(水)。午前11時〜午後6時。5月31日(日)はお休み。市ヶ谷駅より徒歩1分、山脇美術専門学院「山脇ギャラリー」03−3264−4027です。入場無料。
 写真は前回(2013年11月)の模様です。

2015年5月21日(木)
 今日は「理科美術展2015」のご案内です。辻元玲子が加入している日本理科美術協会の展覧会で、2年おきの開催となっており、これまでは秋に開いていたのですが、今回は初夏の開催となりました。教科書や図鑑に載せる博物画クラスのスーパーリアルな精密画を、原則として手描きで描ける画家の団体、というのがこの協会のメンバー資格。よって、一目見て、ぎょっとするような絵が並びますので、ぜひご高覧ください。
 出展者は、浅井粂男、関口猪一郎、水野行雄、安西恵、四本充、大西將美、津田翔一、狼林、大見千代子、戸川郁夫、渡辺靖夫、佐々木愛、七宮賢司、渡部ゆか、佐藤忠雄、松本晶の諸先生、そして辻元玲子です。
 会期は5月28日(木)から6月3日(水)まで。午前11時〜午後6時に開催。ただし初日は午後2時〜、最終日は午後1時までで、5月31日(日)はお休みです。
 場所はJR、地下鉄各線の市ヶ谷駅より徒歩1分、山脇美術専門学院の「山脇ギャラリー」〒102−0074 千代田区九段南4−8−21 03−3264−4027、でございます。
 

2015年5月14日(木)
 このほど、理由あって千葉県柏市の、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」近くにある「ホテル デルプラド」に泊まってみました。ここの最上階にはバルセロナ直伝というスペインレストランが入っているのですが、宿泊客のオーダーにより、夜も朝も純和食の定食が食べられます。カレイの煮つけとか、です。これがなかなかに美味でした。駅から少し離れた森の中にあって、とにかく静かなのもよかったです。周辺ではなかなか穴場のホテルのようですね。

2015年5月08日(金)
 「シンデレラCinderella」という映画を見ました。またまたディズニーが旧作の実写化リメイクか、ネタ切れしてるな、しかもシンデレラ? なんで今時……などと思った方もいるかもしれません。何を隠そう、私自身も最初はそう思ったのです。だから、見ないつもりもあったのですが、「監督はケネス・ブラナー」と聞いて、おや、それはひょっとして見事に化けているのかも、と思いました。監督として、俳優として確固たる地位にあるケネス・ブラナーさん、ロンドン五輪の開会式での名演は忘れられませんし、監督としては、たとえば「マイティ・ソー」第一作も、シリーズの第一作だから必ずヒットしれくれないと困る、という場面で起用され、期待通りに軌道に乗せました。手堅く重厚な演出で今やヒット請負人、という大物監督です。この監督なら、これほど手垢にまみれた題材を文字通り、再生できるかも……そこに期待して見てみました。
 思った通りです。誰でも知っているあのシンデレラです。「マレフィセント」のようにかなり原作と離れた外伝的な解釈でリメイクすることも多いですが、本作は直球勝負。大筋として、継母にいじめられたシンデレラが、妖精の魔法でカボチャの馬車に乗って宮廷に乗り付け、12時の鐘が鳴ると魔法が消えるため、慌てて逃げ出しガラスの靴を置き忘れ、というおなじみのストーリーそのもので、余計なひねりは一切なし、です。ところが、素晴らしい演出と、壮大華麗な映像、あちこちに挟んだコミカルなくすぐり、などテンコ盛りの工夫を加え、出演陣の熱演もあってまことに見事な感動の一作に仕上がっています。これは見ないともったいないかも、という作品です。ケネス・ブラナー監督、さすがです、の一言でございます。

 裕福な商人の父親(ベン・チャップリン)と優しい母親(ヘイリー・アトウェル)のもとで、愛情いっぱいに育てられたエラ(エロイーズ・ウェブ)。まさに絵に描いたように幸せいっぱいの一家でしたが、そこに不幸が襲います。母親はエラに「どんな辛い時も、優しさと勇気を持って立ち向かいなさい」と言い残して急死してしまいます。
 数年後、美しく成長したエラ(リリー・ジェームズ)に、父親は再婚することを告げます。その継母(ケイト・ブランシェット)は、ドリゼラ(ソフィー・マクシェラ)とアナスタシア(ホリディ・グレンジャー)という二人の娘を連れて乗り込んできますが、3人とも派手好きの浪費家で、エラとは気性が合いません。さらに、父親が旅先で病気になって急死してしまいます。継母と二人の義姉はエラにつらく当たるようになり、まず「ママではなく、マダム(奥様)と呼ぶように」と言われ、部屋も屋根裏部屋に移るように、料理人(ケイティ・ウエスト)や家政婦も全員解雇して家事労働はすべてエラ一人でやるように、と申し渡されます。最後には食事も一緒にとることを禁止され、完全に使用人扱いにされ、いつも灰を被って汚れているシンデレラ、という蔑称まで付けられてしまいます。母の教えを胸にじっと耐え忍ぶシンデレラも、ついに感情が爆発し、馬に乗って森に遠乗りに出かけます。
 そこで、エラの乗馬が暴走してしまいますが、一人の優しい青年が馬を抑えて助けてくれました。彼はキット(リリャード・マッデン)と名乗り、また会おう、と言い残します。
 ところでこのキットとは、実は王国の後継者である王子でした。王子は森で出会ったシンデレラのことが忘れられず、自分が一目ぼれしたことに気付きます。父王(デレク・ジャコビ)は、隣国のシェリーナ王女(ジャナ・ペレス)と結婚することを望んでおり、側近の大公(ステラン・ステルスガルド)も王子の恋に反対の意向を示しますが、王子は諦めることができません。唯一、理解してくれたのは護衛隊長である大尉(ノンソー・アノジー)だけでした。そこで王子は、自身の妃を決めて披露する舞踏会に、王族や貴族だけでなく、国中の一般庶民も集めることを提案します。その場で、王子が最初に踊りのパートナーに選んだ女性が未来の王妃となる、というわけです。
 継母と姉二人も勇んでその舞踏会に出かけていきますが、シンデレラは家に残るように言い渡され、母の形見のドレスにまでケチを付けられ、さらに破かれてしまいます。さすがに我慢できなくなり泣き崩れていると、みすぼらしい姿の老婆(ヘレナ・ボナム=カーター)が現れ、ミルクと砂糖を所望します。老婆はすぐに、自分がフェアリー・ゴッドマザーであることを告げ、カボチャの馬車、ガチョウの御者(ギャレス・メイソン)、トカゲの従者(トム・エデン)などを用意し、肩身のドレスも目の覚めるような青いドレスに変え、最後にガラスの靴を与えて言うのでした。「魔法は12時までだよ。12時を過ぎるとすべてが元に戻ってしまうよ」
 かくて、近隣の名だたる王女や貴族の娘が居並ぶ舞踏会に、シンデレラが登場します。「あれは一体、誰なの?」と、シェリーナ王女もほかの人々も思わず呟きます。あまりにも魅力的な「謎のプリンセス」の出現に、その場にいるだれもが悟ったのです。「今夜の主役はこの女性なのだ」と。シンデレラは、森で出会ったあのキットが近付いてくるのを見て、笑顔になります。ひょっとしたら彼に出会えるかも、と期待して来たのですから。「どうか今宵の最初の踊りの相手に申し込む栄誉を、与えてください」。シンデレラはようやく、キットが実は王子であることを知り、驚きます。そして、夢のような舞踏会が開幕しますが、刻々と12時の鐘が近付いてきて……。

 今作のシンデレラは、単に泣いてばかりで耐え忍ぶだけの女性、というわけではありません。実際にはさっそうと馬を乗りこなして遠出するような一面も見せます。流暢なフランス語を操り、継母たちをびっくりさせる場面もあります。劇中で、解雇された元料理人から「どうして、あの家に残って耐え忍んでいるんですか」と聞かれると、「思い出の詰まった家だから。あの家を守るようにお父さんと約束したから。だから逃げ出さないの」と答えるシーンがあります。シンデレラはむしろ、試練に自ら立ち向かう、しかし決して誰かを倒して戦うヒロインという道も選ばない、という描き方をされています。このへんが、監督の描き方のうまいところです。近年よくありがちな、ヒロインをやたらと好戦的な戦うヒロインにしてしまう場合がありますが、やりすぎると原作の持ち味が台無しになりかねません。かといって型にはまった古典的な大人しい、自分の運命を自分で切り開けないような弱々しいヒロイン像でも、今の観客には納得されない。本作のシンデレラはそのへんが非常にうまく描かれていて、共感が持てます。王子との恋も、お互いに相手の素性を知らない中での一目ぼれ、という形です。決して「王子様だから」好きになったわけではない。このへんも巧妙な演出ですね。王子の方も、森で出会った謎の娘との恋を成就するには、大人になって、政略結婚をはねのける強さを持たなくてはならない。彼にとってもこれは試練であり、シンデレラとの恋が彼を大きく成長させます。こういう部分の描き方も、いいですね。
 本作では、肉親との別れ、というシーンが何度も出てきます。シンデレラが母親と死別するシーン。それから、父が旅行に出かけるのですが、なぜかお互いに「これが最後になる」という予感がして泣き別れとなるシーン。さらに、父王が病気となり、王子と死別するシーンもあります。これらがいずれも本当に感動的に描かれていまして、大いに涙腺を刺激します。安っぽいおとぎ話でなく、非常にリアリティーあるドラマに仕上げているのが、本作の特徴でしょう。
 それでひとつ言えば、衣装担当は「アビエイター」や「恋に落ちたシェイクスピア」「ヴィクトリア女王 世紀の愛」でアカデミー賞を受けているサンディ・パウエルで、時代衣装が大のお得意な人です。今回は明らかに19世紀後半から20世紀初めのコスチュームで、トップハットや燕尾服、王子や軍人たちの軍服もこってりと刺繍の入った19世紀風です。これ、もっと古い時代の中世の服装にしなかったのは、いかにもおとぎ話、にしたくなかったからではないでしょうか。昔の話とはいえ、そんな大昔のファンタジーでもない、という演出は斬新かもしれません。欧州のどこかの小国、しかし決してどこかのおとぎの国、ではない感じがするのです。そして、きらびやかな紳士淑女が居並ぶ中で、その中でも匂い立つように一際目立つシンデレラ……本当に素晴らしい見せ場です。
 宮廷のセットもすごいです。本当にそのぐらいの時代の宮廷そのもの、という感じです。
 主演のリリー・ジェームズは、これまで「タイタンの逆襲」に脇役で出たぐらいで、テレビドラマ「ダウントン・アビー」で有名になりましたが、映画では初の大役。まさにシンデレラ・ガールですが、清楚で優しく、しかし芯の強さがあるシンデレラにぴったりです。リチャード・マッデンも「ゲーム・オブ・スローン」で知られる人で、映画では初の大抜擢に近いと思います。このへんは、名伯楽であるケネス・ブラナーの御眼鏡にかなっただけあり、今後の活躍が期待できそうな人たちです。
 また、今回のキャストで真っ先に決まったのが継母役のケイト・ブランシェットだったそうです。これほどの悪女役は珍しいと思いますが、なかなか嬉々として怪演している感があります。たまにはこういう役柄も面白いのかもしれません。語り手も兼ねるヘレナ・ボナム=カーターに、ヘイリー・アトウェル、ベン・チャップリン、それからデレク・ジャコビ、ステラン・ステルスガルドといった脇を固めるベテラン陣の演技も力が入っています。もう一人、いい味を出していたのが警護隊長役のノンソー・アノジーという人。全体に、キャスティングも見事ですね。
 最後の最後まで、納得感がしっかりとある演出でした。改めて、ケネス・ブラナー監督の手腕に脱帽の一作だったと思います。


2015年5月01日(金)
 5月、ゴールデンウィークで心も軽く、という方も多いでしょう。少なくとも、明日から5連休、という方が多数でしょうね。私? いつもの通り、何事もカレンダーにはあまり関係ない生活なので・・・それはそれとして、今年もこどもの日を前に、甲冑を出してみました。実は、昨年は忙しくて、出すのを忘れていたので、2年ぶりに日の目を・・・いいですねしかし。本物の重厚感は、なんとも言い難いものがあります。
 ところで、このところ、ある案件で揉めていました。が、昨日、それは解決しました。めでたしめでたし、です。しかし、これからまた、違う方向で考え直す必要があります。それはそれで大変です。そんな中、またちょっと別の気になることも出てきましたが・・・、そういうわけで、人間、いろいろありますね。

2015年4月22日(水)
 ちょっとご無沙汰を・・・。気がかりなことが二、三あったりして、なかなか落ち着かなかったのと、このところ映画も見ていないし、花も咲かないし、新しいぬいぐるみを買っていないので(笑)無難な話題がなかった、というだけで(それにしても、私のブログはそのへんの話題で埋めていることが多いですね)どこも体調は悪くありませんので、ご安心くださいませ。
 そういえば世間は統一地方選、ということで、私の街でも市議会議員選挙をやっているはずなのですが・・・あんまり選挙カーも回ってこないですね。よくドブ板選挙、と言いますけれど、実際には私のこれまでの人生で、転居が多かったのでいろいろな町に住みましたが、立候補者が家のすぐそばまでやって来た、なんて経験はないです。握手したこともありません。まあ、限られた日数で広い選挙区をどれだけ回れるか、という運動ですから、個人後援会なんかに入っている人以外には、結局、縁遠いものなんでしょうね。

2015年4月11日(土)
 我が家の盆栽のミニ桜も、いよいよ満開になりました。いつも世間の桜よりは少し遅めに咲くのですが、今年は例年よりもたくさん、花をつけてくれているようです。

2015年4月05日(日)
 近頃お付き合いのあるファッションデザイナー、コシノジュンコ先生の話題ですが、きょう4月5日から、毎週日曜日の午後5時〜5時30分、TBSラジオ(954Mhz)にてトーク番組MASACA(まさか)をスタートされます。コシノ先生が毎回、各界のゲストと対談する企画です。
 それから、写真家・鈴木弘之氏の写真展「刃金の陰翳」が、4月9日まで、中央区銀座2-9-14のギャラリー・アートグラフで開催中です。日本橋箱崎の名店「鯛ふじ」で使用されている使い込まれた包丁を、命があるもののように写し取った白黒写真のすごみは必見です。

2015年4月04日(土)
 サントリーの「オランジーナ」の姉妹品「レモンジーナ」が発売と同時に大ヒットし、生産が追いつかず一時供給停止、というのが話題になっていますが、4月2日(木)に江東区砂町のショッピングモール「スナモ」に行ったところ、まだ「レモンジーナ」、売っていましたので手に入れました! わざとらしいレモン味でない、とても自然な飲み口です。とはいえ、これほど反響があるとは思っていなかった、とのことで、無理に話題作りをして売り込んでも何も売れない今時に、すごい話ですね。

2015年4月03日(金)
 ウォシャウスキー姉弟監督による新作映画『ジュピター』Jupiter Ascendingというのを見ました。原題の意味は、「木星が昇る」、つまり占星術でいう木星が上昇宮にあって昇っていることを指しますが、もう一つ、「ジュピターが即位する」という意味にもなります。
前作「クラウド・アトラス」からは3年ぶり、そして完全オリジナル脚本の作品としては、2003年の「マトリックス・レボリューションズ」以来、12年ぶりという作品です。16年前に「マトリックス」で映画界を震撼させた鬼才姉弟の期待の新作なわけですが、その中身やいかに・・・。
 主演に「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンのライバル役で名を上げたウクライナ出身のミラ・クニス、お相手役に異色の男性ストリップ映画「マジック・マイク」が大ヒットしたチャニング・テイタム、そして「ロード・オブ・ザ・リング」でボロミアを演じたショーン・ビーンや、「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士に扮して見事にアカデミー賞俳優となったエディ・レッドメインを配し、キャスティングは鉄壁といえます。

 お話は少し昔のロシア、ペテルスブルクから始まります。天体観測が生きがいの英国人マクシミリアン・ジョーンズ(ジェームズ・ダーシー)と恋に落ちたロシア人女性アレクサ(ユリア・ドイル・ケネディ)は妊娠。しかし、強盗に襲われてマクシミリアンは殺されてしまいます。残されたアレクサは故国を見捨て、アメリカに向かう大西洋上で娘を出産、マクシミリアンの遺言に従って、赤ん坊に、木星を意味するジュピターと名付けます。
 そして現代のアメリカ、シカゴ。母や叔母夫婦と暮らすジュピター・ジョーンズ(クニス)は、無国籍の移民という身分でアメリカ社会のまさに最底辺にあって苦労しています。毎朝4時45分に起きると、分刻みでトイレ掃除にベッドメイクなど、請け負っている数軒の家庭の家政婦として働いており、疲れ切ってすっかり人生に幻滅しています。
 そんなとき、ネットで見つけたのは高額の天体望遠鏡。亡き父が愛していたものと同じモデルです。望遠鏡を買うのに、どうしてもお金が必要になったジュピターは、いとこのヴラディ(キック・ガリー)に唆されて、婦人科病院で卵子を提供して売り、お金を得ようとします。
 ところでジュピターは日ごろから、用心のために婦人科病院では、友人のキャサリン・ダンレヴィー(ヴァネッサ・キルビー)の名を使って受診していました。ある日、突然ジュピターの目の前で、キャサリンが謎の醜い生物に襲われる事件が起こります。ジュピターはそのさまをスマートフォンで撮影しますが、次の瞬間、ジュピターもキャサリン本人もその記憶を失ってしまいます。
さて、いよいよ婦人科病院でキャサリンの名を名乗り、手術を受けようとするジュピターですが、スマホに入っているエイリアンの写真に気が付いて衝撃を受けます。本当にエイリアンたちに狙われていたのはキャサリンではなく自分なのかも、と思い至ったジュピターは、急激に不安を覚え、手術を回避しようとしますが、時すでに遅し。医師や看護師たちは正体を現しますが、やはり彼らは人間ではなく、キャサリンを襲ったのと同じ醜いグレイ・タイプのエイリアンでした。
 そこに現れて危機を救ったのは、ケイン(テイタム)という逞しい青年。空中を飛行できるブーツを履き、超人的な活躍でジュピターを助けたケインは、自分たちが異星人であることを告白します。さらにケインはジュピターに、地球人類とは異星人によって管理され、ある目的のために「栽培されている」家畜のような存在である、という事実を告げます。彼の話によれば、長年にわたり宇宙を支配してきたアブラサクス王家の女王が亡くなり、現在は長男のバレム(レッドメイン)、長女のカリーク(タッペンス・ミドルトン)、次男のタイタス(ダグラス・ブース)の3人が熾烈な跡目争いをしているとか。今、地球の「所有者」は長男バレムですが、その手先の異星人が、ジュピターの命を狙っているのだ、といいます。ケインは次男タイタスの依頼で、バレムの手の者の攻撃からジュピターを助けに来た、というのです。
 ケインはジュピターを伴い、農夫を装って地球に暮らす元宇宙連邦軍「イージス」の軍人スティンガー(ビーン)の元に身を寄せますが、スティンガーはジュピターに会って、一目で彼女の正体を見抜き、「陛下」と呼びかけます。それはなぜかといえば、ジュピターも実はアブラサクス家の人間であり、正統な王位継承者で、地球の所有権を持っているからだ、というのです。長男バレムがジュピターの命を狙うのもそれが原因だといいます。そしてスティンガーによれば、10億年も前に宇宙に誕生した人類は各地に植民惑星を開拓、地球もアブラサクス家が意図的に先住生物である恐竜を滅ぼしたうえで、人類を「栽培」するための農場として整備してきたもので、やがて「収穫」するときが来る、というのです。
 あまりに荒唐無稽な話に混乱するジュピターですが、すぐにバレムに雇われた異星人の賞金稼ぎ「ハンター」たちが襲撃してきます。そしてジュピターはあわや、殺されそうになる寸前。しかしピンチの中、ハンターの一人ラゾ(ペ・ドゥナ)が裏切り行為に走り、バレムの手下たちを皆殺しにしてしまいます。ラゾはジュピターを拉致して、長女カリークの星に連れて行き、ケインはその後を追いすがって行きます。
一方、王室の女性が拉致された、という事実は連邦軍の知るところとなり、ディオミカ・トゥシン艦長(ニキ・アムカ・バード)が指揮する宇宙戦艦が出動。王家の内紛からジュピターをめぐる宇宙規模の大騒動が勃発することに。さて、ジュピターと、地球の運命やいかに・・・。

ということで、典型的なスペースオペラで、またまさに底辺の女性が実は高貴な身分、というシンデレラ・ストーリーなわけですが、何か描き方が物足りなく、映像の素晴らしさは申し分ないのですが、実はちょっと見応えには不満がありました。どうしてもウォシャウスキー作品というと、見る側も期待が過剰になってしまうのでしょうか。ヒロインのジュピターが、どんな外的要因が変化しても、芯が変わらない強固な自我を持っている強い女性、という設定なのは分かりましたが、それがために、本当に最初から最後まで、あまり人物造形が変わらないのです。むしろ立場の変化で、弱々しい無力な女性が、強くたくましく成長し、やがて偉大な存在になるようなお話の方が盛り上がるのではないでしょうかね。前の「クラウド・アトラス」でペ・ドゥナが演じたソンミのような話の方が。
突然、つまらない自分がいかに重要人物であるか知らされ、面食らいながら謎の男性に助けられて自覚に目覚め、命がけで逃亡する、という構図は「ターミネーター」を思わせますが、あれはサラ・コナーの成長と、男性との切ない恋、そしてあまりにも強すぎる敵、という要素がはっきりしていて面白かったのですが、本作はその辺が弱いような気がいたします。現代の地球人類では太刀打ちできないシュワちゃんの無敵ぶりも、いかに異質な世界の存在が突出しているか、そしてそのような強敵が死力を尽くして命を狙う事実から、間接的に、いかにヒロインが重要な存在なのか、というのを見せつけて効果的でしたが、本作に出てくるエイリアンは、手先の連中はハイブリッド(異種混合種)のモンスターですが、メインになるアブラサクス王家の人々などは、いかにも地球人と変わらないので、どうもピンとこない感じもします。確かに地球は彼らの植民地なので、地球人と地球の文明が彼らのそれに似ているのは当然、という理屈なのでしょうが。
また、以前の女王がどれだけ偉大な人物だったか、というのも全く描写がなくて、その女王とジュピターのどこが同じで、どこが違うのか、ルックス面でも似ているのか、意外に似ていないのか、というのもよく分かりませんでした。やはり女王が崇拝されていた時代の回想シーンは欲しかったように思うのですが。
そして、手続きを経て女王に「即位」したはずのジュピターに対する周囲の反応のおざなりで冷たいこと。結局、何がそんなに重要だったのか、よく分からない描き方なのも違和感がありました。
全体に、「実はこの人は、本当はすごい人なのだ」という水戸黄門的なカタルシスを見る人は求めてしまうと思いますが、そういう点が非常に弱いのが、弱点だと思いました。スティンガーが跪いて「陛下」と呼ぶあたりまでは、良かったと思うのですが・・・。

しかし、キャスティングという面ではなかなか、主演、準主演の人たち以外にも注目株がそろって、興味深い一作だと思います。
やはり、オスカー俳優エディ・レッドメインの演技力は群を抜いていました。肉親をも手に掛ける血塗られた王子という役どころの彼は、そのシーンだけ、シェークスピアやギリシャの古典悲劇を思わせる見事な演技です。「レ・ミゼラブル」ではマリウス役を軽々とこなし、ミュージカル界のトップ俳優として圧倒的な歌唱力も披露しており、向かうところ敵なし。こういう娯楽作品でも隙のない存在感を示して、今後ますます活躍しそうです。今回も、映画の終盤はこの人の演技力で支えられていた感がありますね。
他のキャストで気になったところでは、タイタス役のダグラス・ブース。「ノア 約束の舟」でノアの長男セムを演じて名を知られるようになった新鋭ですが、なかなかのイケメンぶり。今後、人気が出てくるかもしれません。長女カリーク役のタッペンス・ミドルトンは、同時上映中の「イミテーション・ゲーム」でもベネディクト・カンバーバッチ扮する主人公に、ドイツ軍の暗号を破る重要なヒントを与える役どころとして登場。これから出番が増えそうな人です。いとこのヴラディー役を演じたキック・ガリーは、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でトム・クルーズと共に戦う分隊の兵士役で出ていた人、それからジュピターの父親マクシミリアンをやっているジェームズ・ダーシーは「マスター&コマンダー」で若い英海軍士官を演じて有名になり、「クラウド・アトラス」では同性愛の原子物理学者シックススミス博士をやっていました。
「クラウド・アトラス」組と言えばラゾ役のペ・ドゥナも顔を見せていますね。前作ではほぼ主演だった彼女ですが、今回の出番はごく少ないです。しかし、青い髪の謎めいたハンター役は、非常にクールでカッコいいです。もっと最後まで活躍してほしいキャラでした。
意外なところで、ジュピターの即位を認定する紋章官としてテリー・ギリアムが登場。彼の監督作品「未来世紀ブラジル」を思わせるシーン展開は、実際に同作品へのオマージュでもあるそうです。
それからもう一人、タイタスの副官として、シカの遺伝子を組み込んだ女性エイリアンが登場しますが、これはググ・バサ・ローが演じていました。とても美しい人で、若いころのハル・ベリーを思わせます。これまでもジュリア・ロバーツとトム・ハンクスの「幸せの教室」の女子大生役などで注目されていましたが、これを契機に一層、注目されてくるかもしれません。
とまあ、実はこれから期待されそうな人が目白押しの作品、ではありますので、そういう興味でご覧になってもいい映画であるかもしれません。


2015年4月02日(木)
 桜が満開、ということで千葉県浦安市内の通り沿いに咲く桜並木を夜に探訪。「夜桜」鑑賞してみました。しかしなんだか寒くて・・・実は、この後、清砂大橋(江戸川区葛西の清新町と江東区砂町を結ぶ橋)を車で通過していると、ライトの中で白いものがチラついていました・・・あれ、雪だったと思います。一時的に降ったんじゃないですかね。

2015年3月27日(金)
『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』(Night at the Museum: Secret of the Tomb)という映画を見てきました。古代エジプト王の魔法の石板の力で、博物館の展示品が夜になると生命を吹き込まれて動き出す、というベン・スティーラー主演の大ヒットシリーズ「ナイトミュージアム」の3作目、そしておそらくは最終作となるだろう、といわれております。
 それにしても、私はこのシリーズ、すべて劇場公開時に見ましたが、1作目が2007年日本公開、2作目も2009年日本公開と、もう随分たっているんですね。今作では、1作目の登場人物がほぼ、再結集しました。
そして、1作目以来の出演者で、昨年春に死没した大ベテラン(女優エヴァ・ガードナーの元夫で、戦前の1939年にアカデミー賞を受賞している)ミッキー・ルーニーの遺作となりました。さらに、皆様もご存じのとおり、昨年8月に急逝した名優ロビン・ウィリアムズの最後の作品ともなってしまいました。それで、本作のエンド・クレジットにはルーニーとウィリアムズへの献辞が捧げられています。

 物語は1939年のエジプトで始まります。長年にわたり古代エジプトのファラオの墓を探していた米英合同の発掘隊は、ふとしたきっかけでアクメンラー王と、その両親であるマレンカレ王、シェプスハレト王妃の合同墓を発見します。隊長の幼い息子CJは、現地の人が「王墓を荒らすと皆、命を失うことになる」と警告するのを脅えながら聞きます。しかし父の隊長は構わず、「黄金の石板」をはじめ埋葬品を運び出します。
 それから70年以上が経過した現代、ニューヨーク自然史博物館では新しいプラネタリウムのお披露目セレモニーが開催されていました。「特殊効果」を担当する警備員ラリー(スティーラー)の指示の下、夜になって生命を宿した展示品の蝋人形である第26代大統領セオドア(テディ)・ルーズベルト(ウィリアムズ)が演説し、サルのデクスター(クリスタル)が熱演してショーは盛り上がっていましたが、突然、異変が起きます。展示品の人形たちが暴走を始め、会場はドタバタの大混乱。マクフィー館長(リッキー・ジャーヴェイス)は責任を取って辞職することになってしまいます。
 混乱の原因は、夜になると人形たちに生命を吹き込んでいた「黄金の石板」が変色し、明らかにパワーを失いつつあるためと思われました。石板の持ち主アクメンラー(ラミ・マレック)は、父のマレンカレ王がこの石板の修復法を知っているはず、と言います。
ラリーは石板の来歴を調べたところ、これが1939年に発掘され、そのメンバーにはCJという少年がいたことを突き止めます。そのCJとは、1作目でラリーに警備員の仕事を引き継いで引退した、あのセシル(ディック・ヴァン・ダイク)のことだと気付いたラリーは、セシルが入居している老人ホームを訪問。ホームではセシルのほかに、かつての警備員仲間ガス(ルーニー)とレジナルド(ビル・コップス)とも再会できました。セシルの話では、マレンカレ王の棺は英国の大英博物館にあるはず、といいます。ラリーはマクフィー館長に頼み、大英博物館にアクメンラーの棺と石板を移送する手続きをとってもらいます。
 大英博物館では、女性警備員のティリー(レベル・ウィルソン)の目を盗み、まんまと侵入に成功。大学進学を控えてすっかり反抗期に入ったラリーの息子のニック(スカイラー・ギソンド)、アクメンラーのほかに、テディ、アッティラ(パトリック・ギャラガー)など、1作目以来おなじみの面々が全員集合。マレンカレ王の元に急ごうとしますが、当然ながら石板のパワーでこの博物館の展示品たちも生命を宿して動き出します。こうしてロンドンでも大騒動が持ち上がることになりますが・・・。

 ということで、本作でマレンカレ王を演じるのは、大物ベン・キングスレーです。さすがの風格で古代エジプトの大王を演じています。先に書いた通り、93歳で亡くなったミッキー・ルーニーの姿は注目ですし、今年の末には90歳になるバン・ダイクが、今も元気に踊っている姿を見られるのも嬉しいですね。それから、ロンドンのドタバタ騒動のさなかには、カメオ出演で意外な大物も出演しています。オーストラリア出身で、ヒーロー・アクションからミュージカルまで引っ張りだこの人気俳優、といえば? これは見てのお楽しみです。ちゃんとこの人の名前も顔もわかり、しっかりセリフ・・・いや歌まで披露しています。
 いつもの通り、テンポよく楽しく見られるお話ですが、最後はシリーズ完結作品ということもあり、どこか物悲しい感じに。ことにエンディング近くにロビン・ウィリアムズ演じるテディが別れを告げるシーンは、本当に寂しい気分になってしまいます。
 そういうこともあり、最後はとても美しく、どこか賑やかだったお祭りが終わるときのような、面白い中にも寂しさが漂う、非常に印象的な幕切れになりました。ぜひロビン・ウィリアムズの最後の名演を堪能してください。
 そういえば。ロビン・ウィリアムズは、テディ・ルーズベルトが19世紀末の米西戦争時に軍人として戦っていた当時の軍服姿で登場します。彼の襟についているUSVという徽章は、この戦争で編成された義勇連隊の一つで、ルーズベルト大佐が率いたアメリカ合衆国第1義勇騎兵隊のものです。実在のルーズベルト本人は、大統領になった後も、「テディベア」で有名なテディというあだ名よりも、軍歴にちなんだ「大佐」と呼ばれるのを好んだそうですね。
「ルーズベルト」というと今の日本では、第2次大戦時のフランクリン・ルーズベルト大統領を思い浮かべますが、セオドア・ルーズベルトはフランクリンとは親戚にあたります。そして、日露戦争(1904〜05年)で日本が有利な形で停戦できたのも、セオドア・ルーズベルトの仲介のおかげでした。だから日本にとっても恩人といえる人物です。この日露戦争の停戦に尽力した件で、ノーベル平和賞を受けています。このように、軍人としても政治家としても傑出した人物で、今でも非常に人気が高く、ロビン・ウィリアムズがこの映画シリーズの準主役として彼を演じたのも、当然の扱いだった、というわけです。


2015年3月26日(木)
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(The Imitation Game)という映画を見ました。ベネディクト・カンバーバッチにキーラ・ナイトレイ、マーク・ストロングなど大物が多数、顔をそろえ、アカデミー賞8部門ノミネート、そして見事に脚本賞を受賞しています。
アラン・チューリングといえば天才数学者として、従来もそれなりに名前は知られており、人工知能が人間のような意識を持っているかどうか、を知るための「チューリング・テスト」も、実際に人工知能が誕生するかもしれない、と言われ始めた21世紀になって、あちこちで取り上げられるようになりました。実際、チューリングが第2次大戦中に開発した暗号解読機が、現在のコンピューターの基礎となっており、コンピューターの祖としてその名声はむしろ、近年になって高まっています。チューリング・テストの別名が、彼が論文で使用した「イミテーション・ゲーム」なのです。
しかし、今日のコンピューター技術の開祖で、第2次大戦の連合軍勝利にも大きく貢献したという、それほどの傑出した人物であるにもかかわらず、これまで彼の業績は長きにわたって大衆に知られることはありませんでした。なぜかというと、戦時中に国家機密の暗号解読に従事していたこと、そしてもう一つが、彼が同性愛者であるがゆえに、当時の法律によって不名誉な性犯罪者扱いのまま生涯を終えたこと、この二つの要素のために、必要以上にアラン・チューリングの名は伏せられてきたのでした。1967年まで英国では、同性愛はそれだけで犯罪とみなされ、失職や追放、場合によっては投獄までされたのです。
2009年になってブラウン英首相がチューリングの復権と、彼への「謝罪」を声明にして話題になり、13年にはエリザベス女王の名で公式にかつての「罪」に対する「恩赦」が公布されました。本当に彼のことが一般に知られるようになったのは、それからだと言えます。そして、この映画の企画も、ブラウン首相の声明を契機に立てられたそうです。

物語は大戦終結後6年がたった1951年に始まります。マンチェスター警察のノック刑事(ロリー・キニア)は、奇妙な盗難事件の通報を受けます。数学者アラン・チューリング教授(カンバーバッチ)の家に強盗が入ったというのですが、荒らされた家の中でチューリングは「何も盗まれていない」と主張し、いかにも警察がかかわることを拒むような態度を見せます。不審に思ったノック刑事は、チューリングの経歴を調査し、彼が軍に秘密の任務で協力していたこと、戦時中にスパイ行為の嫌疑をかけられていたこと、などを知ります。しかしすぐに、チューリングは「同性愛行為」により逮捕されます。チューリングは刑事に、これまでの自分の人生を振り返って語り始めます・・・。
1939年、チューリングは英国政府の秘密組織「ブレッチリー無線機器製造所」で働くための採用面接を受けます。管理責任者のデニストン海軍中佐(チャールズ・ダンス)は傲慢で対人関係がまともに築けない(おそらく今の言葉でいうアスペルガー症)チューリングを嫌い不採用にしようとしますが、軍情報部の非公式組織MI6の幹部であるミンギス(ストロング)がチューリングを気に入り、採用に至ります。チューリングのほかに、英国のチェス王者であるヒュー・アレグザンダー(マシュー・グード)、数学者のジョン・ケアンクロス(アレン・リーチ)などが集められ、与えられた任務とは、ナチス・ドイツ軍が誇る絶対に解読不能の暗号「エニグマ」を破ること、でした。ナチス・ドイツは瞬く間に全欧州を占領し、ドイツ潜水艦Uボートが連合軍の艦船を次々に沈め、また連日、ドイツ空軍の爆撃機が英本土に飛来するようになり、ドイツ軍の暗号を解読できるかどうかが、英国の未来を左右する事態になっていたのです。
気難しくまともに人付き合いできないチューリングは、チームの中で孤立していきますが、彼には一つの確信がありました。エニグマ暗号を解読するには人間の手計算では追い付かず(試算によれば、ひとつの組み合わせを解くだけでなんと2000年がかかり、しかもその組み合わせは毎日、夜の12時にドイツ軍が変更してしまうため、事実上、絶対に解読不能とされていました)膨大な計算を機械にさせる、つまり「電子計算機」を作らなければ対抗できない、ということでした。周囲の無理解の中、孤独に戦うチューリングでしたが、ミンギスを通じてなんと英国首相チャーチルに直談判し、チームのリーダーとなることに加え、計算機を作るための巨額の予算を承認させてしまいます。
だが、それだけでは決定的に人手が足りません。チューリングは新聞にクロスワードパズルの広告をだし、これが解けた人の中から有能なスタッフを採用しようと思いつきます。だが、応募者の中で最も好成績を挙げたのは、(当時の常識では意外なことに)、一人の若い女性、ジョーン・クラーク(ナイトレイ)でした。
計算機の基本が完成し、他のメンバーとの関係も以前より改善し、さらにジョーンという心強い理解者も得て、チューリングの作業は順調に進むように見えましたが、突然、チューリングはソ連に情報を流しているスパイではないか、という嫌疑を受け、逮捕されかけます。また、一向に成果が上がらないことに業を煮やしたデニストン中佐も解雇をちらつかせ始めます。そんな迫害の中で、彼は計算機に「クリストファー」と名付けますます作業に没頭、さらに親の圧力で家に帰ってくるように言われたジョーンには求婚します。
チューリングが機械にクリストファーと名付けたのには理由がありました。寄宿学校時代、いじめの対象となっていたチューリングをかばい、理解し、暗号の世界に導いてくれた親友クリストファーの名にあやかったのです。しかも、チューリングはクリストファーに単なる友情ではなく、愛情を感じ始めていました。しかし・・・。

というようなことで、ほぼ史実の通りにアラン・チューリングの孤独な生涯と、偉大な業績が解き明かされていくわけですが、全く史実通りでないとはいえ、見事に緻密な脚本でその人生が浮き彫りにされていきます。
時代の先を行き過ぎていた天才の孤独と、ほんの数十年前まで同性愛が犯罪であったこと、さらに、女性が、どれほど才能があろうが活躍できなかった時代でもあったこと、を思うと暗澹とします。素晴らしい脚本に素晴らしいキャストで、見ごたえある作品でした。主演の二人のほか、ストロングとチャールズ・ダンスが実にカッコいいです。その他、当時の衣装や風俗の時代考証も行き届いており、大変によくできています。
戦争のシーンも少ないながら、案外に出てきまして、ドイツ軍もけっこう登場します。ユンカースやハインケルの爆撃機、Uボート、それにW号戦車などがしっかり出てきて、こういうところも手を抜いていないのが好感が持てました。当時の英国の陸海空軍の制服もたっぷり出てきますが、特に赤い帽子の憲兵は見どころですね。


2015年3月24日(火)
 桜が開花した、といいますが、けっこう寒気がぶり返していますね。油断すると風邪ひきそうですので皆様、ご自愛ください。
 我が家では、アマリリスが先日から咲いています。アマリリスというのは、ギリシャ神話に出てくる少女の名前だそうですね。花ばかり愛して女の子には全然、興味がないまさに草食男子の彼の気を引こうと思う一心で、とうとう花に変身してしまった、というようなお話らしい。
 そういえば「アマリリス」という曲があります。小学校か中学校の音楽の授業で習う曲にありましたよね。あれは17世紀前半のフランス王ルイ13世が作曲した、といわれてきました。私もそう習いましたが、近年では「ヘンリー・ギース」という19世紀の人が作って、ルイ13世の曲だ、といって広めたのが真相だという説になってきているそうですね。
 ルイ13世が実際に音楽好きで曲つくりもした、というのは本当の話です。ギースという人はそれに便乗したわけでしょうか。あの「三銃士」に出てくる王様ですね。息子のルイ14世はバレエ好き、その孫のルイ15世は無類の女好き、そしてそのまた孫のルイ16世は「錠前作り」が趣味のメカおたく、でした。

2015年3月23日(月)
 あるネット上の記事でこんなものを見かけまして、驚きました。
 下のようなカラーチャートがあって、「あなたは何色あると思いますか」というのです。いかがでしょう? 要するに、いくつの色を見分けることができるか、というわけです。
 で、「答えは全部で39の色があるのだそうです」。
 そして、解説がついていまして「20色以下しか色が見えなかった人は、人口の1/4を占めます。本来持つべき3種類の視細胞の中で1つが欠けており、赤系統、または緑系統の判別が難しい2色型色覚の持ち主です」。
 それから「20色から32色見えた人は、ごく一般的。人間や霊長類などは青・赤・緑の錐体細胞を持っている、この3色型色覚の持ち主だと言われています。約100万の色が見えるのだそう」。
 そして、「32色から39色見えた人は、4色型色覚の持ち主。青・黄・緑・赤の錐体細胞を持っていて、3色型の100倍の1億色以上が見えると言われています。基本的に女性にのみ存在し、世界の女性の2〜3%はこの4色型色覚なのだとか」。
 これ、本当ですかね? 画家である我が家の玲子さんは、もちろん一見して「39色!」と即答しました。当然です。
 ところが、私も最初から39色、見分けられたんですけれど。「基本的に女性ののみに存在」って本当ですか? じゃあ私は一体?


2015年3月21日(土)
 いま松屋銀座の2階、プラダのお店の前で、手塚治虫先生の名作「UNICO ユニコ」の完全カラー版上下巻が先行販売されています(31日まで)。一角獣(ユニコーン)の子供の冒険を描くユニコは、あのサンリオが1976年に創刊した伝説の漫画月刊誌『LYRICA 〜リリカ〜』で連載されたものでした。この雑誌はフルカラー・コミック誌という当時として斬新なコンセプトで、ユニコも原稿はフルカラーだったのですが、その後の単行本化ではモノクロになって久しく、それが今回、最新のスキャニング技術により原画を完全に復元し、再現することに成功した、というわけで、伝説の名作が最初に発表されたときの色彩を取り戻した、という快挙なのです。
 手塚先生は、まず線画を描いてからBBケント紙にコピーし、ごく普通の水彩絵の具で彩色していたそうですが、非常に精緻で、全く塗りムラの見られない彩色はまことにすごいものがあります。いまどきのCGでお手軽に塗ることに慣れてしまった若い人ほど、この手塗りのすごみを感じてみていただきたいものです。ものすごく細かい衣服の装飾や、影などが繊細に描きこまれています。
 76年当時というと、手塚先生はあの「ブラック・ジャック」をはじめ「三つ目が通る」「火の鳥」「MW(ムウ)」など、代表作と呼ばれる作品を何作も同時進行で連載しておられ、なんと月間で300ページも漫画を量産していたとか。その中で、もちろんアシスタントの手伝いはあったとはいえ、基本的に仕上げは自分でやらないと気が済まない、という方だったといい、この高いクオリティーでフルカラーの漫画を連載したというのは驚くべきことです。
 読み返してみると、やはり同時期に描いていた火の鳥やブラック・ジャックをどこか思わせるようなもの寂しい気分や哲学的なテーマがあって、サンリオの雑誌に載せる作品であっても、さすがに単なるメルヘンチックなファンタジーとは一線を画しています。やはり漫画というのは手塚治虫先生が創始した、手塚治虫先生のためのジャンルなんだな、と思いますね。

2015年3月16日(月)
 先日ですが、南青山の株式会社コシノジュンコにて、コシノジュンコ2015春夏レディース・コレクションのショーがありました。で、玲子が着ているのがそのコレクションの一着。コシノ先生自ら「とにかく着てみて。着るのはタダだから(笑)」と強くお薦めを受けて、試着してみたわけですが、どうでしょうか? 赤と黒の色使いが印象的ですね。スカートは革と透ける生地を交互に重ねあわせて、フレアーのラインを形成するという非常に凝ったものです。このへんになりますと完全に注文服になりますね。
 ちなみに、私もたまたま赤と黒の服を着ていますが、これは本当にたまたま。タキザワシゲルのオーダーのジャケットとベストですが、このジャケットの生地はなんでも、某英国プレミアリーグのチームがジャケット用に織らせたものの、何かの理由で使われなかった、というものだそうです。

2015年3月14日(土)
 世間的にはホワイトデー、というものですが、チョコをもらった人がチョコを返す、というのは(チョコの製造会社には申し訳ないですが)ちょっと芸がない感じも。それで、先日に松屋銀座の地下で見つけたのが、塩瀬饅頭の「キティちゃん」饅頭というもの。ご覧のようにそのまんまのキティちゃん形、です。味は塩瀬饅頭ですが、リボンの部分がちょっと硬い。室町時代初期の14世紀から35代も続く老舗饅頭屋さんとキティちゃんのコラボ、面白いですね。

2015年3月12日(木)
 先日、わけがあって東京・赤坂見附は紀尾井町の「ホテル・ニューオータニ」に宿泊いたしました。これは、ホテル2階にあるクリニックで「心臓ドック」を受けたからなのですが、まあこういうことでもないと、案外に都内のホテルに泊まる機会もあまりないわけで、いい経験をしました。なにせ前の東京五輪の時期から、都内のホテル御三家といえばこのニューオータニと、帝国ホテル、ホテル・オークラというわけで、特にニューオータニは、戦艦「大和」級の砲塔旋回機構を参考にした巨大な展望台付きの威容が有名で、映画「007は二度死ぬ」でも、ジェームズ・ボンドが商社員を装って乗り込んだスペクターの幹部ミスター・オオサトの会社「オオサト・ケミカル」本社として登場することで有名です。
 最初からある本館「ザ・メイン」と、新館、タワー館が並び立つホテル内はちょっと迷宮のようで、最初はかなり道に迷いますね。そして入っているテナントの数と質の高さに驚きます。都内でもここにしかなさそうなお店が多いです。レストランも超高級店から、チェーンのコーヒー店までなんと26店もあるとか、これはすごいですね。前述のクリニックをはじめ、コンビニや本屋もあって、館内だけで小さな町として完結しています。
 とにかく基本的に出不精の私たちなので、食事はホテルでしか出来ない「ルームサービス」をお願いしました。大きなホテルでないと、実はなかなかルームサービスというのはやってくれないので、久しぶりにとってみました。一生、こうやって引きこもっていたいですけどね・・・。

2015年3月06日(金)
米俳優のハリソン・フォードが第二次大戦中の練習機を操縦中に墜落、負傷したそうですね。写真を見ると、どうも「ライアンPT22リクルート」という陸軍航空隊の練習機のようですが、生産数は1000機ほどらしく、よくこんなマニアックな飛行機を持っていたもんです。

2015年3月05日(木)
 先日、もう2か月、いや3か月、あるいは4か月ぶりだろうか、「ダイエー浦安駅前店」に行ってみました。開業した昨年の秋、弁当と総菜と、ワインばかり置かれていて、日常生活に使うティッシュもトイレットペーパーも、生鮮食品もろくにない・・・まことに意味不明な、巨大なコンビニのようなスーパーという業態に首をかしげ、そのような趣旨のブログ記事を書きましたが、今回、久しぶりに行って、非常に「普通のダイエー」になっていました。生鮮食品や雑貨が大幅に増量していましたね。薬がないのは相変わらず残念ですが。あれなら、近い人には十分に便利なお店になったと思いますね。まあ、遠くからわざわざ人が来る、という感じはしませんが。

2015年2月27日(金)
 ちょっと間があきまして・・・こういうときは、大体、何かやっていて忙しいか、体調を崩しているときですが(苦笑)、ご安心ください。今は忙しい方でして。でも、山場は過ぎた感じですので・・・。
 ところで、今日は久しぶりに、一応、軍装史研究家らしい話題を。英国のウィリアム王子が来日されています。このたびは保土ヶ谷の英国軍人墓地を訪れた、という話題がありましたが、王子は外套(オーバーコート)の胸に二つの勲章(メダル)を付けています。ひとつは赤い縁取りに青、真ん中に白・赤・白のラインのあるリボンのメダル。もう一つは、青い縁取りで赤、真ん中にやはり白・赤・白のラインが入ったリボンのものです。この2個のメダルは、これまでも軍服の上、大綬章のタスキの上に並べてよく着用しています。
 これは、青いリボンの方が、「エリザベス2世女王在位50年記念メダル」Queen Elizabeth II Golden Jubilee Medalです。赤い方は同じく、「在位60年記念メダル」Queen Elizabeth II Diamond Jubilee Medalです。
 特に青い方は、リボンだけ見ると、英国軍の殊勲勲章にも似ていますが、女王陛下のご在位記念メダルでして、今回の平服での着用は、女王の名代として墓地に参拝している、ということを示しているのだろうと思います。

2015年2月17日(火)
 首都圏は雨という予報でしたが、いきなりかなり雪が降っていますね。今年は暖冬、という話があったような気もしないではないですが・・・。

2015年2月12日(木)
 そろそろバレンタインデー、というものですね。あれは日本の製菓業界が作ったイベントで、チョコレートの売り上げ増を目的にしたもので・・・と揶揄する人も少なくないわけでしょうが、私は、まあ固いことを言わず、あまり普段は大人の男性がチョコレートを食べる、ということも意外にないような気がしますし、この時期になると確かに、世界中の珍しいチョコや高価なチョコも店頭に並んで、それはそれで面白い、と私なんかは感じます。クリスマスがないと大きなホールケーキを食べる機会はあまりないし、お正月がないと御餅を食べることもないし、土用の丑がなければウナギを食べることもないだろうし・・・そういう季節ものイベントとして、いいんじゃないでしょうかね。
 ということで、今年はベルギー製のチョコをちょっと早めにもらったんですが、・・・ああ、妻からですよ、もちろん。こんな感じです。クマさんのもかわいいですね。ほかに母親からももらいました。いずれも、実は・・・すでに食べてしまって、今はとっくに存在しません。

2015年2月07日(土)
 テレビ朝日系で「味の百景」という番組があります(土曜午前9時55分〜)。全国の郷土の味を紹介する番組ですが、きょう2015年2月7日の番組には、私ども夫婦もお世話になっている、沖縄県沖縄市で沖縄の食材やヤドカリ関連商材を販売されている「りゅうか商事」http://www.ryuuka.com/経営、崎濱様とご家族が出演されました。
 番組の公式サイトから引用しますと、
「沖縄・越来の「パパイヤの豚肉炒め」沖縄県沖縄市越来 崎濱秀俊さん(55歳)
 沖縄・越来に暮らす崎濱さんに、大忙しの季節がやってきました。冬のさとうきび畑に芽吹いた花は、収穫の合図。崎濱さんは収穫されたさとうきびを、沖縄の文化を教える小学校の教材として届けているのです。これをきっかけにこの地の文化や歴史に興味を持ってくれたら・・・その一念で頑張ってきた日々を、今年も台風を乗り越えて大きく育ったさとうきびの力強い姿に重ねることもあるのだそうです。崎濱さんの“元気のもと”は、食卓にもありました。月に一度の、家族や親戚たちと自慢の一品を持ち寄って囲む夕食。なかでも崎濱さん兄弟揃っての大好物が「パパイヤの豚肉炒め」。栄養たっぷりで、甘い香りとしゃきしゃきした食感が、肉の脂と馴染みます。一日の終わりは家族一緒の食卓で終わる――それが一番の“元気のもと”!」
 ということで、以前から沖縄のフルーツや食材、ヤドカリ関連商品などでお世話になっているのですが、仲の良いご家族の皆様のお姿が拝見できて、私どもも大変うれしく思いました。


2015年2月03日(火)
 このところ、実はちょっと胃腸風邪を契機に、体調を崩しておりました。公私ともども、なかなか厳しいこのところでもありまして。しかし、もう大丈夫ですので、自分のやるべきことに邁進する所存です。

2015年1月28日(水)
 前に我が家の洋蘭をご紹介しましたが、今度は室内で満開となったコチョウランの花畑を紹介します。うちの玲子さんが育てていて、毎年、ちゃんと咲いてくれます。綺麗な花で少しは安らぐ気がいたします・・・。
 なんかこう、このところ疲れますね。体調もいまいちこう・・・胃腸風邪でもひいたかもしれません。冬はまだまだ続きますね・・・。

2015年1月25日(日)
 ちょっとご無沙汰しております・・・。なにやらこのところ本当に忙しくて。まあなにやらかにやら、です。が、なんとかやっております。なぜ「綾鷹」なのか、といえば、なんでもありません。ただ、このお茶はわりとよく飲んでおります。

2015年1月17日(土)
 前から書いていたダイエーの「テディベア・キャンペーン」ですが、ついにミニサイズも手に入れました。これで5種類、全部そろいましたので、盛り合わせにしてみました。なかなか壮観ですね。このキャンペーンは、ぬいぐるみの引き換えは来月上旬までやっていますが、シールの配布は1月いっぱい、ということなのでそろそろ終盤ですね。
 そういえば、千葉県市川市のダイエー南行徳店で、フライドチキンに縫い針が刺し込まれていた、という報道がありました。その前には千葉市内でも同様の犯行があり、容疑者はきっと千葉県内をうろついているのでしょう。いや、そう言っていると他の都道府県に移動するかもしれませんが、拠点は京葉線とか総武線沿線の犯人かもしれません。

2015年1月10日(土)
 軍事専門誌「軍事研究」の書評欄に、私どもが翻訳監修した『華麗なるナポレオン軍の軍服』(マール社)が掲載されました。
 「監修翻訳は、以前に小欄で紹介した『図説 軍服の歴史500年』の著者である辻元よしふみ・辻元玲子両氏が担当、用語や史実を押さえての解説がされており、これだけでも興味深い」というありがたい書評を賜りました。なお、前著は『軍服の歴史5000年』でして、ここだけちょっと残念だったりしますが・・・。とはいえ、ご紹介いただけるのが本当にありがたく、軍事研究編集部の皆様、誠にありがとうございました。

2015年1月01日(木)
 明けましておめでとうございます。2015年もよろしくお願い申し上げます。
 昨夜は珍しく「紅白」の最後のあたり、中島みゆきさんとか三輪明宏さん、それにサザンオールスターズの出演シーンを見ました。最近の紅白は音も映像もよくなりましたね。
 その後、浦安市内の神社に初詣に行ってきました。おみくじは「大吉」が出ました! 幸先がいい感じです。
 初の日の出、はあいにく曇っていてよく見えません。建物の背後、明るいあたりに太陽があるのだろう、と思うのですが・・・ちょっと風が強く、曇りがち、午後には場所により関東でも雪、と予報が出ておりますが、それにしてもいい元旦になりました。
 今年も良い年にしたいですね。




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